和尚のちょっといい話
山門にて / 野町 少林寺
「東アジア文化都市2018金沢・変容する家」展覧会が明日から金沢市内の寺町・野町・泉エリア、広坂エリア、石引エリアを会場に22名のアーティストが出展して始まります。少林寺でも、中国人芸術家・宗冬(ソンドン)氏が「出家・在家」と題して作品を展示していますので、皆様も是非御来寺頂きたいと思います。
作品の内容は禅宗の禅問答を取り上げ、「公案(こうあん)」をヒントに「出家・在家」の心の世界を作品を通して表現しているようです。本堂両側に於かれた長方形の箱型の作品の中は全面ガラスで覆われていて、中国・唐時代の禅僧「六祖慧能(えのう)禅師(慧能大鑑禅師 638-713)」の詩から「菩提本樹無し 明鏡も亦(また)台に非ず 本来無一物 何れの処にか塵埃を惹かしむること莫れ」の悟りの境地を表現したものです。
美術館スタッフの方に 作品と禅の公案について説明しているところ
展覧会開催を祝して ソンドン氏とともに
境内には 自由に揮毫できる 石のオブジェ
ほかの作品もすべて、禅宗公案を引き合いにした作品です。作品を一見して即座にその意図を理解することは困難だと思いますが、作品そのものから伝わってくるインスピレーションを感じ取って頂きたいものです。
この展覧会は11月15日まで開催されているので、何度もご覧いただければと願っています。少林寺住職としては、寺院空間の活用方法として多くの方々との仏縁を広げるべく、今後も色々と工夫していきたいと考えています。さて、9月20日は月例の木曜坐禅会! 明鏡台とは一体何を指しているのか? じっくり自分の心と対面して頂きたいものです。坐禅に来たれ!!友峰和尚より
9月17日の「敬老の日」を前に、孫の芭月(はづき)からの嬉しい絵はがきが届きました。鬼に金棒!坊主に数珠!ジイジに孫!ということで、孫からのメッセージほど元気の出るものは有りません。
このところ身体の節々の痛みでなんとなく意気消沈していましたが、孫が描いた溌剌とした和尚の笑顔の絵を見て元気が出ました! 特に黒縁の眼鏡には感動しました。最近視力が衰えて来たため、眼鏡を新調したところでした。和尚の表情がとっても良く描けていますよ。満点です! 芭月有り難う! じいじは元気に頑張ります!
さて、寳勝寺は現在休息に入っており、9月の3連休を控え夏から秋に向けての寺内の設えや看板の書き換えをしています。いつの間にか朝夕めっきり涼しくなり、急激な気温の変化で体調を崩す方が増えて来ているとか? 和尚もその一人ですが、季節の変わり目でも有る今日この頃、皆様に於かれましてはくれぐれも御身お大切にご自愛ください。
それにしても「敬老会」という言葉など和尚には無関係と思っていました。どうやら和尚も古稀を過ぎ仲間入りの歳を迎えているようです。この辺でそろそろけいろうかい!けいろう!けいろう! 友峰和尚より
平成28年9月27日撮影 宝勝寺本堂上 の お月様
今月24日は「中秋の名月」です。旧暦の8月15日が「十五夜お月様」で、太陽暦では9月24日となるわけですが、一年で最も美しい月が鑑賞できる日でも有ります。昔は縁側に月見台を設け、団子とススキを飾ってお月見をしたものでした。大安禅寺の裏山に昇る「中秋の名月」は実に見事なシチュエーションで格別な気分になるものです。
豆萩 / 宝勝寺境内にて
古来よりお月様を詠んだ歌は沢山ありますが、その中でも「奢(おご)るなよ 月の円(まろ)さも ただ一夜」の一句を気に入っています。また「月影の 至らぬ里は 無けれども 眺むる人の 心にぞ住む」という歌もいいですね! いずれにしても、安心(あんじん)の真ん丸のお月様は皆様の心の中に輝いているようです。
このところ漸く気温も下がり、本当に凌ぎやすくなりました。昨日は膝関節がズキズキ痛んで、掛かりつけの整形外科を訪ねようと思っていましたが、一晩安静に休養したおかげで朝方にはすっかり痛みも無くなっていました! 膝の痛みはどうやら腰から来ていたようでした。皆様! 膝の痛みはは腰痛が原因で起こる事を知って頂きたいと思います。膝だけ治療しても効果なし! 腰痛を治療すれば必ず膝関節も良くなると感じました。「奢るなよ 月の円さも 只一夜」です。反省!反省! 友峰和尚より
