和尚のちょっといい話
夏になると定番の如くに「お化け屋敷」に人気があるそうで、今さらお化け屋敷でもないでしょう!と思われがちですが時代が変わっても「霊界」の話は依然人気があるそうです。世語に「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」というのがありますが、そう言えば子供の頃、夕刻に参道を登る途中の枯れススキが風に揺られフワフワしている姿を見て誰かが潜んでいるように感じたものでした。「枯れ尾花」とはススキのことですが、今の子供達はススキを見て幽霊と勘違いすることは無いと思います。昔は街灯も無く本当に真っ暗な寺の参道を何百メートル登るわけですから、ススキでなくとも実に夜は不気味に感じたものです。和尚の子供の頃はまだ提灯が現役だったため、ローソクの炎の揺らぐ様はなおさらのことでした。
いったい幽霊は存在するのかしないのか?の質問に答える一句有り、「有りと言い 無しと言う名に迷いきて 夢の世になお 夢をこそ見れ」また「有る無しは 逃れぬものぞ 諸人よ 昨日の夢が 今日も醒めねば」とあるように自分の心が作り出しているに過ぎないということです。面白いですね!そう言えば次のような世語があります。「極楽は 東に有らで 西に無し 来た道探せ みんな(南)身に有り」と。
さて皆様は幽霊を実際に見たことが有りますか? 今度もし幽霊に出会ったら一度呼吸を整えて目をパチパチさせてよく見て下さいね。大切なのは祖霊供養です! 日頃から祖霊供養をしっかり修業される方は大丈夫です。「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心許すな」、幽霊も結構風流な存在なのかも知れませんね。さて本日も墓前供養が修業されましたが、9月のお彼岸会まで更なる読経三昧の日々が続きそうです。酷暑のみぎりくれぐれもご自愛ください。友峰和尚より