和尚のちょっといい話
7月7日は七夕祭りですが、これまでにも何度も何度もお話しして来ましたように、古来インドでは7月7日がお盆の入りで、昔、日本ではどこの御家も縁側に精霊棚を作り、五色の旗を立てて御先祖の霊をお迎えしたところから「棚旗」となったと言われています。15日がお盆の正日で、その間は毎日お供え物をして丁寧に祖先の霊をお迎えしたそうですが、各寺院では現在でも本堂に施餓鬼棚を設けて、御盆供養が続けられています。
今日は、卑山・寳勝寺の玄関入口に七夕飾りが登場し、寺カフェ利用のお客様をお迎えしていました。五色の短冊には皆様も色々なお願い事を書くと思いますが、元来はお願い事では無く、先祖への感謝の言葉を書いたとも言われています。そもそも昔は人生約40年と短命で、しかも日々、国盗り戦争が絶えない時代。庶民は只ひたすら御先祖様に感謝の念を捧げる事により、家の安泰と長寿を願ったに違い有りません。今日の長寿社会からは想像もつかないほど厳しい社会背景の中での「祖霊供養」が「棚旗祭り」だったと想像します。
志納所に、夏の風物詩「団扇」の墨蹟が登場
今では綾小路きみまろさんの「ぴんぴんころり」なる歌が発売されるほどの長寿社会。「仏」はますます「ホットケ」になって行くようです。しかしながら「ぴんぴんころり」とはまるでキンチョールの宣伝のようですね。今や「直葬時代」、人間もまもなく「安楽死時代」を迎えるのかも知れませんよ。7月7日はお盆の入りです。皆様、お仏壇をお掃除し、御先祖様の好物だったものをお供えして感謝の言葉を捧げましょう。「南無観世音菩薩」友峰和尚より
清風竹林に在り