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第1340話

この21日にイタリアからの観光客を迎える為、本堂南側の阿吽庭を徹底的に掃除しました。掃除の仕上げは砂庭の砂紋をひく作業ですが、線を引きながら「人生とは川の流れのようなものである」と改めて感じたものです。永平寺開山・道元禅師の詠んだ句に「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷(すず)しかりけり」と有ります。一見自然の風景を詠んでいるようで風流にも聞こえますが、どうしてどうして大変厳しい言葉なのです。



掃除をしながら、ひたすら自然環境そのものが自分の本来の姿であると思うものです。また「心は水の如し」とも言われるように、川の流れの中に人間の一生を見る事が出来るものです。平穏な清流あり、恐ろしい濁流あり、急激な滝あり、前に進めぬ澱みあり、分裂あり、合流あり。大海に望めばやがて蒸発して雲となり雨となると。なればそれらのことを心に於いて「砂紋」を描かねばなりません。



自然を汚すことは自分の心を汚染させるようなものです。季節の移り変わりの中に自分の心を重ね合わせてみれば、平穏無事なる心境の大切さが自然体に自覚できるものです。本日は作業の一つ一つの動作に全身全霊で挑んだ真剣勝負の時間となりました。掃除終了後、福井市内にある結婚式場の会社から記念写真の場所提供を依頼されるという絶妙なタイミングに、答えを見出した大作務となりました。友峰和尚より

第1339話
一晩中吹き荒れた「春の嵐」でしたが、あまりの暴風に心配になり深夜に外回りをする始末。本当に台風並みの風でした。寺町は高台に位置しているためか、海側から犀川沿いに吹き上がってくる風には本当に驚くばかりで、寳勝寺は両サイドが鉄筋コンクリートのビルのため、山門を吹き抜けていく風を前にしては立っていることも出来ない程です。一夜明けて寺の周りを点検しましたが被害も無くホッとしました。


昨日は「寳勝寺ふれあいパーク」霊苑スタッフとの懇親会が有りましたが、本日も㈱ココ・プランニング中本会長、社長様はじめ霊苑スタッフの方々が立ち寄って下さいました。寳勝寺も7月からの霊苑完成オープンに向けて新しいスタッフを募集していく事になります。完成後は霊苑にお参りくださる多くの方々が寺カフェを利用され故人を偲ぶ場所となる事を願っています。

日々、仕事の内容が変化していく昨今ですが、この時期は花菖蒲園整備の外仕事を和尚の一番の楽しみとしています。身体を動かす事の喜びと、土いじりの楽しみとでも言いましょうか、お花を相手の仕事は子育てに似て開花を楽しみにしながらのワクワクする時間を味わうことが出来ます。寳勝寺にはあまり力仕事が無く、身体全体がこわばっていくのを実感します。「長生きは只働くの他は無し 長るる水の腐らぬを見よ」ですね! またじっとしていては何にも始まらないのも事実です。身体を使い心を大い活かして行きたいものですね。皆様お元気にお過ごしください! 友峰和尚より
第1338話

寳勝寺 山門前にて
朝方から気温がぐんぐん上がりとうとう25度を超える初夏のような一日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? JR金沢駅は相変わらず観光客の方々で賑わいを見せていました。全国ニュースにも取り上げられていますが、金沢も海外からの観光客が急増している感じで、大きなリュックを背負ったバックパッカーが多く見かけられました。寳勝寺ふれあいパーク霊苑工事も山門前の石畳整備に入り、本日は㈱ココ・プランニング宮崎デザイナーの現場指導を受けながら新たな段階を迎えています。午後からは式台玄関前における石畳や植栽のレイアウトについて打ち合わせがあり、次第に境内周辺の全容が見え始めて来ています。このところ大安禅寺での法務が多忙で寳勝寺に来るのは久しぶりでしたが、霊苑工事もずいぶん進んでいました。
石張りのデザインについて細かく説明される宮崎氏
式台玄関前の石張りと植栽のバランスを検討中

宮崎デザイナーより 中本会長へ説明されているようす


樹木の剪定が行われました
夕刻からは㈱ココ・プランニング中本会長、社長様より、7月からお世話になる霊苑スタッフの皆様を御紹介頂きました。今回の霊苑改葬工事プロジェクトは次世代を見据えた未来型霊苑で有る為、スタッフも全国からそれぞれの分野の専門の方々が参加しています。昔から「三人寄れば文殊の智恵」と言いますように、お互いに知恵を出し合っての会議がなされています。
㈱ココ・プランニングスタッフの皆様とともに

スタッフの皆様による現場視察
さてこの度の寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事は、我々の黄泉の国創造と夢と希望を乗せたプロジェクトでも有ります。人間はいつの世に有っても未来への夢だけは持ち続けていたいものですね。友峰和尚より

第1337話

大安禅寺に家族動物の納骨供養堂「慈光堂」が出来て約四十年になろうとしています。現在では福井市、鯖江市、金沢市など六ヶ所に納骨供養堂が設置されていますが、いずれも㈱ペット愛葬社が主催しています。四十年前に、現在会長を務めている中村修二氏との出会いから家族動物達の霊供養が始まり、今では多くの方々がお参りされています。


