和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第352話 】
2014年 08月 07日 談

お盆のお話ですが、この「お盆」という意味は、古いインドの言葉・サンスクリット語「ウランバーナ」が音写され、その意味は「倒懸」といって”逆さまに吊り下げられた”の意味ですが、詳しくはインターネットで検索してみてください。今日、先進国といわれる世界の国々において犯罪が多発しています。凶悪な犯罪が増え、しかもその中にあって家族間での争いから発生する犯罪が多くなってきているそうです。一番心配されるのは「家族間」という事です。犯罪の防止についてはあらゆる機関が対策を講じていますが、やはり家庭内での対応が大切ですね。「昔々、その昔の話です・・・。」から始まる昔話、赤鬼と青鬼の話を子供の頃によく聞かされたものです。当然ながら地獄の話でしたが、実に恐ろしく怖かったことを思い出します。「人間悪いことをすると地獄の鬼たちが出てきて、長い槍で突き刺されたり油の煮えたぎった窯に放り込まれるのだ!!」なんて、声を変えて話されるとビビったものです。思えば幼少時期にあって聞いた昔話ほどいつまでも心に残るものはありませんね。現代は電子社会に変わりテレビが子守りの代役を務めていますが、やはり何といっても親から直接に聞く話は子供にいろいろな意味で影響を与えますね。お盆の行事もそうです。大人のお盆が済みますと、今度は子供たちのお盆「地蔵盆」が来ます。”村のはずれのお地蔵さんは村のみんなの人気者です”なんて歌がありました。犯罪の防止策として、伝統的村行事を通して子供の頃から村全体が和合を旨としていたように思います。そこでお盆ですが、祖先のお墓参りは当然のことながらお寺のお参りにも積極的に子供を参加させて頂きたいと思います。御坊様がぞろぞろ出てきてチン、ドン、バシャンと鳴物を鳴らしお経を唱える姿などは子供にとって摩訶不思議な世界に見えることと思いますが、それがいいのです。なんだか不思議な心地になるとき、自分の心に何かを問いかけ始めるものです。それが伝統仏教行事の神髄でもあるからですね。子供は親のすることを見て育っていきます。家庭内暴力や犯罪から子供たちを守ることが出来るのは親しかありませんね。来る大安禅寺の盂蘭盆会にはご家族皆様が揃ってご参加くださることを願っています。仏教行事は現世利益でもあります。祖先の霊供養と家族の心の供養を同時に行うのが「お盆」の行事です。「さかさまにつりさげられた」の意味は、常日頃悩まされる自分の心なのかも知れませんね。さて今日は私事ながら内孫「芭月」のお祝いをしました。いつの世でも家族一同が揃って仏様に感謝の心を捧げることが出来るのは本当にうれしいことですね。友峰和尚より

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