和尚のちょっといい話
雨上がりの後の冷え込んだ大安禅寺の朝を迎えました。8時から庫裡玄関前の松の木の選定が今後新しくお世話になる庭師の斎藤 満さんとお連れの方とで始まりました。今年は北陸地方は大雪の予報が出ているので、雪吊りなども急がねばなりません。境内建物周辺の雪囲いは世話方さんによって早々と済んでおり、融雪装置の設え等を若干残すのみとなっています。長い長い厳しい冬を越すには十分な準備が必要ですね。
本当にのんびりムードの時間を過ごしています。漸く時差ボケからも解放されつつあり、体も楽になってきました。昨日の続きですが、個展会場となった大学図書館の二階の部屋は、今回の個展開催のために改装して下さったとか、なるほどまだペンキの後の残る綺麗な空間でとても気に入りました。昼食を終え腹ごしらえもしっかりして会場設営に入りました。
会場に入ってまず驚いたのは大安禅寺で制作した掛軸台と全く同じものが4台置いてあったことです。大変ビックリしましたよ!日本から送るには送料が相当かかるというので断念した製品と同じものが其処に有ったわけですから、無理からぬ話です。これは仁さんが、自分の工房で日本で見た製品と同じものを作成しておいたとの事で、もう感激でした。それだけではなく14個もの花置台も自ら手作りで作成したものでした。馬子にも衣裳という言葉が有りますが、やはり掛け軸やお花を展示するにもそれを飾る為の道具が必要というものです。そのほか展示用のパネルもあり完璧でした。
全員で手分けして、仁さんの作ってくれた花置台を運びました。
仁さんに続いて、斉藤さん。
斉藤さんに続いて、野口先生。
グリフィス教授の友人の庭師さんから提供された、花材の一部
沢山の枝の中から、野口先生と社中の皆様が選別され枝葉を処理されました。
もう何も言う事はありませんひたすら展示の準備に入りました。野口社中の皆様が使用される花材も山ほど用意されていました。写真の如くです。グリフィス教授と仁さんの今回の個展開催への強い気持ちが伝わってきた瞬間でもありました。
日本から送った掛軸や額、備品など。毛氈に包み送った作品も
休憩中のようす
右へ、左へ、相談しながら机を移動中
日本から丁寧に送られた作品を開封しながら、個展開催成功を祈りながらの展示設えが始まりました。三月に開催された、金沢しいのき迎賓館での墨蹟禅画展を思い浮かべながらの作業となりました。ワイワイガヤガヤもう野口先生も社中の皆さんも我々スタッフもわき目も振らずぶつぶつ言いながらの集中した時間となりました。つづく