和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第2440話 】
2020年 04月 22日 談

福井県緊急事態宣言に伴う休業要請がこの25日に発令されるのを前に、本日は今後の法務遂行などについて打ち合わせをしました。既に拝観は停止されており、6月に開催予定の「花菖蒲祭」も中止を余儀なくされる中での会議でしたが、本当に「万事休す」の状況で、寺院運営の更なる努力が求められています。

午後1時からは和尚の自室にて、今は亡き母「微妙院一糸文慧禅姉」祥月命日忌法要を副住職並びに家族と共に修業致しました。

「ほろほろと 鳴く山鳥の 声聞かば 母かとぞ思う 父かとぞ思う」という歌が有りますが、母は92歳の天寿を全うし、生前には俳句を趣味とし、「一糸」の俳号で多くの句を残しています。いつの日か句集を発行してあげたいと念じながら8年の歳月が流れました。

俳句の内容の多くは、卑山に嫁いでからの約70年間に渡る色々な思いを募ったものでした。一句一句に、寺と苦楽を共にした母の気持ちが伝わってきます。晩年は常に拝観受付に座って「御朱印」を担当していました。また和尚の書いた色紙を包む「たとうし」の表書きも母が担当していたものです。母との思い出は尽きる事が有りませんが、本日は家族のみでのご供養となりました。

「故里に つづくこの道 そばの花」 一糸

「堂縁に つどひてよりの 今日の月」  一糸

「御僧の 四方へ打ち出す 初太鼓」 一糸

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