10月, 2015年

第804話

2015-10-31

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 日昇前、早朝に行われる「朝課」

昨日より大安禅寺にて「企業役職者坐禅研修会」が1泊2日の日程で行われましたが、今朝方のぐんと冷え込む本堂での朝課(ちょうか:朝のお勤め)は身の引き締まる思いでした。住職に就任して27年になりますが、やはり、修行時代の初心に帰ることが常に大切であると思い知らされます。

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全国には臨済宗妙心寺派の寺院が約3千ヶ寺有りますが、その一ヶ寺一ヶ寺に於いて寺の有り様は全くに違っています。法務の執行から寺院の運営方法などもそれぞれのお寺に合わせたやり方で、住職が苦心しながらも強化活動に専心しているわけですが、唯一の共通点は僧侶としての志であるかと思います。「同じ釜の飯を食う」という言葉が有りますが、修行時代を振り返りながら心を同じくして頑張っています。

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修行を終えて寺に戻ると、ある僧侶は経済的に豊かな寺に、またある僧侶は経済的に恵まれない寺に、また大寺で有ったり小寺で有ったり、あるいは山奥で有ったり、大都会で有ったり、それぞれの縁に従って住職または副住職に就任し、禅僧としての人生を歩んで行きます。最近、全国の同派寺院のホームページを拝見し住職の法務活動を参考にしつつ新たな布教の有り方を模索していますが、やはり禅寺の面目は「坐禅に有り」と思いを強くしています。

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たった一泊の坐禅研修なれど、参加者の功徳は計り知れないものが有ると思います。読経や坐禅、作務の実践こそ「己事究明」の究極であると改めて感じ取った朝の朝課でした。 研修参加者の皆さん、ご苦労様でした。お疲れ様! 友峰和尚より

第803話

2015-10-30

午前7時過ぎに寺を出発し、車にて一路、長浜・良疇寺へと向かいました。「滋賀北陸教区寺庭婦人研修会・総会」に教区宗務所長として出席する為でしたが、「寺庭」とは各寺院の奥様の事で、滋賀県、福井県から14名が参加されました。

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近年は寺院に於ける奥様方の住職サポートが欠かせない存在となって来ています。と言うより奥様方が檀信徒とお寺との仏縁を深めるのに大いに貢献している状況にあります。それはお寺の年中行事や御詠歌会を始め色々な催し物などにも参加されて、住職の一番の補佐役となっています。今日の研修はやや専門的で、我が宗派の歴史など講師を迎えての講義でしたが、皆真剣に拝聴されていました。これからも寺庭様には積極的にお寺の運営発展に大いに力を発揮して頂きたいと思います。

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さて、自坊大安禅寺では今日から、地元の会社経営者方々の一泊坐禅研修が始まりました。この時期の禅寺での研修は最高です。特に早朝の読経と坐禅は気分が一新するというものです。「自分が変われば世界が変わる!」です。皆様も是非いちど、禅寺の早朝坐禅を体験してみてくださいね。お外では卑山御用達の庭師さんによる冬支度、雪吊りの準備が進められていました。

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冬将軍の到来も間近に迫っているようです。友峰和尚より

第802話

2015-10-29

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越前松平家第二十代ご当主の宗紀(むねとし)様からサプライズの贈り物を頂きました。午前中、お檀家の三谷様より電話が入り「松平様からのお届け物が有るから、今からお伺いしたい」との事、しばらくしてお見えになり、さっそくにその御品物を拝見する事となりました。

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開けてビックリ玉手箱!! なんとなんと、立派な越前焼の大壺じゃありませんか! 三谷様にお聞きしたら宗紀様ご自身の作品だとの事。二度びっくりでした。

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写真の如き、登り窯で焼き上げた実に素晴らしい作品で、宗紀様が陶芸を嗜んでいるとは知る由も有りませんでしたので本当に驚きました。登り窯独特の自然釉が見事な景色を作り出していました。以前には真筆の「温故知新」の扁額を寄贈下さり、今回は陶芸品ですから、実に「非凡多才のお殿様」であると感心するばかりでした。将に書道家に陶芸家ですね。今年の4月29日には越前松平家御先祖供養「御像祭」に御参詣下さいましたが、いつお会いしても穏やかで紳士なお話しぶりに圧倒されています。本当に有り難うございました、卑山の宝物として大切にお飾りして参りたいと思います。

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来る11月、卑山で開催される催事「福時」にて、お花を活けてお披露目したいと思っています。友峰和尚より

第801話

2015-10-28

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地元の皆様との交流が大切で、今日は「ふれあい探訪同好会」の方々が「楽く楽く法話」と昼食付きのコースで来られ、寺カフェは貸し切り状態にして皆さんにはゆっくりして頂きました。近年の「寺離れ」の原因には色々理由がありますが、総じて国民生活が豊かになり、しかも我が国が世界一の長寿社会を迎えているところに原因が有るかと思います。宗教は本来人々の心の救済のためのものですが、昔とは比べものにならないほど食糧事情の良い日々の生活の中では「感謝」の心が薄れていくのも仕方のない事かも知れません。

