和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第3851話 】
2024年 03月 03日 談

3月3日は桃の節句でもともとは「上巳(じょうみ)の節句」で老若男女問わず邪気を払う行事として伝わっていましたが、江戸時代頃からは女子のお祭りとして定着したそうです。現在ではひな祭りとして雛人形や甘酒、菱餅、ひなあられなどをお供えして女子の災厄を払う行事となっています。

 

 

和尚の幼少の頃は終戦後の日本社会の中にあってこれといったおやつも無く、桃の節句には母が必ず砂糖醤油で炒った雛あられを作ってくれた事を思い出します。田舎では師走にお正月用の鏡餅を搗きますが、その際あられも餅も作って保存し桃の節句の折に子供達のおやつにしたものでした。また麹で熟成させた甘酒も美味しく飲んだことを思い出します。

本当に今とは違い甘い食べ物の少ない時代だったので、ひな祭りが来るのを楽しみにしていたように思います。豪華な雛段セットも無く、当時は雑誌の付録に入っていた折り畳みの雛飾りにあられや甘酒を供えて兄弟姉妹でお祝いしたものでした。最近では七段雛飾りからコンパクトな内裏雛飾りや人気アニメのキャラクター雛人形に人気があるそうですから、時代の移り変わりとともに飾り方も色々と変化していくようです。

 

「 梅花咲きて 香り 衣に満つ 」 渓仙 書

 

さて日曜日の桃の節句となり、女子のお子様をお持ちの御家族ではどのようなお祝いをされておられますでしょうか? 厄災を払う行事ゆえに、ご家族揃って寺社に出向きお祓いの御祈祷を受けるのも宜しいかと思います。子供達の無事なる成長を和尚も心から願って止まないものです。それにしましても今日も雪模様となり気温もずいぶん低くなっています。皆様にはくれぐれもご自愛くださいますようご祈念申し上げます。友峰和尚より

 

 

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870