和尚のちょっといい話
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友峰和尚のちょっといい話 【 第4238話 】
2025年 03月 25日 談
今日も20℃を超える暖かい一日となりました。火曜日は休寺日で和尚にとっては何よりの休息日となっており、人の気配の消えたカフェの室内は実に静寂そのもので独り占めでのお茶を頂くひとときは実に癒されます。
寺カフェを開業している時には気づかないほど、禅寺としての幽玄な雰囲気を感じさせてくれます。おそらくカフェを利用されている方もきっと悠久の歴史を感じ取りながらカフェでのひと時を楽しんでいるに違いないと思ったものでした。
縁側に出て庭を眺めればおかめ桜が満開となっており、本格的春の到来を否応なく感じたものです。いいですね!最高です!「花が霞か 霞が花か 言うに云われぬ今朝の春」と一句詠まれた方がおられますが、まさしくその心境でした。
しかしながら喜んでばかりはおれません。この霞が中国からやってくる「黄砂」のせいだとすると注意が必要です。今日は遠くの山々が霞がかったようになっており、黄砂だとすると風流な気分も醒めてしまいますね。とは申せ来客される方も無く、話題の無い日もまた風流だと思います。禅書「碧巌録(へきがんろく)」の中に「風流ならざる処もまた風流」と有りますから、人気のないカフェの部屋を巡りながら一人して色々思いを馳せるのも風流だと思いますよ。
何が尊いかと言って、心が無事であることの有難さでもあります。さて暦はまもなく4月卯月(うづき)を迎えようとしていますが、皆様にはくれぐれもご自愛頂き心がうずくようなワクワクした桜の季節を迎えて頂きたいと願っています。友峰和尚より