金沢21世紀美術館 展覧会の準備が進んでいます / 野町 少林寺にて
本日 火曜日は休寺日、ようやく心身の休息を取ることが出来たようです。どういうものか、このところ両足膝関節の具合が悪く、その原因が運動不足なのかそれとも変形性膝関節炎なのか、いやいや使いすぎなのか?と日々、苦しんでいます。そう言えば、最近のテレビCMでは色々な関節炎治療サプリメントが紹介されていて、なるほど!高齢化社会の我が国で、膝関節に痛みを感じている方が如何に多いかを思い知らされるところです。結局のところ、和尚の膝の痛みは運動不足であるとの自己判断から、先ずはストレッチ体操を始めることにしました。
宋冬(ソンドン)氏 と 通訳の堀江さん
禅からインスピレーションされている 宋冬氏の芸術作品の数々
来る9月20日は月例木曜坐禅会の日です! この坐禅とて、膝関節が痛んでいては坐る事すら不自由ですから、一刻も早く痛みを解消させなければなりません。椅子席を用いての坐禅も出来ますが、やはりドッカと単布団に坐わらねば腰が落ち着きません! 坐禅こそ禅坊主としての心の根幹をなすもので有りますから、しっかり療養したいと思います。
さて皆さん! 随分と朝夕が涼しくなりました。20日、午後6時半からの坐禅会に是非ご出席くださり、長月の秋の風情を楽しんで頂きたいものです。心の余裕にはどうやら大休息が必要のようです。明月や 坐禅坐禅の 我が身かな 友峰和尚より
本日は休息する間もなく、金沢国際ホテルで開催された「全日本司厨士協会北陸地方本部・石川県本部合同定時社員総会」にご招待を受け、午後4時よりの懇親会に出席致しました。「司厨士協会」とは西洋料理の料理人団体の国際組織で、厨房を預る料理長並びに経営者方々の集まりでも有ります。
平成29年度 物故者慰霊祭の折 全日本司厨士協会の皆様と愈好亭にて
大安禅寺には北陸地方司厨士協会会員物故者の慰霊碑が有り、毎年7月に慰霊祭が行われています。最近、どの会合に出席しても、来賓方々の冒頭の言葉は全国的に広がる異常気象による災害被災者へのお見舞いの言葉と、不幸にも亡くなられた方々への追悼の言葉です。また司厨士協会に於いても有事の際には、現地に赴き、炊き出しなどのボランティア活動に全力を尽くすとの力強い言葉が続きました。
枯木堂にて行われる 法要のようす
もはや日本全国どこにでも起こり得る自然災害だと痛感します。寺院にあっても有事の際にボランティア活動として何が出来るか、御来賓皆様の御挨拶を拝聴しながら真剣に受け止めたものでした。過去には被災者救済の避難場所として寺院が利用されたこともありましたが、近年は耐震構造の問題や、山津波などの大規模災害には対応出来なくなってきているようです。ならば非常食や電源の供給など、何か役に立つ防災対策を寺院同士で考えておく必要があるのではと強く思ったものです。
平成30年度 物故者慰霊祭の折
金沢プレミナンスの銘菓 「金澤ぶりゅれ」
石川県本部・川本紀男会長の御挨拶の中には、料理人としての強い責任感を感じました。災害に遭った時、一番不便に思うのは「食」だと思います。寺院でも非常食を常に準備しておくことも大切な事だと思った懇親会出席でした。友峰和尚より
岐阜県高山市 臨済宗妙心寺派 真龍山 宗猷寺(そうゆうじ)
まもなく式典がはじまる 本堂にて
臨済寺住職 阿部宗徹 無底窟老大師
飛騨高山市内は外国人観光客で大変な賑わいを見せていましたが、午前9時半より宗猷寺 東徹前住職の「退山式」に引き続き、第二十三世精徹和尚の「晋山の儀」が多くの僧侶並びに檀信徒の見守るなか盛大に挙行されました。心配された雨も稚児行列が出発する頃には小雨となり、戒師様より無事に健康成長の祈願を受けました。
出頭される御寺院方 の 控えの間 にて
