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第1309話
明日の午前十時半より「涅槃・彼岸会」法要が大安禅寺で営まれますが、今日はそのお供え物としての「涅槃団子切り」が檀信徒婦人の皆様で行われました。さて今年の団子新作の出来栄えは如何なものか? 写真の通り昨年より色を薄くして上品さを出し、色合いもカラフルなものに工夫してみましたが、まずまずの出来栄えです。
「五色」は仏旗にも使われているように、「宇宙の真理」を現わし、五つの智恵を現わす色として用いられています。色の組み合わせによってとてもモダンなお団子となりますが、この涅槃団子を別名「花団子」とも呼ばれるように、花柄をモチーフにしたものも作られています。お供え後の食べ方としては味噌汁に入れて食べるのが一番良いと思いますが、焼いて砂糖醤油か黄粉をまぶして食べるのもなかなか素朴な味わいがあるものです。どうぞお試しあれ! 三日間に渡る涅槃団子づくり、皆様はどのように感じられましたでしょうか? すべてが真心こもったお団子だと承知頂けましたでしょうか! お手伝い頂いた皆さんの、その真心を御釈迦様にお供えするのです。なにもかもがインスタント化していく現代社会ですから、せめてものお寺の行事ぐらいは手間ひまかけて、檀信徒の皆様との和合を大切に行事を進めていきたいものです。
さて和尚は明日の彼岸会を前に、寸暇を惜しんで日頃の溜まった宿題をしました。流石に大安禅寺はスケールが大きいため、やらねばならないことが無尽蔵にあります。今日のように天気が良いと心は外掃除に向かいます。あれもやりたい!これもやりたい!嗚呼時間が無い!嗚呼身体が動かない! 愚痴を言っている場合ではないですね。宿題をしている途中に藤田通麿総代様が来て下さり、よもやま話で一足早く花を咲かせた次第です。明日は涅槃会彼岸会です。どうか皆様お誘いあわせの上是非お参りください。心よりお待ち申し上げております。友峰和尚より
藤田総代様とともに / 大安禅寺 アトリエにて
第1308話
昨日に引き続き涅槃団子(ねはんだんご)作りが檀信徒総代始め世話方、職員によって早朝より行われましたが、和尚と新命副住職は専ら新作団子づくりに集中しました。写真の如くに色々な模様を出すにはそれなりの技術を要しますが、一番大変なのは団子の色合わせの際、相当な力を必要とします。蒸し上がったお米の搗き方も重要で、硬くても柔らかくてもいけません。丁度良い「搗き加減」が求められていますから、熟練した技が必要です。そこんとこは大丈夫で、「昔取った杵柄」では有りませんが我が村では未だに臼で餅を搗く家が残っている為、ベテラン組が担当しています。
また出来上がった団子を伸ばす作業にコツが要ります。全ての過程で和合専一に連動しながら見事な「涅槃団子」が出来上がるというわけです。このような伝統的団子づくりが今後どこまで続けられるかは最早風前の灯(ともしび)的状況ですが、これからもずっと続けて行って欲しいと思うものです。
さてこの涅槃団子の色ですが「青黄赤白黒(せいおうせきびゃくこく)」と言って宇宙そして大自然また仏法を表す五色として用いられ、ひいては御釈迦様の悟りを示すものとしてお供えされます。明日、出来上がった団子を切りわけますが、どんな模様の団子がお目見えするかは明日のお楽しみです。乞うご期待下さい!
