和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第4072話 】
2024年 10月 10日 談
随分と朝夕寒くなりましたが、いちど屋外に出れば猛烈な勢いで秋の蚊が襲いかかり容赦なく攻撃を仕掛けて来るから厄介な相手です。しかもすばしっこくて体も小さいため見えにくく、いつの間にかあちこちに痒みを覚えて蚊に刺されたことを知ります。蚊にしてみればこの時季は最後のチャンスなのかも知れません。人間には厄介な虫でも蚊にとっては生死を賭けた突撃でもあろうかと思います。
インド仏跡 霊鷲山(りょうじゅせん)での坐禅
昔の話ですがインド仏跡ブッダガヤを訪ね参加者の僧侶一同が夕刻に坐禅を修したところ、猛烈な蚊の大群に襲われ剃髪した頭はもちろんのこと首筋から身体の至る所を刺され真っ赤に腫れあがった時のことを思い出します。蚊はどの国に於いても厄介な存在には違いないようですね。「蚊一匹に 施しかねる 我が身かな」なんて一句詠んだ方がおられましたがやはり蚊には参ります。
「 心外無法(しんげむほう) 」
さて蚊の話をしているとだんだん痒くなってきました。午前中にお檀家様の月参りに出かけた後は引き続き達磨図描きをしました。長い間筆から離れていたため感覚が鈍っていたようでしたが、描いているうちに見る見る戻って来るのも不思議です。明日からは久しぶりに姫観音図を描いてみようと思います。読書の秋!芸術の秋!蚊にもめげず頑張って参りましょう!友峰和尚より