11月, 2017年

第1565話

2017-11-30

東京の風景

「臨済宗妙心寺派・宗務所長意見交換会」が東京で開催されたのは初めてのことでしたが、一年に二回、京都大本山妙心寺宗務本所会議場で開催される定例所長会議も重要乍らやはりフランクに意見が交換される場所設定も必要だと痛感しました。俗に言うノミニュケーション(飲みながらお互いに意見を交換する)の中で本音を語り合うことが大いに仕事を発展させる上で大切です。昨晩の意見交換会に引き続き今朝の朝食時も大変盛り上がりましたが、所長の年齢もまちまちで住職経験年数も格差が有り、これまでの様々な経験を平易な言葉で語り合うことが寺院運営のヒントとなるようです。平成二十九年度最後の宗務所長会意見交換会に出席された各区所長の皆様、本当に楽しいひとときを有り難うございました。また慈雲寺様はじめ各幹事の皆様には厚く御礼申し上げます。

天台宗別格本山 深大寺 参詣 (東京都調布市)

朝食後は㈱ココ・プランニング中本隆久会長のご案内で東京での一日休養となり、まず深大寺に向かいました。折りしも運良く元三大師堂で護摩祈祷が行われており、本堂参拝の後さっそく御祈祷会にお参りさせて頂きました。輪王寺でも護摩祈祷会の中を参詣しましたが、今回も御法縁を得ることが出来ました。祈祷後は、先日「国宝」に格上げされた飛鳥時代の釈迦如来像を拝むことが出来ました。この度は本当に何度も不思議な御法縁を賜り、法悦に感謝したものでした。

元三大師堂 護摩祈祷会

国宝 釈迦如来像 拝観

中本隆久会長とともに 深大寺にて

11月27日に出発して今日で3日目ですが、この間に多くの方々と歓談し、皆様がそれぞれに一所懸命自分の人生を歩んでおられる事に共感したものでした。諸行無常、諸法無我だからこそ「刻苦光明必ず盛大なり」だと思います。泣いても笑ってもいよいよ今年も残すところあと一カ月! 更に参ぜよ三十年!頑張って参りましょうか! 友峰和尚より

第1564話

2017-11-29

日光東照宮参詣

「日光を見ずして結構と言うなかれ!」の諺の通りでした。日光東照宮の御威光を感得しながら初めて参詣致しましたが、流石に徳川家康公の恩徳を肌で感じ取った次第です。今回、日光東照宮をお参りしたことには理由があります。再来年より開始される大安禅寺諸堂修復工事に際し、是非参詣してから始めたいと願ったからです。また、輪王寺が現在、修復工事が行われており、重要文化財修復工事ということで実際に工事現場を見てみたいという気持ちからでも有りました。今後の参考になることが多々有り、本当に視察して良かったと思いました。

 

輪王寺 修復工事の視察

視察後は、北條総代様と一路東京品川プリンスホテルに向かいました。妙心寺派宗務所長意見交換会出席の為ですが、北條総代様にはホテルまで道案内をして頂き本当にありがとうございました。また昨日は奥様の心の籠もった手料理をご馳走して頂き、大変美味しく頂きました。誠にありがとうございました。

昨晩は北條総代様のお家で 御夫妻とともに

浅草寺 参詣

品川プリンスホテルにて

さて、宗務所長意見交換会の前に東海寺を参拝し、沢庵禅師霊墓に拝塔致しました。沢庵禅師の墨跡が大安禅寺にも保存されているだけに感動しました。東京での宗務所長意見交換会は初めての試みでしたが、意義ある会となったようです。友峰和尚より

 宗務所長意見交換会にて 沢庵禅師霊墓 拝塔

東海寺 参詣

東京の夜景

第1563話

2017-11-28

栃木県日光市 日光金谷ホテル

昨晩は栃木県の日光金谷ホテルに宿泊しましたが、JR日光駅に到着すると北條総代様が駅まで迎えに来てくれていました。ホテルでの夕食をともにしながら、これまでの寳勝寺復興やふれあいパーク霊苑工事などについて、般若湯(お酒)を頂きながら歓談しました。北條様の帰りの電車の都合もあって話の続きは翌日にとなりましたが、実にゆったりしたひとときでした。

