和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第3825話 】
2024年 02月 06日 談

 

 

「和尚さんは禅宗の僧侶と聞いていますが、禅とはいったい何を示しているのですか?」また「仏教とはどんな教えでなのですか?」と問われる時、「心とは一体なんですか」と逆に問いかけてみます。禅語に「門より入るはこれ家珍にあらず」と有るように、他人から聞いたり教えてもらったりする言葉は本当の宝とは言えず、自分自らが真剣に自己の問題に取り組み自らの真の経験を通して体得したものこそ本当の宝と言えると。誠に以ってごもっともな話ですが、どのような道も最初は兄弟子や師匠から丁寧な手解きをしてもらってその道に入ります。

 

 

ひと口に「禅とは何ですか?」とか「仏教とは何ですか?」との問いに答えるならば、「仏心を体得する教え」とでも申しましょうか。人生76年も生きていると凡そ真の心の正体が体得できるものです。その真の正体とは「無心」という事なのですが、この「無心」とか「無我」とか「真如」などと言葉は簡単ですがその無心の心境を体得することの難しさでも有ります。昔、誰かの歌に「わかっちゃいるけどやめられねぇ」という歌詞がありましたが、自分の心の正体が無心だと頭でわかっていても煩悩多き人間にとっては実に不都合な心境なのかも知れませんね。人間「惜しい、欲しい、可愛い、憎い」の煩悩あってこその人生です!と開き直る時が一番恐ろしいと自覚する事がどうやら仏教の教えのようです。

 

 

禅という字は「単を示す」と書くように、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と釈迦誕生の時に叫んだ言葉こそ唯一無二にして「何人も今を全身全霊で精進し努力せよ」との有難い言葉であろうとも思うものです。急に真冬に逆戻りした今日この頃くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

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