本日は午後三時より卑山で家族動物の供養が行われ、和尚が久しぶりに供養導師を務めました。長年供養を続けていますが、不思議なことに供養が始まる時間になると決まってお天気が良くなるというジンクスがあり、今日も良く晴れました。参拝者も長年ご縁を得ている方々が多く、欠かさずに供養に来られています。大安禅寺の渓谷一帯は特別鳥獣保護区になっている為、早朝よりウグイスを始めとして色々な鳥が美しい声を奏でていました。
住職法話にて

近年は家族動物達の役割が大きくクローズアップされ、特に少子高齢化社会の進む中で独居老人の方々には日々の良き友で有り家族の一員ともなってきているようです。そもそも卑山で家族動物の霊供養を始めたきっかけは、家内の実家が大型犬を含め三匹の犬を飼っていたことに端を発しています。かなり高齢になっていたため最後はどのように葬ってあげようかと心配していた時、中村氏と出会いました。家族動物を丁寧に葬儀と火葬納骨をして下さるという事で、彼の事業に大いに賛同して今日に至っています。卑山の静かな環境の中で眠る家族動物達の安らかならんことを供養した穏やかな一日となりました。友峰和尚より

「和気萬福を生ず」
第1336話

暖かくて長閑な土曜日の朝を迎えました。境内を取り巻く山々の木々はいっせいに新芽を吹き青々として、美しいのひと言です。午前中にはお檀家様の年忌法要に出掛けましたが、桜吹雪の中、道路がピンク色に染まっていました。和尚のアトリエから望むもみじの新芽も赤子の手を開くかのように初々しく可愛らしく心を和ませてくれます。このところ外作務(そとざむ)の力仕事が続いていたため、午後からは休息を取りました。昨晩は金曜坐禅会で十数名の坐禅会員の方々が参加されましたが、カエルの合唱が境内に響き渡る中での瞑想時間となりました。

「古池や 蛙飛び込む 水の音」とはかの有名な俳人・松尾芭蕉の一句です。坐禅中の法話にこの一句を引用して心の有り様を説きましたが、皆様、この句の中に芭蕉の心境を読み取ることが出来ますでしょうか? なんでもないような一句に聞こえますが、芭蕉の深い心境を現わしています。何度も何度も言葉を吟味して「五・七・五」の17文字の中に芭蕉その人その悟境を現わす一句です。我々を取り巻くすべての音の中にもそれぞれの人生が現れ出でるように、カエルの飛び込む音にさえ「無心無我」の響きを感じ取るものです。この句には次のような言葉が添えられています。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と。身を捨てる事の難しさが我々の世ならば、坐禅は思い切って身を捨て切る手段でも有ります。「なり切る!捨てきる!思いきる」姿が芭蕉の人生を支えていたのかも知れませんね。さて、皆様はこの一句をどのように捉えられますでしょうか!南無さん! 友峰和尚より

4月14日 霊苑改葬工事のようす

今日の寳勝寺霊苑です。連日の快晴に思いますのは、この霊苑の素晴らしい陽あたりの良さです。これは寳勝寺の境内でも感じることですが、暖かい朝陽が差し込んで植物が本当に良く育つ場所です。

霊苑では、昨日に引き続きバラの植栽が行われています。奥の院と新規分譲区画の間に立つ石塔モニュメントに、つるバラが植えられています。
丁寧にポットから取り出され、しっかりと植え込まれています。


各所で徐々に 完成の形が見え始めています


まだまだ工事中ですが、このスロープからも美しい庭園墓地空間がイメージ出来ます。

また本日、庫裏のほうではガス管の工事が行われました。これまで使用されていた古いパイプを外し、新しいガス管が設置されました。




玄関前では夕方遅くまで作業が行われていました。

明日の寺カフェに備え待機中(?)のお花たち

太陽をいっぱい受けて雲間草がぐんぐん咲いています

夕刻、先程までの工事現場がすっかりと整備され、明日の寺カフェ来客用通路が作られていました。いつも色々と御配慮頂き本当にありがとうございます。



第1335話
このところずいぶんと暖かくなってきました。例年ですと花菖蒲園の整備は5月に入ってから始めますが、今年は2月にイノシシが園内に侵入した為、その事後処理も含めて早めの整備となっています。今日も午前中は苗の補植作業に専念しましたが、日を追うごとに身体全体の動きが鈍くなって行くのを実感し、本当に悔しい!残念!の心境です。

和尚にとっての60年は土いじりの人生そのもので、稲作に端を発し野菜作りや果物作りなども手掛け、花菖蒲園や樹木の植栽など本当にこれまで実に楽しい時間を過ごして来たように思います。されど、それもこれも丈夫な健康体で有ったからこそで、母親には本当に感謝の言葉も有りません。人間本来の資本とはお金ではなく「両手、両足」の四本の事だと和尚は思います。この四本は、手に有っては「掴む、握る、持つ、ひねる、叩く」足に有っては「踏む、歩く、蹴る、坐る」など自由自在の機能を有し実に優れものです。それらを自由自在に使いこなすの命令系統は心でありますが、こちらは今もなお「夢、希望、志」に燃えて健在です。