北條総代 と ホテルでの夕食

宿泊した「日光金谷ホテル」は、おそらく皆様も御存知かと思いますがテレビ等でよく紹介される老舗のホテルで、創業が1873年(明治6年)という日本最古のリゾートクラシックホテルだそうです。写真でもご覧頂けますように、実にヨーロッパ・ロココ調風のシックなデザインで、以前ベネチアやパリを訪れた時の事を思い出していました。

北條様おすすめの「百年ライスカレー」

北條総代様のお勧めで七時半より特別に作られる「金谷カレーライス」を頂きましたが、このカレーライスも「金谷百年カレー」としてホテルの人気食なんだそうです。なるほど! シンプルな味付けでどこか懐かしい味わいのカレーライスでした。第2日目の本日は、北條総代様の自家用車で御夫妻とともに「いろは坂」をぐるりと回って、中禅寺湖、華厳の滝、戦場ヶ原、輪王寺そして本命の日光東照宮を参詣する予定となっています。

本日 朝 金谷ホテルにて

 

 

奥日光三名瀑のひとつ 湯滝

北條総代様御夫妻 中禅寺湖にて 

 

華厳の滝

華厳の滝にて 奥様とともに

北條総代様とともに

日光東照宮は和尚が長年に渡って参詣を念願していただけに、ゆっくり参拝したいと思っています。ここ数年、本当に多忙の日々を過ごして来たため、ここ暫らくはスローライフの生活を楽しみたいものですね。友峰和尚より

第1562話

2017-11-27

今日は午後2時発の新幹線で東京に向かいましたが、どうしても日光東照宮をお参りしたく、大宮から新幹線を乗り換え宇都宮を経由して日光へと入りました。卑山の北條総代様が栃木県鹿沼市にお住まいで、かねてよりお訪ねしたいと思っていたので、北條家にもお伺いして御先祖のご供養も希望しました。今回は東京で妙心寺派宗務所長懇談会が開催され、それに併せての北條家訪問ですが、寳勝寺の行事や会議が行われるたびに遠方より必ず出席して下さり、本当に感謝申し上げております。卑山は武家寺という事もあり檀信徒の方々は関東・関西に多くお住まいのため、今後は全ての檀家様のお家にお参りしたいと願っているところです。

 

久しぶりに良いお天気に恵まれた一日でしたが、午前中はふれあいパーク霊苑でのご供養が集中し、新しく多くの方々とのご縁を頂きました。なかには過去に大安禅寺で和尚の生き生き法話を聞かれた方もおられ、ご供養後もご家族皆様と歓談させて頂きました。住職の法務は多岐に渡りますが、やはり人との出会いの中での懇親が一番重要かと感じるものです。

 

さて、明日参詣する日光東照宮は言わずと知れた徳川家康公の霊廟。大安禅寺もまた徳川一党越前松平家の菩提所。心して参詣したいと願っております。徳川家康公の御告げを受けて、今後の大安禅寺諸堂復興に繋げて行きたいと念じています。友峰和尚より

第1561話

2017-11-26

大安禅寺 中庭

大安禅寺の夜明けとともに広がる境内の景色はまさに絶景です。一日を通して太陽の光の加減で紅葉した木々の色が刻々と変化していく様はそこに住む者にしか味わえない実に贅沢な環境です。今日はそのような美しい紅葉の景色を後にして一路電車で金沢に向かいましたが、これまたサラリーマン方々の電車通勤とはこのようなものなのかと新鮮な感覚を味わったものでした。最近は福井-金沢間の電車移動が増えてきましたが、今日は午前8時半発の電車ということで、金沢駅までの約50分間は瞑想するには最適のリラックスタイムとなりました。70歳にもなりますとどのような経験もそれほど感動しなくなるものですから、新たな感覚に接すると嬉しくなってしまいます。車での移動は緊張感からか極めて神経を使う為、最近では電車を利用する事が増えてきました。加齢と共に日常生活の行動が何もかも変化して行くようです。

 寳勝寺 山門

さて、明日から東京出張という事で今日はその準備をしましたが、29日には妙心寺派宗務所長意見交換会が品川プリンスホテルで開催予定となっており、普段は京都大本山妙心寺の宗務本所内での会議が多いため、今回は交通の利便性も考慮して東京で開催する事となりました。いつもとは違った雰囲気の中で忌憚なく意見が交換されることを期待するものです。まもなく12月師走を迎えますが、愈々今年もあと一か月余り、どうか皆様に於かれましてはお健やかにお過ごしください。友峰和尚より

寳勝寺 本堂前庭の沙羅双樹

 

