和尚のちょっといい話
大安禅寺 本堂
地元の金沢読売新聞朝刊紙で寶勝寺・寺カフェが記事として掲載されましたが、近年、若者の寺離れが急速に進んでいます。と言いますのも、電子社会発達のスピードと、極めてレトロでアナログ的感覚の伝統的仏教とのギャップがここに来て一気に格差を広げてきた感があります。仏教はそもそも大自然主義的要素を含んでいますからどれだけ文明が発達しようとなんら影響を受けないはずなのですが、やはりこれほどまで急速に電子機器による情報化社会が進展していきますと、もはや布教活動などもそのスタイルの変化を求められています。何事もそうですが、常に原点に還ってみることが重要で、現代のお寺そのものが人々とは随分かけ離れた存在になってきているところに一番の寺離れの原因があるかと思います。
大安禅寺 書院
現代の寺の役割には色々あると思いますが、寺が出来始めた頃の役割はと言えば、実に民衆にとつて身近な集合所であったと思われます。情報の交換場所であったり、憩いの場所であったり、勉強の場所であったりもしていて、今でいうならば各自治体にある地元市民の為の福利厚生複合娯楽施設みたいなものでしょうか。最近になって、それぞれの寺院における布教活動にも工夫が見受けられるようになってきましたが、次世代を担う若者達が気軽にお寺を尋ねられるような、寺院の開放が急務課題となってきているようです。卑山の試みとしての「寺カフェ」には、次第に若者たちが増えてきました。カフェが仏縁につながっていくことを和尚は強く念じています。お寺に入るだけで不可思議な法悦を感じさせてくれるものがあります。仏教の歴史そのままに寺の持つ自然な安らぎの空間を大いに利用して頂きたいものです。友峰和尚より