和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第1574話 】
2017年 12月 09日 談

「なんにも思わぬが仏の稽古也」江戸初期の禅僧・至道無難禅師の言葉なれど、なかなか実行となると難しい事です。和尚のブログの中で何度も登場する言葉ですが、一年を振り返ってみると「なんにも思わぬ自分」を只管心掛けている事には違い有りません。お間違えないように敢えて申せば、なんにも考えないのではありません、なんにも思わないのです。頭の中は四六時中思考を繰り返していますが、いらざることを思わないようにしているのです。要するに、対立する心を粉砕するのが日課となっています。

今日も終日、干支色紙描きに専念しました。なんにも思わずに頑張りました! 思わないから頑張れました! ここ20年来続けて来た干支の色紙描き。多くの方々とのご法縁を大切にしながら、そのご厚誼に感謝しつつ、御挨拶代わりにこれまで描いてきましたが、まさに[無心の心」の行となっています。すべて手描きですから一つとして同じものは出来ませんね。描きながらいつも思うのですが、絵に「動き」が出てくれば完成です。例えば犬の絵をじっと見つめて「ワン!」と鳴くか鳴かないかが肝心の所です。「ワン!」と鳴くためには「なんにも思わない心」で見つめなければなりません。「なんにも思わぬが仏の稽古也」とはそういうことです。そんなうちかなわんわ!なんてぼやかないように。

師走月も矢の如く過ぎて行き、今年もあと20日ばかり。ブログをご覧いただいている皆様、この一年間は如何でしたでしようか? 無事にお過ごしになられたでしょうか? 和尚の日々のブログから「無事心」が皆様に届く事を願うばかりです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1573話 】
2017年 12月 08日 談

毎年恒例の干支色紙描き方教室。今年で2巡目ぐらいになるのでしょうか? いやもう3巡目に入ったのかも知れません。来年の干支は「戌(いぬ)」で、犬の種類も本当に沢山あるので今年は可愛いビーグル風にしてみました。如何でしょうか? 一番人気はトイプードルだそうですが、なにしろざっと100種類以上は有るそうですから選ぶのも大変です。

「犬」は我々禅僧にとって一番身近な動物で、専門道場で修行中に師匠から最初に与えられる「禅公案(禅の問答)」が、「狗子無仏性」という犬を引き合いに出した問題です。簡単に言えば、「犬にも尊い仏性が有るのか無いのか、即言ってみよ!」というものです。答えは「無心」に成り切って「無~!」と全身全霊で唱えるわけですが、今では懐かしく思います。

大安禅寺には家族動物納骨霊堂があり、特に犬と猫の遺骨が多く納められています。名前も人間と同じで「新太郎」とか「夢之助」などと名づけられており、実に親近感を覚えるものです。時々、和尚が買い物に出かけた折、納骨堂に御縁を頂いている方から「うちの新太郎がお世話になっています」と声を掛けられたりしますと誰のことかと戸惑う時があるくらいです。皆様のお家でも色々な動物を飼っておられると思いますが、少子化の進む近年、家族動物達の役割が重要視されて来ています。さて来年は「戌年」、犬の鳴き声にちなんでオンリーワンを目指したいものですね。友峰和尚より

「随処に主となる」 平成戊戌 大安友峰 書

友峰和尚のちょっといい話 【 第1572話 】
2017年 12月 07日 談

金沢21世紀美術館学芸員の方とともに 少林寺の視察

お天気が良いと本当にホッとします。一日のうちでも目まぐるしく変化するこの時期の北陸地方特有の気候ゆえに、ついつい表に出たくなるものですね。朝一番に少林寺に出向き、金沢21世紀美術館の学芸員並びに関係者の方々へお寺の中を案内しました。文化庁事業の「2018年東アジア文化都市」開催都市として金沢が選定されたそうで、中国・韓国の現代美術アート作家が来年の9月から11月にかけて金沢市内の数ヶ所で作品展を開催予定で、その候補地のひとつとして少林寺の視察に来られました。

韓国から来日された プロモーターの方だそうです

国選定重要伝統的建造物群の寺町ですが、最近では観光客も増えつつあり、空洞化を防ぐためにも寺院の有効活用が求められています。また来年は寳勝寺庫裡修復工事も予定されており、その工事関係者に少林寺建造物を見て頂きました。どうやら金沢兼務寺院の普請事業は、まだまだ終わりそうにないようです。