第1560話

2017-11-25

雪起こしの雷が時折地響きを立てて轟くなか一夜が明け、どんなに雪が積もっているかと心配しましたが、意外や意外、雪も無くホッとしたものでした。いつ大雪になっても仕方がない北陸地方ですが、一日でも遅いほうが有り難いですね。昨晩はアメリカ・ニューヨーク州サラローレンス大学・グリフィス教授が寳勝寺に宿泊され、さぞかし雷で眠れなかったと思いきや時差ボケの影響でよく眠れたとの事、ひとまず安堵しました。

一服する間もなく、曹洞宗主催学会での講演のため朝一番の新幹線で東京へ向かわれましたが、和尚もグリフィス教授を金沢駅へ送った後は所用で自坊に戻らなければならないというハードさ、「友遠方より来るまた楽しからずや」と今や地球もずいぶんと狭く感ずるようになったものです。江戸時代ならアメリカ渡航も3カ月は掛かったろうに。本当に我々はものすごいスピード時代に生きているのかも知れません。これ以上速くなったら旅行の醍醐味も薄れるかも知れませんね。駅弁を買って、汽車の窓から景色を眺めつつ弁当を食べながら旅行を楽しんだのは遠い遠い昔の話です。和尚の中学時代の修学旅行は東京見物でしたが、その時の交通機関はまさにSL、東京までは車内に一泊でした。隔世の感とはそういう事を言うのであろうと思います。スピードがアップすればするほど、スローライフ時代が恋しくなるのは和尚だけでしょうか? 自分の心を止めるしか方法は無いようです。友峰和尚より

第1559話

2017-11-24

11月24日は「いい富士」の日なんて和尚が勝手に決めましたが、日本の霊峰「富士山」はやはり日本一だと思います。和尚も一度ぐらいは登ってみたいと思っているのですが、どうやらその望みも叶いそうにないようです。富士山などは登るより遠くから眺める方がずっといいと言う方も多くおられます。要するに姿かたちが他に類を見ないほど美しいのが特徴だからです。確かに昔々箱根の方から眺めた事が有りますが、それはそれは見事な美しさでした。何よりも富士のすそ野まで広がる雄大な景色には感動したものです。「お富士さん 霞の衣ぬがしゃんせ 雪の肌が見とうござんす」なんて唄った方が有りますが、本当に粋な歌ですね。それほど美しいお山だという事です。さて北陸は白山と立山ですが、こちらも負けてはいません。冠雪を抱く白山連峰も実に美しいもので、特に大安禅寺から眺める白山はまた格別なものが有ります。昨晩はアメリカニューヨーク州よりサラ・ローレンス大学教授のグリフィスさんが久しぶりに来られました。以前、サラ・ローレンス大学の学舎内で墨蹟と禅画の個展を開催しましたが、今では懐かしく感じています。

ニューヨーク州 サラ・ローレンス大学

サラ・ローレンス大学 先生方との交流

学生たちへの 書道クラス

 

文房流晴心会野口支部の皆様による 生花とお茶のデモンストレーション

仏教を学ぶ 学生たちとともに

 

本日夕刻、寳勝寺にて グリフィス教授とともに

教授とは西宮市・海清僧堂で出会い、以後家族ともども約50年のお付き合いをしています。いつの日か機会が有ればもう一度ニューヨークで個展を開催してみたいと願っています。世界中の多くの方々とのご縁が新たな希望を生んでいくようです。友峰和尚より

第1558話

2017-11-23

平成三十年 迎春の門松  / 大安禅寺境内 本日設置されました

大安禅寺境内に門松が登場しました。見事なまでの一対の門松ですが、大安寺観光協会主催により、卑山御用達 小森庭園主・末政幸憲氏の指導のもと藤田通麿会長はじめ中内豊氏・宮田康孝氏・桜井雅信氏が立てられました。門松を最初に立てたのは平成3年ですから、今年で27回目という事になります。そもそも11月のこの時期に立てるようになった理由は、北陸地方は十二月になると雪が降り、卑山の山に自生する竹や松や梅の木の伐採が困難になるため、観光客も多いこの時期に皆様にも一足早くお正月気分を味わって頂こうと企画されたものです。

毎年この門松のテーマを決めますが、今回は来年の法話の御題でも有る「随処に主となる」としました。午前中にはさっそくに富山県小矢部市から来寺された団体様が、法話終了後門松と共に記念写真を撮っておられました。先ずはめでたし!めでたし! 