昨日も園内の整備をしながら、妻との会話の中で「なにが故に一所懸命にお花の世話をするのか?」という素朴な質問に対し、その答えは「見事な花をつけた時に見る一瞬の輝きと心のやすらぎを同時に覚える瞬間である」と。生きがいとは一刹那に感じるのかも知れませんね。本当はもっともっと奥深いところに真実の答えが潜んでいるのかも知れませんが、今はひたすら花のお世話をしています。まだまだこれからも整備が続きますが、身体の動く限り頑張って行きたいものです。友峰和尚より
第1334話

好いお天気が続いています。天気と元気は一体のものなのかも知れません、じっとしておれなくて早速に小浜の常高寺様から分けて頂いた花菖蒲の苗の補植に取り掛かりました。御年69歳の和尚の身体全体がきしむような感じがする中でのきつい作業でした。まるで3千メートル級の登山に挑むような感覚なのかも知れません。されど可愛い菖蒲の花達から早く植えて欲しいとせがまれているようで、休憩時間も惜しんでの作業でした。毎年同じことの繰り返しながら、補植作業ほど大切なものは有りません。いわゆる園全体のデザインです。どの位置にどのような花を咲かせるか、それが花菖蒲園観賞時のビューポイントとなるからです。花菖蒲の品種は凡そ数千種類に及びますが、毎年のように新しい品種が登場してきます。珍しい品種になると一株が1万円もするような物も有るくらいですから、やはり花菖蒲は花の王者とも言えます。




現在、薔薇園も菖蒲園に隣接して整備がなされていますが、こちらは妻が担当しており今年で3年目を迎えました。6月には約1千株の紫陽花も加わって大安禅寺は「花の寺」に変わります。その他にも沙羅双樹、ハナミズキ、山法師、紅葉、モクレン、こぶし、菩提樹、泰山木、銀木犀などの樹木も植栽されており、季節の樹木を楽しむことが出来ます。なんと言っても樹齢約600年の高野槙や木斛(もっこく)は霊気さえ感じられるほどの銘木です。


さて午後からは昨日に引き続き「生き生き法話」を催行しましたが、はるばる淡路島から来られた同窓会の団体様でした。出会いふれあい和み合いと和気藹々の同窓会! 最近は和尚も同窓会に誘われることが多くなってきました。「同窓会、歳をへだてて、どうしょうかい?」って昔が懐かしく感じる年頃なんでしょうか? まだまだ! 強がりを言ってみても仕方がありませんね。和尚もそろそろ参加しなくっちゃと思っています。ピコ! 友峰和尚より
4月13日 霊苑改葬工事のようす

本日の寳勝寺です。午後より、山門前スロープにコンクリートを流す作業が行われました。




狭い通路とスペース 大変な作業です



霊苑では植栽が進み、また、たくさんのバラの苗が搬入されています。





つるバラのポット



赤、黄、紫 多様な品種のバラ


夕方も続いています バラの植栽



成長が楽しみです

見上げると しだれ紅梅は 活々した青葉になっています


今日は爽やかな快晴で、午前中から外へ出て中庭の掃除をしました。

芍薬や紫陽花の芽が伸び、うぐいすが鳴き、愈々春の庭になって来ました!

下野


柊の花 甘い芳香です
第1333話

桜舞い散る爽やかな朝を迎えました。皆様、お元気にお過ごしでしょうか?大安和尚です。 昨夜来の雨もすっかり上がり、清々しい空気の漂う中での外掃除となりました。これからは日々の徹底した掃除が欠かせません。今日の午後は久しぶりに「生き生き法話」をしましたが、新命副住職が春季巡教で留守のため代理で務めました。団体様は丹後からの、いま最も元気世代と言われている、アラフォーからアラセー世代の女性の方々でした。福井市内にある足羽川堤防の千本桜を観賞したのち卑山に来られたそうですが、やはりこの時期の観光目玉は満開の桜です。


待ちに待った桜の開花でしたが、いったん咲き始めるとあっという間に花の見頃が過ぎて行きます。我々の人生も全くに同じようなものなのかも知れません。いろは歌ではありませんが、「いろは匂えど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢みじ 酔いもせず」の言葉が胸にしみます。浅田真央さんの引退会見が生中継されていましたが、真央さんの美しさが桜の花に似て、彼女の清楚さが際立った記者会見でした。今後の更なるご活躍を期待したいものです。「人生いろいろ」です。くじけない!くじけない!

それにしましても26歳で引退ですから、フィギュアスケートの体力的厳しさを感じます。恐らく身体の全ての筋肉が疲労していくのだと察します。身体がぼろぼろになる前に次の道へと大きく転換する事も大切な決断だと思います。真央さんには今後、女優としての道も活躍の選択肢の一つとして考えて頂きたいですね。さてさて4月も早中盤に入ってきました。気候も温暖になって身体の動きも良くなって来たようです。元気いっぱい頑張って参りましょう! 友峰和尚より
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