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第1300話

2017-03-10

和尚の「ちょっといい話」も今日で1300話を迎えました。誰もが平穏な一日に過ごしたいと願っているわけですが、どっこい無常の現世にあっては中々そういうわけにも行かないようです。自分だけの心の世界ならコントロールのしようも有るのですが、これだけ社会が複雑化するともはや我が身のコントロールだけでは立ち行かない事も多々あります。世の中が複雑になればなるほど、いかに周囲の人達との関係をスムーズに保っていくかが求められているようです。

どなたの言葉かは知りませんが、和尚がよく使う法話の言葉に「おれがおれがの我(が)を捨てて おかげおかげの下(げ)で暮らせ」というのが有ります。なかなか良い言葉だと思っています。我々の肉体は生涯お借りしている物ですから、さらに色々と付け加えていく事はかえって不自由を強いられるようなものです。お借りしている間は日々感謝の気持ちで身体と心を大切に活用する使命があるかと思います。お金でも銀行からお借りすれば「利息」が付いていくように、我々もその利息を「感謝の心」と心得て世の人々に何かお返ししていくことが大切かと思います。

さて午後より女性のお客様が二名来られました。平成26年3月12日から17日までの約一週間、金沢市広坂「しいのき迎賓館」で墨蹟禅画展を開催した際大変お世話になった才田さんと、金沢の町屋改修を数多く手掛けられている建築家の山田さんです。お二方とも金沢市の文化発展に熱い想いを持っておられる方々です。しいのき迎賓館での当時の個展風景はこのホームページで閲覧できますので、是非ご覧頂けたらと思います。素晴らしい個展会場との御縁を才田さんから頂きました事に、改めて「おかげさま」の言葉をかけさせて頂きました。ブログを読んで下さっている皆様に感謝しつつ、頑張って続けていきたいと思います。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より

第1299話

2017-03-09

それにしましても今年に入ってからも、大きな事件が次々と発生して不安社会を形成している感が有ります。山中の寺院に住する和尚にあっては一見、世の中の事象とは無縁に思われがちですが、情報通信機器が発達した今日では隠遁生活など出来るはずも無く、刻々と伝わって来るニュースにキチンと耳を傾けています。「このような時は一体どうすれば心が安心できるのか」と問われれば、「諸縁を放捨して万事を休息す」という禅語が有るように、いちど思い切って頭の中を空っぽにして、心の働きを停止することが一番です。何が故にそのことが一番良い方法かと言えば、人間は、いったん記憶されたものは「脳」というディスクに保存されてしまう為、見聞きした事が後から思い出され自分の事のように錯覚して不安を感じてしまうからです。「何にも思わぬが仏の稽古なり」なんですが、なんにも思わない事ほど難しいものは有りませんね。和尚などは長年坐禅をして来たせいか、心がモヤモヤする時は坐禅をすると実に爽快な気分を取り戻すことが出来ます。皆様も是非「坐禅」にトライして頂きたいものですね。「何にも思わぬが仏の稽古なり」ですね。世の中が複雑化すればするほど、坐禅の効能は抜群です。

御先祖墳墓 入魂式諷経 / 寳勝寺ふれあいパーク霊苑にて

さて寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事も日々着々と進んでいますが、本日はお檀家様先祖墳墓改葬の新地移転されてより、最初の入魂式の諷経が営まれました。あわせて本堂にて先祖代々法要も厳修しました。来る12日(日)の彼岸会法要では殆どのお檀家様墳墓の入魂法要が営まれる予定になっています。心のやすらぎは御先祖の御供養と共に有る事を実感する毎日が続いています。友峰和尚より

第1298話

2017-03-08

大安禅寺に再び雪景色が戻りました。暦は3月も半ば、12月頃の初雪とは違ってもはや余裕をもって景色を眺めることが出来ます。北陸人にとって、この時期はスノータイヤを外そうか外すまいかと悩ましいのですが、やはり4月の声を聴くまではそのままの方がよさそうです。それにしても春の雪には温もりさえ感じられますから不思議なものです。時折お日様が顔を出しますとみるみる雪が溶けて行き、その情景もまた春が来たことを証明しています。

さて金沢での日々のハードな法務から離れて今日は自坊にあってゆっくり休息しています。70歳近くになって日々無性に、亡き父(先代住職)と話がしたいと思う念を強くしています。今なら何でも話せるという心境なのでしょうか? いや別に理由も無くただ会話がしたいのかも知れません。親父の懐かしい言葉「おい、一杯やらんか!」本当に今こそ父と杯を交わしたいものです。人生とはそういうものなのかも知れません。こんな言葉が有りました「親孝行 したいときには 親は無し」全くにごもっとも、ごもっとも。雪解けと共に心までが緩んでいくような心境です。友峰和尚より

第1297話

2017-03-07

昨晩より気温がグンと下がって寒い寒い朝を迎えました。午前中には久しぶりの雪模様となり、宝勝寺境内にも雪が積もりました。前日までの陽気に慣れてしまっていたせいか、いっぺんに身体が強張ってしまい、思わず朝風呂に入ってほぐす始末!なんとも心身の不甲斐なさを感じたものでした。しかしながら朝風呂のリラックス効果は絶妙で、これからは健康維持の為、寒い時には我慢しないで率先して朝風呂入浴を心掛けたいと思っています。