本日の生き生き法話のようす

お帰りには、門松を鑑賞されました / 地元福井のテレビ局の取材を受けておられるようす

この門松が登場すると、いっきに迎春の準備が加速されていきます。今では福井の風物詩にもなっている大安禅寺の門松ですが、今後も末永く続けて行って欲しいものですね。 昔から目出度きものの縁起物でも有る「松・竹・梅」ですが、完成した門松にお神酒を備えると「まつたくうめ~」って神様がお喜びになるそうです。

また今日は今は亡き先代十九世實道和尚の祥月命日でも有り、昨日は亡き母の月命日でも有りました。午前九時より家族と職員とで両親の法要を営みました。勤労感謝の日でも有る本日は多くの方々に感謝した一日となったようです。夕刻のニュース番組でも門松の話題が報道されました。皆様も是非ご参拝ください。友峰和尚より

第1557話

2017-11-22

大安禅寺 本堂前の外掃除

明日から天気が崩れ再び冬型の気圧配置になるというので、今日は早朝から境内の掃き掃除をしました。紅葉した落ち葉が余りにも美しく掃除をためらうほどでした。数年前より竹箒から強力なブロアーに持ち変えて掃除をしていますが、なかなかの優れもので本当に助かっています。地面にこびりついた葉っぱや木の根っこに溜まった枯れ葉などは竹箒を使っても取るのが難しく、機械の威力を感じ取っています。まもなく雪の季節を迎えますが、それまでには何としても徹底して掃除をしたいと思っています。

さて、寳勝寺からは、玄関入口に屋根雪除けの三角屋根が組み立てられたとの報告を受けました。また自動食器洗い機とガスの工事も完了したとの事、そのような報告を受けた途端に、師走が目前に迫って来たなと実感するものです。

寳勝寺 玄関 雪除け三角屋根の設置

寺町の大工師 岩内さん

三角屋根が 大屋根から落ちる雪を割ります

 

自動食器洗い機の試運転

大安禅寺 年末大掃除のようす

大安禅寺では勤労感謝の日の明日、門松が立てられる予定になっていますが、こちらもまた新年を迎える準備が始まったようです。寺内では既に職員による年末大掃除も始まっています。なにしろ広い広い堂内ですから、あまり寒くならないうちにとの配慮から十一月から大掃除をすることにしています。この時期は一日を通して色々な仕事が増えていきますが、それすら年末を感じさせるに十分な気持ちにさせてくれるものです。今年もあと一か月余り、一年の締めくくりの月でも有るので、先ずは心の整理から始めて行きたいと念じています。友峰和尚より

第1556話

2017-11-21

文化財建造物保存協会による 大安禅寺諸堂修復工事打ち合わせ会

今年の流行語が「排除」となるのでしょうか? 夕刻のニュースでは「相撲協会が貴乃花親方を排除か!」などと伝えていましたが、このところの世相は「白か黒か」と、どうも物騒な先行き不安を感じます。それぞれの立場に立ってとことん話し合う事が重要かと思うものです。来年の法話のテーマが「随処に主となる」ですが、この意味は「常に自分を殺して相手の心と一体に成る」という事で、相手と一体に成ったところに真実が見えてくるものです。それを「立処皆真(りっしょみなしん)」と言いますが、相手の立場に立って物事を考える事が求められているようです。また「是非を問う者は須らくこれ是非の人」とも有りますように、お互いに理解し合う事が肝要かと思いますね。

さて、今日は午後より恒例の「生き生き法話」催行に引き続き、平成三十一年度より始まる「重要文化財・大安禅寺諸堂修復工事」に関する「調査工事打ち合わせ会議」が行われました。文化財建造物保存協会、通称「文建協」の職員・佐藤氏が今後の工事の進め方などについて報告されましたが、会議には福井県文化課・中川氏並びに福井市文化課・藤川氏、そして卑山からは藤田総代、蒔田総代、吉岡修理委員会顧問も出席され、より具体的な報告が成されました。

地盤調査の報告では、大安禅寺の地盤はかなりしっかりした凝灰質砂岩の岩盤である事がわかり、今後の地震対策として耐震補強の点で参考にされるとの事でした。かなり長丁場の大掛かりな工事になる為、緊張感を持って進めて行きたいと思っています。国の重要文化財を後世に伝えるという大義に添って、頑張っていくしか方法は無いようです。友峰和尚より

本日の生き生き法話の様子 / 大安禅寺 枯木堂

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