少林寺本堂の状況を視察

少林寺 先々代住職の奥様

午後2時半には富山県魚津市より「平成会」の6名様が「楽く楽く法話」を聞きに来られましたが、そのグループの中に日頃からご厚誼を頂いている伊東紀一氏がおられ、法話後は皆様と一緒に歓談しました。伊東氏とは「魚津市法人会」特別法話にて大変お世話になり、それから長らく御縁を頂いている方です。

本日の楽く楽く法話にて

法話終了後、おもてなしの茶礼

伊東様とともに 御来寺賜り誠に有難うございました

一日の中でも多くの人との出会いが生じていきます。「人生とは出会いの旅である」とはよく言ったものです。明日もまたどんな出会いがあるのか楽しみです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1571話 】
2017年 12月 06日 談

早朝の京都駅

今朝方の京都の気温はマイナス2℃とずいぶん冷え込みました。快晴の京都を後に一路金沢に帰りましたが、これまでにも何度も経験していますがトンネルを越えて敦賀に入った途端、一面が雪景色になる光景は実に異次元で、関西から北陸観光に向かう観光客にとってはたまらない感覚に違いありません。師走月は忘年会と共に会社慰安旅行の月でもあるので、多くの団体客で電車は満席状態でした 。この時期の北陸地方の魅力はなんと言っても温泉と海の幸に人気が有り、京都駅のパンフレットコーナーもカニツアーのカラフルな紙面で溢れかえっていました。

金沢駅にて

 

午後より 少林寺にて


今日は午後から野町・少林寺で法要が厳粛に営まれました。金沢は雪もなく無事に終える事が出来安堵したものです。気候の激しく変動する時期だけに、空模様を気にかけながらの法務遂行となっています。これからは金沢兼務寺院四ヶ寺の年末大掃除と新年を迎えるための準備が進められて行きます。寳勝寺の山門前に門松が登場するのも、もうまもなくです。さてジリジリと大晦日に近づいています。油断しないように一年の締めくくりとしての法務に邁進して参りたく念じています。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1570話 】
2017年 12月 05日 談

会議のため京都に向かいましたが、ものすごい雷轟と大粒のアラレの降りしきるなかでの出発でした。京都は嘘のように晴れていて、狭い日本なれどこうも気候が違うものかと驚きます。さっそくに寳勝寺からは突風で何もかもが吹き飛んでしまいそうでどうしよう!どうしよう!との不穏な連絡。じたばたしても仕方がないから風に任せよ!と返事したものの、よほど大変だったらしくあらゆるものが吹き飛んで行ったとか? 親切にも近くの工事現場の方が回収して持って来てくれたそうですから、世の中まだまだ捨てたものでは有りません。

僧侶育成審議会 / 妙心寺派宗務本所会議室にて

午後一時半から始まった「僧侶育成審議会」、なんともといかめしい会議名ですが、なかなかどうして為になる会議内容でした。和尚も七十歳になり最早これまで! 僧侶を育成する為のエネルギーが次第に消滅の一途をたどっている中で、幸いに委員の中には若い若い僧侶もおられ、その意見をヒヤリングしているだけで頼もしく思えました。要するに、僧侶の未来育成を語る時には若い僧侶の意見が一番大切だという事でしょうか。住職としては一人の後継者を育成することが義務付けられているだけに、事は重大です。和尚も勉強のつもりで出来る限り頑張って会議に出席していきたいと思っています。


京都に来るのも今年はこれで最後ですから、明日は本山に参詣してこの一年の感謝を捧げたいと思います。南無観世音菩薩 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1569話 】
2017年 12月 04日 談

冬の貴重な新鮮野菜

師走月は法要が多くなる月でも有りますが、今日は少林寺総代様の月参りに行き、一年間のご法縁に感謝を申し上げました。帰山すれば羽咋市の中越様ご夫妻が和尚を訪ねて下さっており、たくさんの手作り野菜をお届け下さいました。このところの気候不順で野菜が高騰していますが、頂いた野菜は大変立派なもので、やはり新鮮な野菜ほど有り難いものは無いです。

中越様御夫妻 と 歓談のひととき

最近は和尚も自炊することが多くなり、食材仕入れのためマーケットに行くも肝心の野菜の価格が高く、何度も思案しながらの買い物となっています。和尚の作るお味噌汁は僧堂風ちゃんこ味噌汁ですから、ふんだんに野菜を入れ煮汁が残ると次の日に野菜をつぎ足しながら食しています。何と言いましても野菜から出る自然な甘みほど美味しい物は有りませんね。