「春風百花舞」大安渓仙 書 

まもなくお彼岸を迎えるにあたり春季彼岸会法要の準備に入りましたが、今年はお檀家様のお墓が新しい墓所に移転した為、いろいろな事務や書類の整理をしました。歴代住職の移転先墓地には歴世塔が建てられる為、開山様始め代々の住職の法名などを確認しましたが、大本山妙心寺宗務本所より頂いたパソコン用「臨済宗妙心寺派 宗派図データベースシステム」のディスクには感心したものです。今やネット時代、パソコンデータの有り難みを痛感致しました。事務の効率化は各寺院に有っても必要不可欠の課題となっています。やれやれ和尚にとって事務処理は一番苦手な分野だけに、パソコンはまさに救世主的存在です。

歴世塔の御真前にて /  平成27年冬 檀信徒墳墓総供養慰霊祭

宝勝寺の春季彼岸会は12日午前10時半から法要が厳修される予定となっています。どうか是非お参りください。暑さ寒さも彼岸まで、今年も早三ヶ月が過ぎようとしています、皆様お元気にお過ごしください。友峰和尚より

3月6日 霊苑改葬工事のようす

2017-03-06

連日の好天気の中、霊苑の工事が着々と進んでおります。通称「奥の院」と呼ばれている寳勝寺檀信徒様の墓域ではすでに御墓石が復元され、ほとんどの墓所で完了しています。

来る3月12日に行われる「春季彼岸会」では、午前中の法要ののち午後より、復元が完了した御墓所の個別お精入れが行われることになっています。

少しずつ伸びていく、奥の院へつづく道の基礎

式台玄関の前でも、工事が進んでいます

第1296話

2017-03-06

今年の金沢市内の桜開花が4月3日頃と発表されました! 桜と聞いただけでなんとなく心がウキウキしてしまいます。特に犀川周辺の桜並木は毎年見事な開花を見せてくれます。日本の代表的な樹木といえば桜ですが、樹木をピンクに染める満開の風情は圧巻ですね。

さて午前中には寶勝寺ふれあいパーク霊苑工事に伴う「本堂上の間」の修復工事の為、金沢市歴史建造物整備課職員の方と工事関係者との打ち合わせ協議をしました。霊苑工事が進むにつれ本堂外観の整備も不可欠となり、さっそくに当局の指導を受けました。

本堂上の間 縁側部分の視察のようす

庫裡側外壁 と 霊苑側外壁 の 視察のようす

 

画像最左は 掘削が終了した井戸の浄水作業中

金沢市の文化遺産でもある寺町伝統的建造物群の中にあって、寳勝寺復興の全体像が日増しにはっきりと見えてきたように思います。歴史的建造物を後世に伝えていく事は創建以来の人々の精神をも同時に伝えていくことになる為、和尚も心を込めて復興に力を注いでいます。創建時もそうであったように、現在進行中の工事にも多くの職人の方々が携わっています。その一人一人の職人の技法や技術を後の世まで伝えていくことの大切さを思う毎日です。

本日の霊苑工事現場のようす

檀信徒様の墓石の復元が進んでいます

工事現場に立っていると、毎日が矢の如くに過ぎ去って行く感が有ります。「三日見ぬ間の桜かな」なんて言葉があるように、桜の開花を待ちわびている今が一番幸せなのかも知れませんね。友峰和尚より

第1295話

2017-03-05

リュウキンカ / 寳勝寺にて

3月5日は内孫、芭月の誕生日ですが、残念ながら和尚は金沢にて直接のお祝い出来ませんでした。誰しもが「孫ほど可愛いものは無い」と口をそろえて言います。全くにその通りですが、何が故にそんなに可愛いのかと問うてみれば、その答えは「無条件で可愛い!」「理由なんか見当たらない」と。まあ今の言葉で「めちゃめちゃ可愛い」とでも言いましょうか、いわゆる孫はジイジ・バアバの日々の活力剤でも有るのかも知れませんね。しかし中には孫守をバアバに委ねるお家も多く、バアバにとっては痛しかゆしでも有るようです。

そもそも加齢と共に身体が思うように動かなくなって行きますから、孫の動きのスピードについていけないぶん疲れてしまうのが現状のようです。昔と違ってショッピングセンターなどは実に子供にとって天国のような遊び場ですから、ジイジ・バアバと将に孫との攻防戦といったところでしょうか?いずれにしましても孫は「眼に入れても痛くない」ほど、可愛い存在である事には違いないようですね。孫達にとってもジイジ・バアバは救世主です。怒ると怖~い両親から解放される救いの時間でも有ります。核家族化が進む中で、ますますジイジ・バアバの存在感が増していくような気配です。