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寺離れのもう一つの原因としては、近年各町内に集会所が設けられて、これまでお寺に集まっていた市民も、近場の快適な設備の集会場に集うことが主流となって来ているようです。もう一つ挙げるならば、「葬送の儀」はお寺の本堂を利用されていましたが、各お葬儀屋さんが自社専用の会館を持つことによって、お寺を使う事が無くなってきていることも寺離れの原因ではないかと思います。そういう時代であるなら、お寺としても今後は色々な工夫をしながら、人の集まる状況を作り出していく必要に迫られているようですね。友峰和尚より

第800話

2015-10-27

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休息日の今日、兼務寺院の瑞光寺を訪ねました。瑞光寺の駐車場の隅には一本の柿の木が有り、先日寺を訪ねた折、帰り際に奥様がその柿の実をくださりながら「駐車場の乗用車の上に、熟した柿の実が落ちるので取ってほしい」と言われ、本日の休暇を利用して訪ねたわけで、ナタと鋸と針金を持参してのお仕事でした。なるほど! 車を駐車させるエリア3台分が空いていて、たわわに実った柿が今にも落ちそうでした。さっそくに本堂裏の竹藪に入り、持参した道具を使って柿をもぎ取るための竿をつくりました。皆様! 街の真ん中での作業です、なんとも不思議な感覚でした。

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奥様にもお手伝い頂いて「柿もぎ」を開始しましたが、この柿、なかなかどうして美味しい甘柿なんです。午後からは近所の方が手伝いに来られるという話でしたので、ほどほどの所で引き上げました。こういう事からも、金沢市は歴史のある街だとわかるかと思います。ただ一本の柿の木なれど、街なかの大変珍しい品種の柿だそうですから、今後も大事にしたいですね。

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なるほど変わった形です

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そういえばもっともっと街の真ん中に、「柿木畠(かきのきばたけ)」という地名が残っている場所が有ります。きっと昔は沢山の柿の木が植えられていたんでしようね。「柿食えば 鐘が鳴るなり 瑞光寺」 どこかで聞いたことのある歌でした。友峰和尚より

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第799話

2015-10-26

このところずっと続いていた秋晴れの好天気も今日までとか。明日からは次第に秋特有の長雨が予想されるわけですが、金沢市を訪れる観光客は相変わらず増え続けている状況ですから、これからは雨対策が必要になりそうです。お寺の中もいつの間にか暖房器具が登場し活躍を始めています。

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午前中には、福井県小浜市、三方五湖近くにお住まいという団体様が来られ「楽く楽く法話」をしましたが、高齢者の皆様なれど笑顔満点でお聞き頂くことができました。昨今のニュースで報道されているように、日本国では今、70代の方々が一番の元気世代だそうです。さすがにどの方もとてもとても70代には見えませんでしたね。人生、やはり元気が一番だと思います。

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ところで、卑山の次はどこへ行かれるのかと尋ねますと、「のとじま水族館」だとか。やはり幾つになっても水族館は心の安住としての場所のようですね。「童心これ祖心に通ず!」です。わざわざ遠回りして和尚の法話を聞きに来て下さり、有り難うございました。和尚感激!!でした。

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夕方、金沢市役所歴史建造物整備課の新保さまとともに

さて、今月もあとわずか。事務書類も溜まってきましたので、午後からは宿題の原稿書きをしました。机に向かうのもなかなかいいものです。秋はロダン作の「考える人」スタイルで過ごして参りたいものですね。友峰和尚より

第798話

2015-10-25

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ニューヨーク州サラ・ローレンス大学の学生の皆さん!お元気にお過ごしでしょうか? 昨年は本当に学生の皆さまと楽しい時間を過ごすことが出来ました。和尚の個展開催から一年が経ち、ニューヨークでの色々な出来事が思い出されます。その節にはグリフィス教授や仁さんには本当にお世話に成りました。当時の写真や動画を見ながら懐かしく思っています。またいつの日か、サラ・ローレンス大学の学生の皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。昨日あたりからの急激な寒さに、今日の寺カフェは暖房器具がフル回転となりましたが、大都会ニューヨークのグリフィス邸では暖炉に薪を焚いての歓迎パーティーでした。季節が移り変わり木々の色合いや風の匂いの中に、思い出と共に敏感に心が影響を受けて行くものです。

DSC06115 (500x375)本日の「楽く楽く法話」のようす

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法話後の御祈祷にて 合掌される皆様

間もなく11月、霜月に入りいよいよ秋本番を迎えようとしています。今年もあと二か月ばかり、この一年を振り返りながら更に前進して参りたいと思います。今日の午前中には観光客の皆様に「楽く楽く法話」を致しましたが。いつになくリラックスしてお話が出来ました。「気楽に 気さくに 気分よく!」そんな楽しい毎日でありたいものですね。友峰和尚より