日曜明けの寺カフェは静かな時間が流れて行くと思いきや、相変わらず金沢観光人気でお客様が途切れず特に御朱印を求める方が増え、和尚の仕事はどうも減る気配も無いようです。ところで皆様はお元気にお過ごしでしょうか? 明日は京都・大本山妙心寺宗務本所での雛僧育成委員会定例会に出席予定ですが、しっかりヒヤリングしてきたいと楽しみにしていますよ。随所に主となる!の心境です。友峰和尚より

御来寺 誠にありがとうございました

友峰和尚のちょっといい話 【 第1568話 】
2017年 12月 03日 談

秋光ふりそそぐ中での御供養 / ふれあいパーク霊苑にて

洋墓の御前に供えられた美しい花々

師走の名の如く一日があっという間に過ぎて行く感が有ります。日曜日の今日は八面六臂といった感じでしたが、気持ちよく最後まで法務を遂行できました。また大学生との面談や、金沢21世紀美術館学芸員との企画相談の応対にも当たりました。

金沢工業大学より 建築学を専攻する学生2名が来寺されました

寳勝寺を訪ねて来られる方々の用事目的も様々ですが、唯一共通点は金沢市をもっと良くしたいと思っている事でしょうか? 午前中には金沢工業大学の学生2名が来られましたが、その目的は寺町寺院群内に有る梵鐘に関わるアンケートに答えてほしいという事でした。なるほど!最近は「騒音公害」と称して梵鐘もうかつに鳴らせない状況にあるとか。ニュースなどでは、園児のはしゃぐ声がうるさいので幼稚園を立ち退いて欲しいというご近所の意見を紹介していましたが、もはや寺院の梵鐘の音すら騒音公害のやり玉に上げられる中でのご質問でした。

熱心に話しをメモされる学生のお二人 

兼務寺院である野町・少林寺には鋳物師・初代宮崎寒雉作の梵鐘(延宝5年、1677年鋳造)が有り、金沢市指定文化財となっています。実に素晴らしい音色ですが、民家が隣接しているため現在は梵鐘を鳴らす事を控えています。そもそも梵鐘の役割には色々ありますが、やはり民衆の心を癒す音色としてここまで十分にその役割を果たして来た事と思います。仏事の始まりを示す鐘、時刻を告げる鐘、有事の際に鳴らす鐘、年越しの除夜の鐘等々ありますが、何と言っても心が癒されるのが一番です。それが今では騒音公害!とか、どうやら世の中も「おっカネェ」様相を呈して来たようです。友峰和尚より

 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1567話 】
2017年 12月 02日 談

2018年 戊戌 つちのえいぬ

寳勝寺での法務に戻りました。今日は土曜日ということで寺カフェのお手伝いをしながら干支色紙書きに専念しましたが、どうにもこうにも身体が怠く東京出帳の疲れがどっと出て来たようです。それにしても今回の出張は実に充実した感動的な日々を過ごしたものでした。北條様御夫妻との日光東照宮参詣は思い出深いものとなりました。思えば今から6年前に寳勝寺兼務住職として就任した際、卑山責任役員総代をお願いしましたがそれ以来毎年の如く栃木県鹿沼市在住の北條家訪問を約束しながら6年の歳月が流れてしまいました。この度、北條家祖先を祀る「ふれあいパーク霊苑代々墓」完成を機に北條家にお参り出来、漸くその約束が果たされた感じでした。北條総代の言によれば「もう諦めていた」とか? また、新しく修復された日光東照宮陽明門(日暮の門)を始め輪王寺(重要文化財)の修復工事現場を視察出来た事も幸運でした。

東海寺にて 沢庵禅師の御墓を参拝

東京では宗務所長意見交換会が17名の参加で開催され、沢庵和尚で有名な萬松山東海寺を参拝し沢庵宗彭(たくあんそうほう)和尚の開山塔を拝塔出来、感動しました。大安禅寺にも沢庵和尚の墨蹟が収蔵されていますが、沢庵和尚と言えば二刀流・宮本武蔵の師匠でも有ります。最終日には中本隆久氏が深大寺にご案内下さり、天台宗の加持祈祷を参詣する事が出来その上、今年国宝に格上げされた銅像釈迦如来立像(白鳳期作造)を拝仏出来、帰りには重要文化財梵鐘の音色と共に深大寺を後にしました。また品川「船清」の屋形船での宗務所長交流懇親会も良い思い出となりました。

