和尚のちょっといい話
「席正しからざれば坐せず 席不正不坐 論語」 中川健造
「席正しからざれば坐せず」とは「論語」孔子の言葉ですが、昨日の「日中友好の朝顔の会」の席上で福山市からメインゲストとして出席された中川美術館館長・中川健造氏より開催記念にと直筆の色紙を頂きました。一年ぶりの開催でしたが、晩餐会は実に楽しいひと時と成りました。その席上にて中川健造氏が直筆の色紙を手に取って説明されたわけですが、日常の礼儀作法が希薄になって来た今日の社会に於いて、最早この言葉を理解する人も少なくなってきているのではと感じます。
御自ら「席不正不坐」の言葉の説明をされる 中川様
福永嫮生様と中川様とともに
寺院の「相見の間(応接室)」に於いても時々感じますが、家族で入られた場合、子供さんが上座に座るケースが多く見受けられ、親が子に注意することもなく両親が下座に座るということが多々あります。本来は父親が上座に座り、その横に妻、そして子供の年長者から順に座ったものです。何が故に位置が決まっていたのかと言えば、家長制度に有ってその家の権限を持つ者が上座に座るということでした。今では家長制度などは有りませんが、目上の方を尊重する意味では大切な事だと思います。
日々 新たな大輪の花が咲き・・・
大きな種が 実り始めています / 寳勝寺にて
「席正しからざれば坐せず」の言葉の意味には実に深いものが有ります。人間、常に謙虚に立ち居振舞うことの大切さでも有ろうかと思います。昨晩の宴席は、皆様ご夫婦で出席されたものの男性群と女性群に分かれての極めて盛り上がりを見せた晩餐会でした。それぞれにキチンと自分の坐る場所を知っての宴席だったのでしょうか? いづれにしても、本当に心ゆくまで語り合った充実した「日中友好の朝顔の会」でした。友峰和尚より