稚児行列
宗猷寺第二十二世 東徹和尚退山式
宗猷寺第二十三世 精徹和尚晋山式
無底窟老大師 御挨拶
晋山の儀式は実に荘厳なもので、新しい住職を迎えるに相応しい厳粛な雰囲気が全山を包み込んでいました。約三時間に渡る晋山式! 万歳!万歳!万々歳! 精徹和尚様の今後益々のご活躍を楽しみに致しております。東徹前住職様は和尚の僧堂時代の大先輩です。長い間、本当に御苦労様でした。これまでにも沢山の御指導を賜りましたこと心から感謝御礼申し上げます。嬉しい出会いも有りました。花園大学の同級生で、現在は静岡・臨済寺住職、阿部宗徹 無底窟老大師に久しぶりにお会いし、大変嬉しく思いました。精徹和尚の修行時代の師匠で、今回の晋山式の主賓として来寺されました。
祝賀会にて
祝賀会場にて 無底窟老大師と懇談しました
多くの方々の御法縁を得て無事に晋山式が円成されましたことに、心より御祝い申し上げます。友峰和尚より
長野県飯田市 安養寺住職 と 無底窟老大師 / 「穆如清風」 老大師真筆の墨蹟
ふれあいパーク霊苑 秋の薔薇のなかでの御供養
気温がグンと下がり朝方の温度が23℃と、肌寒く感じるほどでした。ようやくエアコンから解放され自然の空気の中での目覚めとなりました。それにしてもこのところの天地異変の災害続きには気持ちも重くなるものです。被災された皆様のお気持ちを考えると本当に辛くなります。振り返るに、今年の北陸地方を襲った豪雪は約2メートルを超え、毎日が雪との闘いでした。その恐怖の記憶からまだ冷めやらぬ中での今回の台風21号と北海道大地震ですから、極めて重く感じ取っています。一日も早い生活復帰を切に願っております。
金沢21世紀美術館 レセプションにて
さて、昨晩は午後5時より、金沢21世紀美術館で開催された「東アジア文化都市2018金沢展覧会」の内覧会とレセプションに出席しました。
レセプション会場にて
金沢21世紀美術館 館長 島 敦彦氏 の御挨拶
中国の芸術家 邱志杰(チウ・ジージエ)氏 の御挨拶
沢山の関係者の方が 来場されていました
また本日は、明日の午前9時半より岐阜県高山市の宗猷寺 そうゆうじ 様で行われる「新命精徹和尚 晋山式」に出席するため、午後より一路高山市へ車を走らせました。宗猷寺現住職・今城東徹和尚様は、西宮市・海清寺僧堂の大先輩で、この度退山されて御子息の精徹和尚が晋山(しんざん)されます。後継者不足の今日において、無事に世代が継承されていく事を心からお祝い申し上げます。少子高齢化社会の進む日本社会! お互いの助け合いが安心の心を生んでいくようです。友峰和尚より
東アジア文化都市2018金沢 コア事業連携企画
邱志杰(チウ・ジージエ) 書くことに生きる
2018年9月8日(土) – 2019年3月3日(日)
芸術家 ソン・ドン氏をお迎えして
今月15日より始まる「東アジア文化都市2018金沢」展覧会を前に、少林寺にて作品展示をされる中国芸術家ソン・ドン氏が本日卑山を訪問されました。今回は日本・韓国・中国の芸術家22名が、金沢市の石引エリア・広坂エリア・寺町、野町、泉エリアの3か所の会場で作品展を開催することになっています。
この展覧会は、平成30年度「文化庁文化芸術創造拠点形成事業」の一環として、金沢21世紀美術館が共催して実施される大規模な芸術イベントです。少林寺を会場とするソン・ドン氏の作品展テーマは「在家・出家」で、寺全体に立体的な芸術作品を多数展示されます。
禅や書画のこと、芸術のお話しで盛り上がりました
映像作家のジョンさんが準備している プロモーションビデオを鑑賞
少林寺 本堂のようす
先日撮影した 展覧会に寄せる少林寺住職としてのメッセージビデオ
現在は作品を搬入、組み立て中で、今から開催を楽しみにしています。お寺全体がギャラリーとなるわけですから、ソン・ドン氏の作品とどのように建物が変容するかがポイントです。また寺町台重要伝統的建造物群保存地区の雰囲気とのコラボレーションも楽しみですね!