そもそも、団子として使われたお米は先般、新命和尚が総代様を伴って村々を托鉢して頂いた浄米である事を知るべしです。多くの方々の「慈悲心」と「愛山護法」の気持ちがひとつとなって「涅槃団子」が真前にお供えされ「涅槃・彼岸会」法要が営まれます事は感謝の念に堪えません。どうか御釈迦様の慈恩、御先祖の恩、父母の恩、宇宙の恩に感謝しつつ「涅槃・彼岸会」を迎えたいと思います。さあ和尚はお掃除です!!お掃除こそ御釈迦様の御悟りです!頑張ってやります!友峰和尚より
第1307話
早朝より檀信徒総代始め世話方の皆さんとともに、この20日に厳修される「涅槃・彼岸会法要」にお供えされる涅槃団子作りが始まりました。昔ながらの製法を継承しているところも少なくなっている中、大安禅寺では頑なに伝統を守って手間ひまをかけた団子作りが行われています。和尚も小さい頃から手伝って来た為、今も現役で頑張っています。今日は下準備作業でしたが、明日が「団子こね」で和尚の出番となります。
一見簡単に作れるように思われがちですが、なかなか力のいる仕事で、特に色を重ね合わせながら美しい模様の団子を作るには技術が要ります。一般的には金太郎飴の作り方に似ていますが、米粉の団子となると手水の具合では中に空気が入ったり、くっつきが悪くなったりで、素早い色合わせが求められて行きます。明日のブログでは和尚の団子作りの技をお見せできると思います。とっても素朴な「涅槃団子」だけに、思い入れも強くなるというものです。「伝統」とは何ぞや? 日本古来の伝統行事や慣習が減少していく現代社会ですが、一度消滅したものを復帰させるのは至難の事です。後世に何を伝えて行くかはそれぞれに事情が有り選択が難しい問題でもありますが、残せるものはたとえ一年でも継承して欲しいものです。
さて「涅槃団子」も有れば「彼岸団子」も有ります。どちらも「仏法」そのものを意味するお供え物です。お寺の年中行事には大いに参詣願いたいと思います。「日々これ新たなり」の禅語の如く、一回参詣するごとに新しい発見があるのがお寺の「不思議発見!」です。思い切ってお寺の行事に参加してみて下さい!お寺は本当に摩訶不思議な所なのです。何故なら「真理を行ずるところ」だからです。お参りして、本当の自分に出会えることほど素晴らしい体験は他にないと思います。友峰和尚より
3月16日 霊苑改葬工事のようす
あたたかな陽気の一日となりました。春季彼岸会も無事に終了し、引き続き着々と霊苑改葬工事が進んでいます。写真の如く、式台玄関から庫裏玄関にかけてのアスファルトがことごとく撤去され、地面がむきだしの状態になっています。また霊苑では、檀信徒墓域「奥の院」の通路に石畳が敷かれ、石塔のモニュメントが設置されました。
奥の院 最奥の通路敷石です
第1306話
臨済宗妙心寺派 全国宗務所長会議最終日
昨日とは打って変わって穏やかなお天気となりました。三日間に渡った会議も午前中に無事終了し、京都を後に一路自坊に戻りました。宗務所長を拝命して5年目を迎え、法務の実施にも力が入るというものです。教区の発展は延いては我が宗派の発展にも繋がる為、たゆまぬ努力が求められているようです。
会議はさて置き、全国から参加している所長同士の交流ほど意義を感じるものは有りません。教区が違うと本当に何もかもが違う為、懇親会を介しての会話は実に楽しく良い勉強になるものです。まもなく大安禅寺でのお彼岸会ですが、大本山妙心寺参拝の後は気持ちも特別に充実した中で迎えることが出来そうです。真にありがたし。ありがたし。そうそう、今回の会議の中では、花園流御詠歌の発展のため、奉詠の際に使用する鈴鉦を無くし「詠歌」だけにしたらどうかとの提案が有りました。なるほど高齢化の進む中では鈴や鐘を鳴らすのはなかなか難しいとの事で、口だけは達者になっていくなら得意分野を拡充するほうが発展に繋がるという発想でした。ガッテン?反対? いつの世にあっても進歩と調和が課題のようです。
平成28年度 大安禅寺 涅槃彼岸会法要より
来たる三月二十日の「涅槃彼岸会法要」には卑山御詠歌婦人部皆様の素晴らしい声が披露されますので、是非ご参拝ください。果たして鈴鉦があるほうが良いか、それとも無い方が良いのか、じっくりご拝聴ください。友峰和尚より
第1305話
妙心寺開山堂拝塔
強風の吹き付ける寒い一日でした。終日、大本山妙心寺宗務本所での会議でしたが、終了後には流石に足腰が痛む始末、実に情けないの一言です。会議に参加している全国の宗務所長も随分と若返ったもので、和尚などはいつの間にか古参組で驚きます。
一年に何回か本山での会議に参加していますが、和尚にとって京都は特別な場所で、いつ来ても新鮮な気持ちになるものです。最近では妙心寺・山内寺院が外国人旅行者に大変人気で、今日も多くの観光客が訪れていました。妙心寺山内は約10万坪有るそうですから、外国人観光客にとっては魅力ある異次元空間を体験出来る場所だと思います。全国から集まっている各教区の宗務所長方々ですから会議の後の交流懇親会が盛り上がるのは言うまでも有りません。会議は明日も有りますが、頑張って参りましょう!
