和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第3676話 】
2023年 09月 10日 談

寳勝寺玄関の白萩

 

毎年この時期になると経験する現象ですが、夏の終わりを惜しむかのように蝉がしきりに鳴きそれと交差して秋の虫たちが一斉に鳴き始めました。まもなく蝉の鳴き声も次第に止む事と思いますが、なんとも感傷的な気分に浸るものです。金沢市内にあってもそのように感じるのですから自坊などでは猶更の事です。

 

 

松尾芭蕉が詠んだ句に「やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声」とあり、読み人知らずですが道歌に「声はすれども姿は見えぬ 君は深野(ふかの)のきりぎりす」とどちらも味わいの有る句ですが、次の一句でその意味合いが理解出来るかと思いますが「声はすれども姿は見えぬ 見えぬところに主(ぬし)かよう」と。いわゆる無心無碍(むしんむげ)なる心の世界を詠んだ歌なのですが、現代社会においては秋の夜長を自然の生業と共にゆっくりと過ごす時間も余裕も無いように思います。時々昔は良かったと言われる方がおられますが、自然のあり様は今も昔もそんなに変わっているとは思えませんね。

 

小菊 / ふれあいパーク霊苑

 

さて午前中に少林寺お檀家・中山家の月命日忌諷経に出向きましたが、故・中山八郎様は先般百歳の誕生日を迎えた後に大往生されました。人生100歳時代を迎えましたが「報恩感謝」の追善供養とともに祖霊供養の大切さを心より思うものです。友峰和尚より

 

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