和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第4088話 】
2024年 10月 26日 談

少林寺檀家総代 宮﨑幽斎様のお家にて

 

清少納言「枕草子」の秋の語りに「秋は、夕暮れ。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫の音など、言うべきにあらず。」と、これを現代文に訳しますと「秋は夕暮れ。夕日が照って、山に沈もうとしている頃に、烏が寝どころに行こうとして、三羽四羽、二羽三羽など、急いで飛んでいくのさえ情趣が感じられる。まして雁などが列をなして飛んでいくのがとても小さく見えるのは、たいそう趣がある。日がすっかり暮れてしまって、風の音、虫の音など聞こえるのは、また言うまでもない。」となります。

 

初代 宮﨑寒雉 作 鶴首茶釜 (江戸時代中期)

 

 

少林寺檀信徒総代 の 宮﨑幽斎様 <釜師 第十四代宮﨑寒雉師>

 

本日は午後3時より少林寺檀家総代・宮崎幽斎様の月例茶会に参席いたしましたが、まさに清少納言「枕草子」の秋の語り口の如くに穏やかな西日が茶室に差し込み、静寂の室内にシュンシュンと音を立てる茶釜はたいそう趣があります。一服のお抹茶を頂く際に亭主・宮崎幽斎様が茶道具を紹介する声すらも深まりゆく秋の庭に溶け込んでいくようでした。

 

 

「 閑坐して松風を聴く 」

 

和やかな茶会の風景

 

 

 

 

 

宙の御真前にて修業された 納骨御供養諷経

 

さて午前中には卑山霊苑の「宙」の墓前にて納骨供養が修業されましたが、読経中に仄かな秋の光が差し込んでなんとも幻想的でした。秋季の風情は人々の心を穏やかに落ち着かせてくれるものですね。明日は金沢マラソン開催と衆議院議員選挙投票日が重なり金沢市内は混雑が予想されそうです。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

 

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