深大寺境内の紅葉 と お掃除の行き届いた参道の景色

屋形船に乗りました

当日の東京は気温17℃と暖かく快晴に恵まれた4日間でしたが、訪ねる処どころで不思議な巡り合わせを感じたものでした。「歓楽極まりて哀情多し」とは中国漢武帝の言葉だそうですが、言い得て妙なり! 仏縁に導かれた東京出張! まだまだ感動の余韻が続きそうな気配です。 友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1566話 】
2017年 12月 01日 談

東京羽田9時25分発JAL小松行きの便で無事、金沢に戻りました。今日から12月「師走月」に入りましたが、気分を一新して今年最後の一カ月を過ごして参りたく思っています。この度の東京出張に際しましては、寳勝寺総代・北條英俊様ご夫妻そして㈱ココ・プランニング・中本隆久会長ご夫妻、三浦絵美子様に大変お世話になり心より厚く御礼申し上げます。

今回の東京最後の夜 中本隆久会長とともに

久しぶりの東京でしたが、妙心寺派宗務所長意見交換会と夕刻より開催された所長交流懇親会は和尚にとって大いに意義あるものとなりました。普段はなかなか胸襟を開いて話せない事も、場所が変わればまた違った意見が出てくるという事でしょうか。平成31年度1月より約12年間に渡って始まる「重要文化財大安禅寺諸堂全面大修復工事」浄財確保の事がいま和尚の一番の課題となっていますが、今後の活動のすべてをこの一点に集中させ、より多くの方々に重要文化財建造物の保護と後世に伝えていく事の意義を直に訴えながら、副住職始め檀信徒皆様方と協力して修復浄財募集を進めて行きたいと誓いを新たにしています。

東海寺 参詣 / 老大師から歴史の説明を頂いているところ

臨済宗大徳寺派 萬松山東海寺 1638年 徳川家光が沢庵宗彭を招聘して開山

熊本藩主 細川家歴代藩主のお墓をお参りしました

さて今年もとうとうあと1カ月を残すのみとなりましたが、このところインフルエンザが流行の兆しを見せているとか。皆様にはくれぐれも風邪には十分気を付けて、お健やかにお過ごしくださいますよう御祈念申し上げております。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1565話 】
2017年 11月 30日 談

東京の風景

「臨済宗妙心寺派・宗務所長意見交換会」が東京で開催されたのは初めてのことでしたが、一年に二回、京都大本山妙心寺宗務本所会議場で開催される定例所長会議も重要乍らやはりフランクに意見が交換される場所設定も必要だと痛感しました。俗に言うノミニュケーション(飲みながらお互いに意見を交換する)の中で本音を語り合うことが大いに仕事を発展させる上で大切です。昨晩の意見交換会に引き続き今朝の朝食時も大変盛り上がりましたが、所長の年齢もまちまちで住職経験年数も格差が有り、これまでの様々な経験を平易な言葉で語り合うことが寺院運営のヒントとなるようです。平成二十九年度最後の宗務所長会意見交換会に出席された各区所長の皆様、本当に楽しいひとときを有り難うございました。また慈雲寺様はじめ各幹事の皆様には厚く御礼申し上げます。

天台宗別格本山 深大寺 参詣 (東京都調布市)

朝食後は㈱ココ・プランニング中本隆久会長のご案内で東京での一日休養となり、まず深大寺に向かいました。折りしも運良く元三大師堂で護摩祈祷が行われており、本堂参拝の後さっそく御祈祷会にお参りさせて頂きました。輪王寺でも護摩祈祷会の中を参詣しましたが、今回も御法縁を得ることが出来ました。祈祷後は、先日「国宝」に格上げされた飛鳥時代の釈迦如来像を拝むことが出来ました。この度は本当に何度も不思議な御法縁を賜り、法悦に感謝したものでした。

元三大師堂 護摩祈祷会

国宝 釈迦如来像 拝観

中本隆久会長とともに 深大寺にて

11月27日に出発して今日で3日目ですが、この間に多くの方々と歓談し、皆様がそれぞれに一所懸命自分の人生を歩んでおられる事に共感したものでした。諸行無常、諸法無我だからこそ「刻苦光明必ず盛大なり」だと思います。泣いても笑ってもいよいよ今年も残すところあと一カ月! 更に参ぜよ三十年!頑張って参りましょうか! 友峰和尚より

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870