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第1917話

2018-11-17

11月23日(金)は、今は亡き先代住職実道和尚の命日で、今年で三十回忌を迎えます。父が他界して約30年間、自分は本当に父の恩に報いて来たであろうかと自省の念に駆られる毎日です。父は、農業・林業を生業に我々兄弟4人を育ててくれました。父の悲願は寺院の復興に有ったので、来年度から12年に渡って始まる諸堂修理工事はきっと喜んでくれているに違いないと、勝手に思っています。

少林寺にて お檀家様の満中陰忌法要が修業されました

本日は野町・少林寺でお檀家 宮崎様の満中陰忌法要が営まれましたが、故人とは生前、御夫婦共々何度か親しく交流することが出来ました。短い時間では有りましたが随分と長くご厚誼を頂いて来たように思うほど、人望のある方でした。ご家族揃ってのご法要を嬉しく感じたものでした。明日も寳勝寺で法要が営まれる予定となっていますが、近年その法要も減少傾向に有り、これまでは当たり前のように行われていた御先祖や両親の御霊を弔う事の大切さを、布教活動の一環として説いて行かねばならない世の中になってきているようです。

明日の御法要を前に 羽田様が御来寺下さいました

寳勝寺本堂修復事業などで大変お世話になりました 新保様とともに

さて、12月を目前にして何処となしか道行く人の姿にも気忙しさを感じます。「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く!」とは有名な交通標語です。昨晩もご近所で交通事故が発生していました。くれぐれもご用心!ご用心! 友峰和尚より

第1916話

2018-11-16

平成30年 11月度 宝勝寺木曜坐禅会

「吾が心 秋月に似たり 碧潭(へきたん)清うして皎潔(こうけつ)たり 物の比倫に堪うる無し 我をして如何が説かしめん」とは寒山詩の名句です。確かにこの時期のお月様は実に清々として澄み切って見えます。自分の心もまた秋月のように爽やかで実に穏やかです といった詩ですが、昨晩の坐禅はまったくにこの詩の如く大変気持ちの良いものでした。

一年を通して、毎日が清々しく安心の心で過ごすことが出来れば何も言うことは無いのですが、どっこい!そんなに調子良く行かないのが人生! だったらせめてもの一日ぐらいは穏やかで楽しく過ごせたらと思うのも人間です。

白隠禅師坐禅和讃 唱和

坐禅は有り難い事に、僅かの時間で深い安心に導いてくれるという優れた方法なんです! そのヒントは「調息」で、我々の心臓は生まれてこのかた止まることなく動いているわけですが、最も大切な心臓の調子を整えるのが「坐禅」なのです。即ち「心の働き」と「心臓の働き」は一体のもので、「身体と呼吸と心」を同時に整えていくのが坐禅だと思います。

西方寺御住職 と 瑞光寺信徒 咲川様とともに

川面専務 と 北國新聞の担当者様とともに

さて11月も後半に入りました。一日一日を大切にリズミカルに過ごして行きたいものですね!友峰和尚より

第1915話

2018-11-15

「 禅 」 渓仙 書

本日は月例の木曜坐禅会が午後6時半より開催される為、その準備をしながら1年を振り返っていました。1ヶ月に1回の坐禅会なれどその1回の坐禅の時間が大切で、禅僧は特に坐禅が命ゆえに、自坊に於いても約50年近く怠りなく続けてきました。座布団一枚で無限なる安らぎを得られる「坐禅」ほど有り難く素晴らしい「行」は有りません。坐禅和讃の冒頭に出てくる「衆生本来仏なり」の言葉が、自分の中に溶け込むように実感出来ます。寳勝寺で始めた木曜坐禅会も4年が過ぎ、今では10名近い老若男女の方々が毎月参禅しています。「身体と呼吸と心を整えましょう」とは本山指導の坐禅標語です。皆様も是非いちど坐禅を体験してみて下さい。

さて、東京より「ふれあいパーク霊苑」中本隆久会長の御友人でも有る西尾様が娘様と御来寺下さり、しばし応接室にてお話しました。色々な出会いがまた多くの御法縁を結んでいきます。住職の務めは常に御法縁と共に有るようです。友峰和尚より

御来寺頂き 誠に有難うございました

第1914話

2018-11-14

酔芙蓉 綿毛の種子

晩秋の寺町界隈はさすがに人の流れも少なくなり、寺が連なる寺院群の風景にも冷たさを感じます。北海道では季節遅れの雪がようやく降ったとか! 今年の北陸地方は未曽有の豪雪となっただけに、「雪」と聞いただけで腰が痛くなりそうです。和尚にとって雪は一日でも遅いほうが有り難いのですが、ウインタースポーツを待ちわびている方々は降雪のニュースをきっと喜んでいるに違いありません。本当に受け取り方の思いは色々です。

