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第2938話

2021-09-02

禅語に「独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)」という中国の禅僧・百丈懐海禅師の言葉が有ります。自分の名前の“友峰”と禅語の“雄峰”を取り換えれば「独坐大友峰」となり和尚的に大変気に入っています。禅語の意味は実に簡単で、「俺が此処にどっかと坐っておるわい」というだけの事ですが、中国江西省・南昌にある百丈山の百丈寺に住持されていた百丈懐海禅師にひとりの僧が「如何なるか是れ奇特の事」と尋ねた問いに対しての禅師の返答でした。

「如何なるか是れ奇特の事」とは、「この世で一番有難いものは何か?」という問いかけに対し即座に「独坐大雄峰」と禅師が答えたわけですが、ここでいう「雄峰」とは百丈山の別名です。禅寺の玄関に「脚下照顧」と書いてあるように、なかなか人間は自分の事が疎かになりがちで、世事に心を奪われて一向に自分の心が見えないものです。

「 福 日々是好日 」

和尚も73年間、本当に健康でここまで無事に生きてこれたことに感謝するものです。人生にとって何が有難く何が尊いかと問われたら、「独坐大雄峰」と自信を持って言いたいものですね。さて本日は本当にゆっくりとした時間を過ごすことが出来ました。所謂「独坐寳勝寺」の一日となったようです。友峰和尚より

第2937話

2021-09-01

酔芙蓉(スイフヨウ) が 咲き始めました

今日から9月長月を迎え朝から小雨模様となりましたが、風景がいっぺんに秋色に変わったように思います。今朝方の気温が20℃ですから少し肌寒く、昨日の雰囲気とは随分違った感覚の中での目覚めとなりました。当然のことながら境内の草木も夏の様相から次第に秋の風情を醸し出しているようです。午前中には少林寺お檀家様の月参りに出向き、読経後にお庭を拝見しましたが、実にノスタルジックな感覚を覚え江戸時代にタイムスリップしたような素敵な気分に浸ることが出来たものです。やはり日本の四季の移り変わりの中でも、初秋の風情は一種独特で気持ちにも大きな影響を与えるように思います。

除草剤散布後の少林寺墓苑

午後からは少林寺の見回りに出掛け先日散布した除草剤の状況を確認しましたが、どうやら効果が表れて来たようで安心しました。どこまで寺院の管理責任が果たせるのかと不安を感じながらの日々の頑張りとなっています。

少林寺  初秋 の 苔庭

さて栃木県在住の北條様御夫妻よりご当地名物の餃子が届きました。本当にグッドタイミングで有難い事です。明日は休寺日なので、夕食で存分に頂き夏バテを解消したいと思います。ミンミン・ミンミン。友峰和尚より

第2936話

2021-08-31

子供たちの新学期もスタートしたもののコロナ感染クラスターの心配が拭えませんが、8月も今日で終わり、明日から9月長月(ながつき)に入ります。相変わらず残暑の厳しい毎日となっていますが、こうも気温のアップダウンが激しいと体調管理が難しいものです。超高齢者の一人住まいの方々には周りの方の十分な配慮が必要のように思います。73歳の自分ですら熱中症になる位ですから、超高齢者の皆様の体調を本当に心配します。

最近は大学時代に親しんだ俳句を作るように心掛けていますが、両親もずいぶん長い間俳句を趣味として毎日のように詠んでいた事を思い出します。俳句は短い日記のようなものですから上手い下手は関係なく思いに任せて詠んでみるのも宜しいかと思います。そこで一句、「コロナ禍の 一人食事や 虫の声」、なんとも哀愁漂う一句ですがいいですね! 更にもう一句、「情けなや 嗚呼情けなや 老いの秋」、悲痛な叫び声が聞こえて来そうですね。無ムムム無。ピコ! 友峰和尚より

第2935話

2021-08-30

「今ありて 今去りしいま 蝉しぐれ」 渓仙

先般大安禅寺で詠んだ一句ですが、どうもしっくりせず今いちど工夫してみました。そして完成した一句「今ありて 今去りしいま 蝉しぐれ」に決着しました。最初は「今ありて 今無きいまを 蝉しぐれ」でしたが、皆様如何でしょうか?蝉の一生の短さの中で一所懸命に鳴き続ける壮大な命の合唱ですが、我々の人生も長きようで短いものです。常に今の時を大切に全力で生きることを禅語では「一即一切」または「一期一会」と説いています。今日も夏の終わりを告げるかのように朝から蝉しぐれとなっています。ある日突然蝉の声がピタリと止んで秋の虫に主役が取って替わります。春夏秋冬、季節の移り変わりとともに人々の心も情緒を深くしていくように思うものです。さて午前中には少林寺御檀家の桑島様が御来寺下さり、終活の話題で盛り上がりました。加齢に伴って祖霊を思う心も深くなっていきます。和尚も自分の墓を建てておきたいと思う今日この頃です。友峰和尚より