同じく重伝建に指定されている寳勝寺の最終修復工事打ち合わせの為、金沢市歴史建造物保存課担当職員の方と施行業者さんを交えて現場視察が行われましたが、最近の天地災害の多発に鑑み、重要建造物を後世に残していく為の懸命の努力が続けられています。今回の展覧会のテーマが「変容する家」となっていますが、創建当初の姿をそのまま後世に伝えていく事も大切な文化事業の一つであると自覚するものです。友峰和尚より
1966年北京(中国)生まれ、同地在住。1989年首都師範大学美術学部を卒業。パフォーマンス、ビデオから写真、演劇、彫刻と多岐にわたる制作を通じて、人間の努力の非永続性や儚さを明らかにする。2009年にMoMA(ニューヨーク)で個展開催。モスクワビエンナーレ、ドクメンタ、ヴェネチアビエンナーレ、リバプールビエンナーレ、光州ビエンナーレ、サンパウロビエンナーレ、イスタンブールビエンナーレ、アジア太平洋現代美術トリエンナーレ、広州トリエンナーレ、台北ビエンナーレを含む、数多くの国際展で作品を発表している。(ご本人の画像およびプロフィールは金沢21世紀美術館ホームページよりお借りしました)
この度のスーパー台風21号災害ニュースを置き去りに、今度は北海道安平町、厚真町を震源地とする震度6の大地震のニュースが早朝よりライブで報道され、北海道全土に地震の影響が及んでいます。関西空港に閉じ込められた1万人に近い旅行者でしたが、今度は千歳空港始め新幹線も高速道路もすべてのインフラがストップし、こちらでも多くの方が足止めという前代未聞の大惨事となっています。次々と勃発する自然災害に対応するため、日頃から防災用具の備えが必須となって来ています。
ニュースの報道から見えてくるのは先ず、電源装置(自家発電機・ガソリン等)の確保、水、乾電池、携帯電話の補助充電器、簡易トイレ、特に携帯電話の補助充電器は必需品と思われます。停電が長引いた時には外部との連絡方法が絶たれてしまいます。自家用車のガソリンも日頃から注意して満タンにしておくといいですね。備えあれば患いなし!和尚も防災用具の完備を目指したいと思います。
先日、古物商「いなり商店」を営む中山広之氏より、前東大寺管長・清水公照師の肉筆を木版画化した「花鳥風月」の作品寄贈を受けました。どれも本当に素晴らしい作品で、眺めているだけで心が落ち着くものです。後日、少林寺にて作品すべてを公開したいと思っています。中山氏には心より厚く御礼申し上げます。
まもなく野町・少林寺では中国の有名な芸術家ソン・ドン氏による作品展覧会が開催されますが、皆様も是非御来寺頂きたいと思っています。芸術の秋を満喫したいものです。友峰和尚より
台風一過、晴天の今朝 少林寺にて
台風21号がもたらした豪風被害は甚大で全国に及んでいます。昨日の強風から一変して穏やかな朝を迎えたわけですが、ニュースで報道される映像を見て驚きました! 何台もの車が次々とまるで紙の如く舞うように吹き飛ばされていくシーンには恐怖を覚えたものです。金沢市内は風速44.3メートルと気象観測史上最大だったとか。ひと晩中サイレンの音が鳴りやまない状況が続いていました。寳勝寺の看板もしっかり固定しておいたにも関わらず次々に吹き飛ばされ、慌ててヘルメットをかぶり半パン一丁でずぶ濡れになりながら看板を追いました! 廊下沿いのガラス戸は弓のようにしなり、釘を打ちつけてなんとか損壊を免れることが出来たようです。幸いに建物本体には被害が無く安堵しました。
金沢21世紀美術館 設営スタッフの方と
台風のため出国が一日遅れていたマークさんと荒木さんが朝方卑山に来寺され、無事を喜び合いました。昨日に引き続きフランス・サンリス市での展覧会の打ち合わせをした後、一緒に少林寺と傳燈寺に赴き、台風被害状況の視察に行ってきました。どうやら大きな被害は無くひと安心! ここに来て多くの寺院を兼務する事の大変さを思い知らされました。
金沢市指定文化財 少林寺梵鐘 と記念撮影されるマークさん
奥様 と ともに
展覧会準備が進む少林寺本堂
宮崎寒雉様寄進の殿鐘を撞くマークさん
清々しい音色を聴き 喜ばれていました
傳燈寺にて 荒木さんが 台風後の掃除を手伝ってくれました
掃除後、先代住職の御供養と御祈祷
今年に入ってから、豪雪被害に始まり豪雨被害、暴風被害と異常気象が続いています。災害国日本! 関西空港では多くの外国人観光客が足止めになったとか、一刻も早く全力を挙げて復旧に当たって欲しいと願っています。今回の台風で被災された多くの皆様には心よりお見舞い申し上げます。 友峰和尚より