ガラリと話を変えて、WBC二次リーグで連日見事な戦いをみせている「侍ジャパン」ですが、小久保監督始め各選手達の素晴らしいチームプレーが勝利を導いているようです。[大和魂」という言葉がぴったりの「侍ジャパン」、勝っても負けても文句なしの選手たちのファイトです。全力投球!これこそ日本人の美しき姿だと日々声援を送っています。 頑張れ日本! 友峰和尚より
第1304話
さぁ始まりました!「宝勝和尚の楽く楽く法話」です。桜の開花情報と相まって、春の旅行シーズンを迎えました。本日は岐阜県下呂市より元気に満ち溢れたアラシー世代の奥様の団体でしたが、最後まで楽しくお聞き頂けたようです。和尚にとっては久しぶりの楽く楽く法話でしたが、不思議なもので昨日までの疲れもどこへやら、アラシーパワーを頂いてパワー全開!!お話のボルテージも上がる一方でした。やはり和尚にとって「説法」は自分の人生そのものなのかも知れません。
このところずっと霊苑事業に集中していて、かなりの緊張感が続いていましたが、気持ちがいっぺんにリラックスした感じでした。「男は度胸!女は愛嬌!坊主は説教!」とは懐かしいフレーズです。さてリラックスもつかの間、法話後は一路京都に向かいました。今日からの三日間は妙心寺宗務本所での全国宗務所長会議です。参禅は須らく実践を要す!!の言葉の如く、何事もやってみて納得がいくものです。さりとて全てを体験することも不可能な話です。本山での研修は情報交換に意義を見出すものと感じています。「艱難汝を玉にす」で、どのような難しい問題に遭遇しても、縁にしたがって全力投球で頑張って行きたいと念じています。友峰和尚より
第1303話
傳燈寺 参道の白梅
終日暖かい一日となりましたが、「暑さ寒さも彼岸まで」とは昔の人は上手く言ったものです。昨日は寳勝寺の春季彼岸会法要が厳修されました。檀信徒墳墓改葬移転がほぼ完了し、その安堵感からか今日は疲れが一辺に押し寄せて午前中は敢え無くダウンしてしまいました。もはや激務には耐えられない程、疲労が蓄積してきているようです。とはいえ、今年から新たに兼務住職となった傳燈寺視察予定が入っており、無理を承知で訪ねました。
既に依頼しておいた畳替えの床板張り替え工事も進んでおりホッとしました。人の住まなくなった建物はみるみる傷んでいきますから、早めの修復が求められています。特に傳燈寺は山を背にした建物で湿気の影響もあり、排水工事なども今後必要になってくると思います。就任してまだ一か月ですが、任命を受けた以上は責任をもって復興にあたりたいと思っています。
傳燈寺町会長 西川様と
和尚にとってはどの寺院も大切で、復興と共に後継者育成にも力を注いでいかなければなりません。和尚の本寺である大安禅寺では文化庁指導のもと大掛かりな全面修復工事が始まろうとしていますが、現在、金沢市内の兼務住職寺院を一か寺ずつ修復に当たっていることも、本寺の修復工事を進める上での重要な経験と勉強になると思います。どの建物にも多くの宮大工師が関わってるだけに、その気持ちを感じ取ることが出来ます。さてそれぞれの兼務寺院の修復を終えた際には皆様是非ご来寺下さい。昔から「家風」という事を言われますが、お寺にも「寺風」というものが有ります。人々に個性があるように、歴史を有する趣ある「寺風」を感じ取って頂けたらと思います。友峰和尚より
第1302話