少林寺檀信徒 桑島様とともに

第2934話

2021-08-29

日中友好の朝顔 が 満開となりました

残暑厳しい毎日となっていますが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 昨日は思いもよらぬ雨模様となり、一昨日せっかく除草剤を散布したのに効果は半滅となり再び少林寺墓域の除草剤散布に出掛けました。今日は朝から30℃近いカンカン照りの夏日となり、散布を終える頃には熱中症のような症状に襲われ頭痛に目まいと危うく倒れてしまうところでした。

境内のあちこちで 咲き誇っています

寳勝寺に戻って直ぐに氷嚢で頭や首筋を冷やし暫く横になっていましたが、そんな時ふと父親のことを思い出していました。情けないもので、同じくらいの年齢にならないと父親の本当の苦労が分からないのだとつくづく思ったものです。父は実に働き者で、じっとしている事が無かったほど外作業に専心していました。和尚の今の年齢(73歳)頃には毎日農作業に従事しており、今思うと何処にそのような力が潜んでいたのかと感心するばかりです。

午後には体も回復してやれやれ、そこでまたふと思いました。エンジェルス大谷翔平選手のホームランがこのところ出ませんがきっと疲れているに違いありません! 疲れを知らないのが若さなのかも知れません! いちど3日間ほど休息すれば再び復帰すること間違いなしです。人間には休息が大切であることをしみじみ感じる今日この頃です。さて「日中友好の朝顔」が今、見事に咲き誇っています! 今年一番の満開の状況です。花を愛でる時間も無かったお盆月、ようやく気持ちにも余裕が出て来たように思います。友峰和尚より

第2933話

2021-08-28

本堂にて 年忌法要を修業致しました

午後から卑山お檀家様の年忌法要が営まれましたが、施主様はじめお参りくださったご親戚皆様に故人の御遺徳を偲ぶため和尚自筆の色紙を差し上げました。色紙の言葉は主に秋の風情を詠った禅語ですが、故人は長年郵政の仕事をされ実に几帳面なお方で、卑山が発送した書類やパンフレットなどもきちんと整理しファイルしておられ感心したものでした。生前卑山に御参詣頂いたお姿を思い浮かべながらその御人徳を思い、これから本格的な秋を迎えるに因んで色々な言葉を書いてみました。

「 清風 萬里の秋 」

「 壷中 日月長し 」

「 月 千古の秋 」

秋と言えば“風、月、紅葉、菊、茶”などの字が思い浮かびますが、いずれも自然の風情と共に心の落ち着く季節でもあります。「風は息 虚空はこころ 陽は眼(まなこ) 海山(うみやま)かけて わが身なりけり」という道歌がありますが、まさしく自分の心も自然の営みも有るがままで一体です。寺内には至る所に禅語の墨蹟が掲げられていますが、その意味合いを感じ取りながら祖師方々の心境に思いを馳せる毎日です。

「 喫茶去 」

「 吾心 秋月に似たり 」

さてさて8月もあと3日間を残すのみとなりました、本当に“光陰矢の如し 時人を待たず”で、ぐずぐずしていると閻魔様のお怒りを買いそうです! クワバラクワバラ!待った無しの人生、頑張って参りましょう! 友峰和尚より

第2932話

2021-08-27

野町・少林寺墓苑にて 除草剤を散布しました

それにしても夏草の勢いには恐れ入るもので、あっという間に墓域は雑草で覆われてしまいました。どこかウイルスに似て除草剤を散布すればするほど手強い雑草がはびこり、除草剤の濃度を強くしなければ効果が薄くなっていくようです。猛暑日となった本日、満を持して少林寺の境内並びに墓域の除草剤散布と草引きに出陣しましたが、先日までの長雨で草茫々の有様、どうやらタイミングを逸したようで除草剤の全面散布となりました。

