和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第397話 】
2014年 09月 23日 談

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爽やかな秋晴れの中、卑山では「彼岸・放生会」が厳修されました。近年問題になって来ている「寺離れ」や「先祖墳墓墓じまい」もこの寺には無縁のようで、多くの檀信徒を始め一般の参拝者が参加しての法要となりました。確かに少子高齢化情勢は地元の町にも及んでおり、今後の対策が求められています。若者の伝統的宗教からの寺離れ現象は少子化現象にも原因が有り、年中行事にも今後若者が参加できるような具体的対策が必要になって来ていると思います。「お寺はお年寄りの集合所」的感覚は大いに見直されるべきですが、高齢化社会の進む日本にあってはお年寄りを受け入れる「安心の場所」としての寺院の活用も大切なことだと和尚は思います。いずれの問題にせよ少子高齢化社会の進む中で、全国の寺院のあらゆる活用が問題解決のサポートとなるのではないかと思うのです。なにしろ65歳以上の方が三千万人を突破する日本社会、いくら老人ホームやデイケアハウスを増設したところでとてもとても追いつかないのが現実です。「狭い日本そんなに急いでどこに行く」って言ったって、早くホームを前予約をしなければ「在宅介護」が待っているという事でしょうか?とにかくまずは出来るところから出発です。大安禅寺檀信徒の皆様が老後をゆったりと過ごせるように、精神面でのサポートこそ年中行事の修行であり月参りであると思いますね。

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四百年間連綿と受け継がれていく年中行事の中にこそ心の安らぎ場所があると確信する今日この頃です。そのことを地元の若者たちにいかに理解してもらい、行事に参加して頂けるかは、住職の布教活動の手腕にかかっていると自覚するものです。御釈迦様の法は「安心の法」です。世の中、近代化が進めば進むほど快適な社会空間とは裏腹に人々の心は不安を増長させていくように思われる現実の中で、今後ますます宗教者の活動が重要になっていくと感じ取った法要となりました。

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施餓鬼棚の下の池、鯉に水を注ぐ参拝者の皆様。

今年のすべての行事を無事終了しました。愈々アメリカニューヨーク州サラ・ローレンス大学個展開催に向けて、明日より全力で取り組みたいと思います。皆様のご支援のほどよろしくお願い申し上げます。友峰和尚より

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