和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1147話 】
2016年 10月 08日 談

昨晩、急用で自坊に戻りましたが、大安禅寺の渓谷一帯は秋風に包まれ甘い香りが漂って来て、大変気持ちの良いものでした。朝から雨模様となりましたが、この雨さえもまた古刹の秋の風情を一層濃くしてくれています。室生犀星の詩「故郷は 遠きに有りて思うもの・・」の冒頭の言葉は全くに説得力のある言葉です。金沢と福井はそれほど遠く離れた場所では有りませんが、それでも尚、故郷を想う気持ちは遠くに有ればあるほど強くなるものです。

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さて三連休の初日ですが、旅行を計画されている方が多いこの季節、やはり紅葉鑑賞が目玉のようです。時期的にはまだ少し早いのですが、北の名山からは紅葉のニュースが届けられています。大安禅寺には樹齢200年を超える紅葉の古木が有りますが、本格的に色づくのはまだまだ先で、毎年11月中旬ごろが見頃となります。日本人にとって春は桜、秋は紅葉見物と、本当に情緒性豊かな国民であるとつくづく感じます。学生の頃は京都に住んでいましたが、金閣寺の紅葉を見学に行ったとき、外国人の方々は紅葉の美しさにあまり興味を示していなかったことを鮮明に記憶しています。 成る程!と思ったのは、アメリカ・ニューヨークや北欧を訪ねた時、あまりにもスケールの大きいダイナミックな紅葉の景色に驚いたものでした。日本人はコンパクトな自然の中に宇宙を感じる国民性を有しているのかも知れませんね。例えば竜安寺の石庭などもそうだと思います。これからが本格的な紅葉シーズン、大いに眼を楽しませたいと思っています。友峰和尚より

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