第797話

2015-10-24

最近はニュースなどでお墓に関する色々な問題に取り組む報道が増えてきましたが、昨日も、「宅配便」で故人の遺骨を寺院に送付して永代墓への納骨と供養を依頼するという方がクローズアップされていました。最早お墓事情もここまで深刻さを増して来たのかと驚きました。現在寶勝寺で計画されている先祖墳墓霊園改葬計画は、今起きている「墓じまい」の方向性とは逆で、すでに訪ねて来る方も無くなった先祖墳墓を改葬し、新たに永代供養墓として故人の遺骨を納めその霊魂を鎮魂慰霊する目的で改葬されます。ほとんどの墓石は刻まれた法名も読み取れないほど風化して元の状態を留めていないものが多いわけですが、今回の墓石調査で判明した御先祖の霊に対して、新たな地に丁寧に埋葬し直したいと考えています。我々が生きる中で最も大切にしなければならないのは、「祖先を奉じる」事だと思います。今日無事に過ごせるのも此れ偏に御先祖の御霊のおかげなのですから、そのことを一時も忘れてはならないと思います。今日は野町・少林寺で年忌法要が営まれましたが、ご遺族の方々は遠く兵庫県と東京から金沢に来られてのご供養でした。今は亡きご両親の年忌法要と墓参を済ませた後のご遺族と和尚との歓談の中に、故人の霊魂の安らぎを感じます。我々の心と共に、故人の霊魂が有る事を思う毎日です。

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さて、午後は福井から仲良しガール4人組が来られました。和尚に十分な応対の時間がなかったのは極めて残念でしたが、わざわざ遠い所を訪ねて来て下さったことに嬉しく思いました。また是非来てくださいね。今度はゆっくりと時間を取って来て下さい。有り難うございました。友峰和尚より

第796話

2015-10-23

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NHK連続テレビ小説「あさが来た」が今、実に面白い! すでに皆様も見ておられることと思いますが、和尚などは朝8時といいますと寺の仕事で結構忙しい最中にもかかわらず、なぜか朝ドラにはまってしまいました。大阪を舞台としたコミカルなタッチで、どの俳優さんも味のある演技を見せています。主人公の今井朝を演じている女優の波瑠さんも素晴らしい演技力を発揮していて、その変化にとんだ個性的表情が今までにない新鮮味を感じさせててくれています。和尚が朝ドラを見るのは「おしん」以来かも知れませんが、和尚的には出演者各人の演技や演出に興味があって見ているわけで、どの俳優さんも適材適所といった感じで制作スタッフの采配が見事に的中しているようです。また、映像の各場面のアングルも今までと違った撮り方をしていて、幕末当時の大阪の雰囲気が良く伝わって来て素晴らしいと思いますね。久しぶりに見る朝ドラ。朝が来るのが楽しみな毎日です。「楽しみは 朝起き出でて 一番に NHKの 朝ドラ見るとき」詠み人しらず 友峰和尚より

第795話

2015-10-22

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寶勝寺 中庭の南天にとまる 赤とんぼ

自坊の大安禅寺からファックスで至急の色紙書き依頼があり、早速に仕事を始めた途端、佐藤さんからのアポイントが有り、「今からお訪ねしたい」との事。あいなく来られましたが、聞くところによれば1か月ぶりの来山とか、少し前に会ったばかりと感じていたので本当に驚きました。もはや1か月など1日ぐらいにしか感じなくなって来ているのでしょうか。ブログを振り返って見れば、なるほど! 東奔西走、落ち着く間もなく動いている自分の行動に唖然としてしまいました。加齢とともに時間の過ぎ行くのを早く感じるようになると言いますが、全くにその通りだと合点しました。「時間よ止まれ!!」と叫んでみてどうなるものでも有りませんが、この無常な時の流れこそ「空」の概念なのかも知れませんね。佐藤さんは保険の営業マンなので、実に世事の情報収集には欠かせない存在となっています。午後からは金沢市役所・歴史建造物整備課の新保さんが来られシンポジュウム参加の為のヒヤリングをしました。何事も前打ち合わせが大切ですが、世の中、いろいろな仕事で皆それぞれに一所懸命に頑張っているのがジンジンと伝わってきました。

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さて夕方からは兼務寺院・瑞光寺の法務に出掛けましたが、ご近所皆様方とのコミュニケーションも住職の重要な勤めと心得て丁寧にお話ししました。何もかもが勉強ですね。そうです「我以外は皆師なり!」です。「朝打三千 暮打八百!」打つて、打つて打ちまくれ!! 勿論自分をですよ。友峰和尚より

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