法要に先立ち、午前九時より先祖墳墓入魂の儀が行われました
快晴で暖かい春風がそよぐ気持ちの良い一日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 寳勝寺では午前十時半より「春季彼岸会法要」が厳粛に執り行われました。現在、霊苑改葬工事が進められている関係で、檀信徒様はじめ工事関係者の方々も参席しての法要となり、法要終了後には㈱ココ・プランニング中本会長、社長様はじめ㈱豊蔵組・豊蔵社長様のご挨拶の後、工事進捗状況と今後の進め方また先祖墳墓移転の状況について、㈱豊蔵組 現場監督・高島氏ならびに㈱河原市石材・河原市社長様から説明がなされました。先祖墳墓の移転については全て完了し、本日は各家の入魂の儀式が行われたわけですが、和尚も心から嬉しく安堵いたしました。今後は六月完成に向けて、より一層の緊張感をもって進めて行きたいと思っています。
平成二十九年度 春季彼岸会法要の様子
御加担下さいました 宝光寺 御住職
檀信徒説明会にて ㈱ココ・プランニング 中本隆久会長の御挨拶
㈱ココ・プランニング 中本大資社長の御挨拶
㈱豊蔵組 豊蔵享一社長より御挨拶
㈱豊蔵組現場総監督 高島隆義課長より 進捗状況と今後の進め方について御報告
㈱河原市石材 河原市社長より 先祖墳墓移転について御報告
住職より 今後についての御説明
檀信徒説明会終了後、各御家の墳墓入魂式が行われました
昨日、三月十一日は東日本大震災発生から6年目を迎え、震災物故者の総供養が各寺院でなされましたが、その多くの寺院が被害を受け先祖墳墓もことごとく津波で流されたと聞いております。我々の心は祖先とともにあるだけに、言葉を失います。寶勝寺では今、約四百年に渡る祖先墳墓の改葬工事を行っているわけですが、今回は祖霊を弔う「永代墓」が新たに設けられ、有縁無縁の供養墓となっています。先祖供養の大切さはそのまま自分の心の供養でも有ります。思いやりの心は父母の恩、祖先の恩を忘れないところに有る事を思う毎日です。友峰和尚より
㈱豊蔵組様、小竹様とともに
第1301話
寳勝寺春季彼岸会が明日の午前十時半より厳修されます。今日は、「ふれあいパーク霊苑奥の院」に改葬されたお檀家様墳墓の入魂諷経が行われました。殆どはまだ工事中ですが、それでも少しずつ霊苑の全体像が見えて来ています。午後からは㈱ココ・プランニング中本大資社長様はじめ工事関係者方々との工事進捗状況確認と打ち合わせが行われましたが、工事が進むにつれてお互いに力の篭った話し合いとなっています。
お檀家様の先祖墳墓入魂式
中本社長様との打ち合わせのようす
今回の寳勝寺霊苑改葬工事で和尚が最も嬉しく感じたのは、奥の院に整備された「三界萬霊塔」と歴代住職の慰霊碑「歴世塔」が復元された事です。祖先を思う気持ちは誰しも同じであろうと思いますが、我々僧侶に於いても釈迦仏法を的々相承されて来た歴代住職の慈恩を奉じる事も大切です。
三界萬霊塔 改葬施工中のようす
多くの方々との仏縁を得ながら改葬工事が進められています。明日は春季彼岸会法要が営まれますが、先祖の恩と父母の恩に心より感謝の真を捧げたいと念じています。さて桜の開花予測情報がニュースで報道されるようになって来ました。本当に待ち遠しいですね!人生、心の花を幾重にも咲かせていきたいものです。友峰和尚より
「桜花無尽蔵」 大安友峰 書