午前中には、㈱ココ・プランニングの中本社長と川面専務が来寺され、12月1日(土)午後1時より卑山で開催される「ふれあいパーク霊苑・ジャズコンサート」についての打ち合わせをしました。今月もあと半月! 次第に12月の予定も入り始めましたが、「師走」の声を聞くと途端に一年の過ぎゆく早さに戸惑いを感じます。「時間よ!止まれ!」と言いたいのですが、秒針は止まることなく回っていきます。ニュースでは大晦日恒例のNHK紅白歌合戦の出場者決定が報じられていましたよ! やはり待ったなしの人生のようです。稀勢の里 頑張れ!! 友峰和尚より

第1913話

2018-11-13

「東アジア文化都市2018金沢」展覧会 無事円成致しました

どんよりとした小雨模様の一日となりましたが、皆様にはお元気にお過ごしですか? 街なかは何となく気忙しいような気配を感じさせています。片町きらら広場では既に大きなクリスマスツリーが飾られ、多くの若者達が楽しんでいる姿が印象的です。本日は休寺日でしたが、午前中には先般開催された「東アジア文化都市2018金沢」展覧会の無事閉幕を受け、金沢21世紀美術館学芸員の黒澤さんとコーディネーターの沢井さんが御挨拶に来寺下さいました。野町・少林寺での展覧会は中々好評だったとの事でしたので、今後も寺院の活用方法として引き続きお願いしました。

少林寺檀信徒 宮崎様が御来寺下さいました

10時半からは、来年4月21日から28日までフランス・サンリス市で開催予定の「アートサクレ 墨蹟禅画展」と「文房流晴心会野口翠智社中茶会と生け花展」の日程打ち合わせをしました。今回は野口社中の10名様がご参加という事で、綿密な打ち合わせが行われているところです。その後は、野口先生のご子息が香林坊で経営されているフランス料理店「ル・マルス」で昼食を頂きながら引き続き懇親しましたが、出発まであと5カ月あまりになり、12月には作品の製作に掛かりたいと思っています。パリは3度目の渡航となり、海外での個展は2回目故に、創作への思いは膨らむ一方でいまだに思案が続いています。墨蹟パフォーマンスでは「禅」また「闘魂」の字を大書しようと考えています。書と禅は一体のもので、それを「書禅一如」と言いますが、後世に作品が残るだけに頑張ってチャレンジしたいと今から楽しみにしています。友峰和尚より

野口翠智先生、丸子様、北島様とともに 御来寺 誠にありがとうございました

第1912話

2018-11-12

ふれあいパーク霊苑「奥の院」の掃除をしました

先般、岐阜県郡上市「願蓮寺」の門前掲示板の標語が話題になりました。その標語とは、「おまえも死ぬぞ <釈尊>」というもので、朝日新聞をはじめとする多くメディアが取り上げていました。宗教の究極は「生と死」で、言い換えれば「無常」の実体を悟ることでも有ります。

近年「墓じまい」や「散骨」また「お骨の引き取り放棄」等々の現象が急速に広がりを見せていますが、よくよく考えてみれば、祖先への「報恩謝徳」の念が失われていく時、社会の秩序も崩壊する傾向に有るのではないかと懸念するものです。日本国の歴史は飢餓の歴史でも有りました。一日に一回の食事がやっとだった頃の祖先の辛苦の気持ちを想えば自然に、今あることの有り難さが自覚できるものです。

 

掃除後、奥の院にて廻り諷経

お檀家様の 御命日供養を修行しました

合祀墓 「宙」にて

祖先を奉じる心は自分を奉じる事でも有ると思います。「おまえも死ぬぞ」と御釈迦様が申されたかどうかは知りませんが、無常の世界に生きている事こそが「死の世界」と同一であることを知るべしなのです。「今と言う 今こそ今が 大事なり 大事の今が 生涯の今」だからこそ、祖先の恩と父母の恩に感謝していきたいと強く思うものです。友峰和尚より

 

第1911話

2018-11-11

寶勝寺 ニシキギの紅葉

11月11日は何の日?という事で、お隣の中国では「独身の日」として若者の間で広がりを見せているそうです。何故かと言えば、「1」という数字が4つ並ぶからだそうで、別名「ダブルイレブン」とも言うそうです。人間、本当に色々考えるものですね! 独身の若者達は、この日ばかりはと思いきってネットショッピングをし、僅か1日の間になんと! 3兆円もの取引が有ったとか! 中国と言えばネットショップ「アリババ」が超有名ですが、全くに今やネット通販の物凄さを感じます。中国の人口が約14億とも15億とも言われていますから、日本とは比較になりませんね。

