和尚のちょっといい話
( 撮影:斉藤公一氏 )
開催初日、午前11時半から、野口美智子先生の真骨頂でもある「生け花デモンストレーション」が大学関係者向けに行われました。これまでにも何度も何度も、野口先生が花を生け込む姿を拝見させてもらって来ましたが、今回はまた格別に違っていました。実に丁寧でわかり易く、しかもゆっくりと説明しながら、一枝一枝を花瓶に差し込む姿には美しさを感じたものです。補佐をされた酒井む津子さんも、陰に日向に黒子としての役割を笑顔を以て対応されていた姿にも感心させられたものでした。師匠と弟子との阿吽の呼吸とでも申しましょうか。和尚などはどうしても花より人の方に目が行ってしまうわけですが、一つ一つの立ち居振る舞いこそが見事な生け花を作り上げていきます。静まり返った中での花切りばさみの音や息遣いが、見つめる人の心を打ちます。
興味深く見つめる学生さんや教授、大学関係者の方々 ( 撮影:斉藤公一氏 )
おひとりおひとりに、丁寧に説明される野口先生 ( 撮影:Gene Foulk 氏 )
( 撮影:斉藤公一氏 )
ワークショップのようす ( 撮影:斉藤公一氏 )
( 撮影:斉藤公一氏 )
サラ・ローレンス大学の学生さん、通訳をして下さった舟山先生とともに ( 撮影:斉藤公一氏 )
デモンストレーションの後、12時半から開催された生け花ワークショップでも多くの参加者が進んで生け花にトライしていました。国外での2度目の開催となった生け花ワークショップ。野口社中の皆様が堂々と日頃の腕前を参加者方々に教えている姿には、日本文化を身を以て伝えようとする意気込みを感じとった楽しい時間となりました。その日の午後4時からは、個展会場で大学長様はじめ大学関係者、VIPを招待しての野口社中の御茶席が開かれました。
静粛な雰囲気のなかでの、姉崎志乃様によるお点前
説明に聞き入るご列席の方々
姉崎志乃さんのお煎茶お点前披露は、和尚もこれまでに経験したことがないほど静粛で緊迫感漂うものでしたが、それはそれでまた風流な趣でした。何もかもが皆にとって初体験のアメリカ、ニューヨーク。サラ・ローレンス大学での一幕でした。つづく