和尚のちょっといい話
「なんにも思わぬが仏の稽古也」江戸初期の禅僧・至道無難禅師の言葉なれど、なかなか実行となると難しい事です。和尚のブログの中で何度も登場する言葉ですが、一年を振り返ってみると「なんにも思わぬ自分」を只管心掛けている事には違い有りません。お間違えないように敢えて申せば、なんにも考えないのではありません、なんにも思わないのです。頭の中は四六時中思考を繰り返していますが、いらざることを思わないようにしているのです。要するに、対立する心を粉砕するのが日課となっています。
今日も終日、干支色紙描きに専念しました。なんにも思わずに頑張りました! 思わないから頑張れました! ここ20年来続けて来た干支の色紙描き。多くの方々とのご法縁を大切にしながら、そのご厚誼に感謝しつつ、御挨拶代わりにこれまで描いてきましたが、まさに[無心の心」の行となっています。すべて手描きですから一つとして同じものは出来ませんね。描きながらいつも思うのですが、絵に「動き」が出てくれば完成です。例えば犬の絵をじっと見つめて「ワン!」と鳴くか鳴かないかが肝心の所です。「ワン!」と鳴くためには「なんにも思わない心」で見つめなければなりません。「なんにも思わぬが仏の稽古也」とはそういうことです。そんなうちかなわんわ!なんてぼやかないように。
師走月も矢の如く過ぎて行き、今年もあと20日ばかり。ブログをご覧いただいている皆様、この一年間は如何でしたでしようか? 無事にお過ごしになられたでしょうか? 和尚の日々のブログから「無事心」が皆様に届く事を願うばかりです。友峰和尚より