「 遊 ゆう 」 渓仙 書

日本でも、若者を中心にインターネットで品物を購入するのが当たり前になって来ている今日ですから、近未来にはお札がこの世から消えるというのも現実味を帯びてきているようです。和尚などはまだまだレトロでアナログ世代ですから、とてもとてもネット通販では品物を買う気がしません。さて、そんな話とは別に、午前中には寶勝寺お檀家の上田様がお友達3名と寺カフェに来て下さいましたが、そのお友達の中に、いつも法務でお世話になっている高岡市の江雲庵様の奥様がおられ、誠に仏縁の不可思議さを感じたものでした。しばし応接間で歓談致しましたが、素晴らしい元気印のマドンナの皆様でした。出逢いの寺「寶勝寺」ですから当たり前と言えば当たり前なんですが、やはり嬉しい事でした。お寺は縁を結ぶ所、金沢に来て7年が過ぎようとしていますが、次第に法縁が広がりを見せ始めている昨今です。友峰和尚より

 

御来寺下さり 誠にありがとうございました

第1910話

2018-11-10

日が暮れるのがいつの間にか随分と早くなったものです。たそがれ時のふれあいパーク霊苑は、いつもとは違った雰囲気を醸し出しています。夕日が沈むさまは浄土を感じさせるほどで、思わず合掌して感謝の心を表しています。

昨日は自坊での記者会見に臨み、今日は兼務寺院・瑞光寺での法務遂行のため午前中はお檀家様の月諷経に出掛けましたが、毎日の居場所が目まぐるしく変わるのも一年の終わりの月を迎えているという実感が有ります。また年々法務の仕事が増えていくということは、それだけ自分が必要とされている事なのでしょう。

夕刻には(株)みなと石材の社長さんが来寺され、瑞光寺裏山の樹木枝伐採に関する金沢市の許可申請書類を持参されました。先般の台風で大木の枝が折れ、近隣民家に被害を及ぼした為ですが、何事も和尚一人の力では限界があり、多くの援護者のお蔭で無事に済んでいくことを本当に有難く思っています。高齢者の孤立化が問題視される現代に有って、家族の絆がより一層大切である事をしみじみ思う今日この頃です。友峰和尚より

第1909話

2018-11-09

車窓からの青空 九頭竜川 と 大安禅寺を包む山々

昨日から一変して、金沢は冷たい雨模様となりました。午前中の法務を済ませ、午後2時からの記者会見に合わせ一路電車で福井に向かいましたが、その車中から大安禅寺方向をふと望むと、雲間にポッカリと穴が開いたように青空が広がっていました。

吉岡泰英先生 (中央) と 責任役員総代 (右側から)藤田様、蒔田様 

今日の記者会見は、卑山重要文化財 諸堂修理事業の今年度着工決定を受け、その発表の席となりました。先代実道和尚からの悲願でもありました卑山の全面復興修復工事の決定だけに、和尚としても大変嬉しく思っています。

 

午後二時から記者会見が行われ、新命副住職の司会進行のもと無事に発表を終了する事が出来ました。福井に向かう車窓から大安禅寺の天空に青空が広がっている情景を見て、先代実道和尚が見守ってくれていると実感したものです。本日は多くの地元報道関係者がご来寺下さり、御取材賜りました事に厚く御礼申し上げます。歴史的建造物の保存修復継承は、住職としての使命でもありますから、副住職と檀信徒と共に精進努力して参りたく思います。

記者の方々へ 修復について説明される吉岡泰英先生 

これまで絶大なる御支援とご協力を頂いて参りました 吉岡泰英先生 にも記者会見に同席頂きましたが、今後とも引き続きご指導を賜りますよう切にお願い申し上げる次第です。また、この度の約十二年間に渡る大事業に際し、福井県生涯学習 文化財課 並びに 福井市観光文化局 観光振興課様には何卒宜しくご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げ、御礼の言葉といたします。高橋友峰

小菊の競演です!

2018-11-08

11月も中旬間近となり、北陸は今年最後の貴重な晴れ日和を満喫しています。あと十日もすればミゾレか雪が降ってもおかしくない時節、野の花を楽しむことが出来るのも、今年は残りわずかとなりました。以前からお伝えしていた境内の小菊も、この陽気でいっせいに開花し、清楚な香りを漂わせています。

10月28日頃 どんな花が咲くのかまだ分からず・・・

 

11月7日、月末月初の慌しい一週間のうちに満開に

 

11月8日、収穫(?)の喜びを、奥の院の御真前と地蔵尊にお供えしました。続いて、永代供養墓に。合祀墓「 宙 そら 」はいつも、お参りの方の供えるお花いっぱいに包まれています。

白菊のほかにも、品種もわからず移植した薄桃や紅の小菊が次々と開花しています。冬間近の落葉の季節ですが、新たな楽しみができました。これからもっと菊を増やしていきたいと思っています。

 

 

こちらは少林寺境内の菊です。 少林寺にもたくさんの菊が咲いています。

代々、御手入れされた樹や花々に魅了されています

万両に赤い実が沢山ついていました! 御正月も間近です

 

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