和尚のちょっといい話
日昇前、早朝に行われる「朝課」
昨日より大安禅寺にて「企業役職者坐禅研修会」が1泊2日の日程で行われましたが、今朝方のぐんと冷え込む本堂での朝課(ちょうか:朝のお勤め)は身の引き締まる思いでした。住職に就任して27年になりますが、やはり、修行時代の初心に帰ることが常に大切であると思い知らされます。
全国には臨済宗妙心寺派の寺院が約3千ヶ寺有りますが、その一ヶ寺一ヶ寺に於いて寺の有り様は全くに違っています。法務の執行から寺院の運営方法などもそれぞれのお寺に合わせたやり方で、住職が苦心しながらも強化活動に専心しているわけですが、唯一の共通点は僧侶としての志であるかと思います。「同じ釜の飯を食う」という言葉が有りますが、修行時代を振り返りながら心を同じくして頑張っています。
修行を終えて寺に戻ると、ある僧侶は経済的に豊かな寺に、またある僧侶は経済的に恵まれない寺に、また大寺で有ったり小寺で有ったり、あるいは山奥で有ったり、大都会で有ったり、それぞれの縁に従って住職または副住職に就任し、禅僧としての人生を歩んで行きます。最近、全国の同派寺院のホームページを拝見し住職の法務活動を参考にしつつ新たな布教の有り方を模索していますが、やはり禅寺の面目は「坐禅に有り」と思いを強くしています。
たった一泊の坐禅研修なれど、参加者の功徳は計り知れないものが有ると思います。読経や坐禅、作務の実践こそ「己事究明」の究極であると改めて感じ取った朝の朝課でした。 研修参加者の皆さん、ご苦労様でした。お疲れ様! 友峰和尚より