先日までの長雨で あっという間に雑草に覆われました

苔庭も 丁寧に草引き

少林寺の苔庭は実に美しく見事で、それと言うのも奥様の長年に渡る精進努力の賜物です。「人生はコツコツと歩め」とは和尚の父、先代・實道和尚の遺言ですが、何事も一朝一夕には行かないもので長い長い年月をかけてコツコツと努力して来た結果が見事な苔庭を生み出します。ふわふわの絨毯のような苔の上での草引きも丁寧に行いました。本当に「コツコツ」の意味が骨身に染みる昨今となっています。

寳勝寺境内も すみずみまで草引きと大掃除

さて月末の霊苑並びに境内や苔庭の大掃除となった一日、何処も彼処も輝いて見えます! 霊苑スタッフの皆さんも頑張りました! やはり「掃除」が一番です! 体の健康!心の健康! そして何より無事なる現在、神仏に感謝した一日となりました。有難う!お陰様!ご苦労様!なんもいえね!! 友峰和尚より

第2931話

2021-08-26

「 一華 五葉を開く 」 萬松山主大安友峰 書

「傀儡師(かいらいし) 首に掛けたる人形箱 仏出そうと鬼出そうと」という室町時代の道歌が有りますが、「傀儡師」とは人形師のことで、首に掛けた人形箱の中から色々な人形を取り出し観衆に向かって面白可笑しく物語を演じていきます。所詮は人形師一人の心が幾人もの人物像を描き、心のあり様で仏とも鬼ともなる「危うい人間の心」を意味しています。

「 心外無法 満目青山 」 大安友峰 書

コロナ禍にある現在一刻も早く感染拡大を収束させるためには、専門分野先生方々の意見を尊重し、感染者の命を守るための実質的な対策を急いでほしいと願うものです。コロナウイルスは目に見えない相手ゆえに人流を制限する手段も不可欠で、自分は大丈夫だという自己分別が感染拡大に繋がっていきます。感染を収束させる方法は、ワクチン接種を全ての人に完了させ人流を数週間完全にストップする以外に無いように思う今日この頃です。さて8月も残り少なくなって来ました。巣籠状態の中、9月長月に向けて法務遂行の段取りに入りたいと思います。友峰和尚より

第2930話

2021-08-25

新学期が始まると子供達にコロナ感染が拡大するのではないか?という保護者からの心配と、休校希望の進言が増えて来ているように思いますが、校内クラスター発生を考えると無理からぬ話です。なんとしても子供達の安全を守るには休校も一つの選択肢だと思います。当初新型コロナウイルスが子供に感染する確率は低いと報道されていましたが、デルタ株の感染拡大によっていっぺんに状況が変わってきたようです。最近では感染者の治癒後の症状など新しい情報が多く報道されるようになってきましたが、やはり体調不良を訴える方が多く、味覚障害・頭痛・記憶力の低下等々予断を許さない報告ばかりです。未来国家の宝でもある子供達をウイルス感染から守って頂きたいと強く思うものです。

ふれあいパーク霊苑 奥の院にて

墓前での御供養を修業致しました

さて本日は卑山代々墓「奥の院」にて御檀家様の霊前供養を修業致しましたが、コロナ禍の石川県にはまん延防止等重点措置令が出ているため県境を越える事が制限されており施主の方が御墓に参詣出来ない状況で、先祖の墓参までもが出来ずにいる今日、感染防止対策に強い指導力と優れた感染防止対策を打ち出すことの出来るリーダーの出現を願って止まない心境の毎日です。友峰和尚より

第2929話

2021-08-24

「 風清くして 月 楼に満つ 」

このところの愚図ついた雨が続き境内の雑草が一気に伸び、一刻も早く除草剤を散布したいのですがなかなかタイミングを見出せない状況にあります。少林寺にも出向き霊苑内や境内を見て回りましたが、やはりこちらも同じく雑草の伸びが早く手遅れ状態の様相でした。毎日天気予報との睨めっこが続いていますが、ようやく明後日頃からお天気も回復するそうですから満を持して除草剤散布に集中したいものです。とにかく守備範囲が広いため何を実行するにも体力との勝負となっています。今日からパラリンピックが開催されますが、弱音を吐いては選手たちに申し訳が立ちません!老体に鞭打って頑張って参りましょう!

「 水声 古今無し 」

さて巣ごもり生活が続いている昨今ですが、一向にコロナウイルス感染が収束する気配を見せず却って拡大方向にあるようです。10月には衆議院議員総選挙が行われる予定となっていますが「国民の命を守る為の力強い政策と実行」を選挙公約として打ち出す代議士に一票を投じたいと思うものです。友峰和尚より

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