夕方、金沢市観光協会主催 モニターツアーの皆様が来寺されました

さて暖かい日曜日となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 今日の寺カフェは実に春らしく、お客様も寒さを忘れて笑顔がいっぱいでした。そう言えば今日は暦の上では「啓蟄(けいちつ)」で、春の虫が土から出て来る季節到来とか!まさしく暦通りの気候となりました。また一歩、春が近づいて来たようです。友峰和尚より

第1294話

2017-03-04

早春の暖かい土曜日の一日でしたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 霊苑改葬工事の為、土曜と日曜日のみ寺カフェをオープンして観光客への便宜を図っています。山門入り口からは現在、工事用バリケードが並べられていますが、そのバリケードと記念写真を撮って行く観光客の方が見受けられます。実にご当地アイデアと言いますか、バリケードの形が兼六園のあの有名な「ことじ灯篭」デザインになっていて、旅行者の好評を得ているようです。金沢市全体が歴史の見える町づくりに取り組んでおり、色々な箇所に於いても工夫がなされています。

寳勝寺のミニことじ灯篭  

そんな長い長い工事用ガードの間を通ってカフェを利用されているわけですが、5月頃にはおしゃれなお庭の道が完成する予定となっています。㈱ココ・プランニング宮崎デザイナーの作庭コンセプトは、「自然な川の流れ」をイメージしているのだそうです。本当に今から完成を楽しみにしていますが、一般的にお寺には近寄りがたいというイメージが有るそうですから、尚更のことエントランスのイメージは大切ですね。

本日の工事現場にて 土地家屋調査士の西野様と

墓石の復元が始まっています

寺内には 荒木芳栄画伯の作品を展示

さて、パリ在住の荒木芳栄画伯が先般東京で個展を開催されましたが、その時の作品を卑山に展示する事になりました。「寳勝寺ギャラリー」でお茶を飲みながらお魚の作品をご鑑賞いただければと思っています。日々温かさを増す今日この頃ですが、各お部屋にも春のお花が活けられより一層華やいだ雰囲気になっています。皆様も是非、休息にご来寺下さい。きっとリラックスされること間違いなしです。お元気にお過ごしください。友峰和尚より

 

第1293話

2017-03-03

今日3月3日は「桃の節句」ですが、数字の語呂合わせで「耳の日」でもあるそうです。加齢と共に和尚も昔よりずいぶんと音や会話が聞こえづらく、身体の色々な部所の不具合を実感するようになって来ました。耳の日だけでなく、8月7日は「鼻の日」、11月9日が「口の日」、10月10日が「眼の日」などと有りますが、せめてものそういった記念日には、自分の身体の部位一つ一つに感謝の意を表したいものです。

好天気の中、霊苑工事現場で打ち合わせをしました

さてそんな耳の日でしたが、何か「耳寄りな話し」を皆様にお伝え出来るかと言えば、全くに平穏無事の日だったため、耳さんに感謝した一日となりました。まず午前中のお檀家様月参りの諷経の際、お経を唱える自分の声に感謝したものでした。声が出る事への感謝! また自分の声が聞こえる事への感謝! 自分の心と声が同調できる事への感謝! お檀家様と会話出来る事への感謝! 東京からのお客様との会話、工事現場での関係者との会話、電話での会話等々・・・、耳さん大活躍の毎日です。「耳で良く味わう」という言葉が有りますが、一人一人の言葉をよく聴いてみると、なるほど味わい深く感じるものです。「ざる耳」「馬耳東風」「鉄砲耳」などあまり良かざる言葉も有りますからご用心! 良い耳の事を「巾着耳」と言うんだそうですよ。ピコ! 何処からともなく「ひな祭り」の歌声が聞こえて来ました。いいですね!どうか子供達の無事なる成長を心から祈ってやみません。友峰和尚より

第1292話

2017-03-02

三月三日は「桃の節句」 雛祭りですが、皆様は何かお祝いの予定をされていますでしょうか?「うちには女の子がいないから」なんておっしゃらないで、大いに春の到来を家族皆でお祝いして欲しいものです。文明の発展とともに伝統的慣習やしきたりが薄らいでいく現代社会ですが、日本における人間の「絆」と「安定」は伝統的慣習によって支えられて来たといっても過言ではありません。ある意味での、人間が生きて行くための生活の知恵でも有ります。我が国の「伝統的慣習」の源は中国五千年の歴史から学ぶものが多いわけですが、ひと口に迷信と片付けずに、慣習の中身を吟味してみる事も大切かと思います。

流し雛

そもそも暦の上で「陽」が重なる日を「凶の日」と捉え、お祝い事によって「吉」を呼ぶ意味合いが深まれます。古来、お雛様は子供の成長を願い、流し雛をして色々な災難から子供の心身を守ってもらう為の化身でも有りました。また「桃」の木は魔除けとも言われています。菱餅、白酒、アラレなども厄払いの為のお供物でもあります。お祝い事は子供達と大人達との心を繋ぐ大切な行事だと思います。核家族化、独居老人、少子化社会の進む中で、伝統的慣習を今いちど振り返り、辛抱強く家族の絆を大切にしてきた日本社会の伝統的行事の大切さを強く思うものです。友峰和尚より

須貝さんが 和尚に会いに来てくれました

 

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