和尚のちょっといい話
「 八風吹けども動ぜず 」 渓仙
大型連休中は良い天気に恵まれ、こどもの日には真夏日となるほどで全国的に汗ばむような気候となったようです。10連休ともなった今回の休みでしたが、やはり円安とこのところの物価高の影響からか節約型の休息を楽しむご家族が多かったとの報道でした。
休息明けの火曜日を迎えましたが、朝から雨模様の天気となりなんとも気持ちのが落ち着くものです。五月雨を「さみだれ」とも言うように、この時期の雨は風情があり霊苑内の草花がいっせいに開花し、なかでも薔薇は見事です。例年より1週間ほど早い開花となった霊苑内の薔薇ですが、今日の雨を受け色鮮やかに次々に開花しています。
宝勝寺境内には約120種類もの草木が植樹されており、紅葉などは青々とした新緑の葉を大きく広げたため本日は出入りの庭師に剪定を依頼したほどでした。この時季、江戸時代の俳人 山口素堂の「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の一句が思い起こされますが、初夏の風情を彷彿とさせる名句です。鰹のたたきの味が初夏の到来を感じさせてくれますし、ほととぎすの甲高いさえずりもまたしかりです。人間は悠久の自然の営みの中に心の安らぎを覚え明日への活力を生み出します。
さて自坊の大安禅寺では来る17日の「花園流御詠歌進級検定試験」のため御詠歌講員皆様の最後の練習が行われているとのこと。和尚はもはや「試験」という言葉からは無縁の昨今ながら、人生は常にチャレンジ精神を失わずに前向きに過ごしていきたいものですね。御詠歌講員皆様の全員無事合格をご祈念申し上げております。友峰和尚より