2月, 2022年
第3107話
寳勝寺 境内のしだれ梅
北京オリンピックも閉会式まで残すところあと2日となりましたが、普段は目にすることのない冬季に於ける色々な競技を観戦することが出来大満足でした。日本人アスリート達の競技に対するマナーやインタビューを受ける際の素晴らしいコメントなど、本当に誇らしく思ったものです。霊苑事務所スタッフ 木村さんとともに
競技は勝負の世界とは言え、敗者とてオリンピック代表選手になる為には並々ならぬ努力と精進の日々を過ごして来たに違いありません。勝っても負けてもスポーツは人々に多くの感動と勇気を与えてくれますから、今がコロナ禍の困難な時代に有って大いに意義ある大会であったとアスリート達に惜しみない賞賛の拍手を送りたいと思います。色々な問題も浮上した北京オリンピックでしたが、五輪のマークの如くに世界中の人々が和合の精神を拡大して「助け合いの輪」を広げて欲しいと願うばかりです。髙倉さん御夫妻とともに
さて本日は掛かりつけの病院で診療してもらいましたが<異常なし>との診断で安堵しました。若者達とは違って日々老化現象が顕わになる年頃だと自覚するものです。人生は2度ないのですから、若い時こそ大いに自己に鞭打って頑張って欲しいと思います。しかしながら近くに病院が有る事がいかに有難いことか本当に感謝するものです。「一病息災」なる言葉があるように、「病みてこそ道心の起こる候 不幸はこれ道の幸いなり」との花園法皇様のお言葉が身に染みる昨今です。「善は急げ」「急がば回れ」どちらも味わいの有る言葉です。頑張って参りましょう!! 友峰和尚より第3106話
JRの車窓から望む雪景色
再び北陸地方は大雪となりました。心配された目まいの病状も回復し一路金沢に向かいましたが、車窓からは銀世界が広がって真冬に逆戻りといった感じです。車内はこのところの新型コロナ・オミクロン株感染拡大の影響からか空席が目立ちました。石川県内にはまん延防止等重点措置が発令されたままですが金沢駅構内は以前より多くの人が見受けられ、コロナ禍の中でも少しずつ活動を再開しているようです。
ほとんど空席の列車内
立春を過ぎて 再び銀世界となりました
このところの気温の急激な変化は高齢者にとっては鬼門で、暖房を効かせた自室での養生が大切のようです。和尚も例外ではなく、金沢の気候と自坊の気候では湿度や寒さの面で大きな差が有り油断すると体に直接影響を受けるため、この時期の往来は本当に気配りが必要だと感じました。
寳勝寺檀信徒の額様が キンギョソウ をお届けくださいました
寳勝寺に到着すると時を同じくして、東京在住のお檀家・額様よりキンギョソウが届きました。カラフルで活き活きとしたお花を見ていると本当に心が和むものです。毎年ご恵送頂いていますが、今年もさっそく御仏前にお供えしご供養申し上げました。本当に有難うございました。
寳勝寺 玄関にて
さて2月は「にげる」の如く、瞬く間に後半に入っています。今は心身の大休息月と捉え、まだしばらく静養に徹して参りたいと思います。どうか皆様に於かれましてもくれぐれも御身ご自愛くださいますよう御祈念申し上げます。友峰和尚より
第3105話
大安禅寺 玄関にて
2月も中盤を迎えていますが、ここに来て急激に寒くなり北陸地方は再び雪模様になりました。気温の高低が体にぐっと堪え、ようやく回復の兆しを見せていた腰痛が再発し加えて老人性めまいが突然襲って来て自坊での静養となっています。雪が降るといっぺんに閑かさが増し、まるで陸の孤島に居るように感じます。
北京オリンピックもあと5日を残すのみとなりましたが、各競技に於ける日本選手の活躍と競技に対する努力には本当に感動するものです。スピードスケート女子団体追い抜きでは終盤に高木菜那選手が転倒するというアクシデントに見舞われましたが、見事なレース運びに感動を覚えました。優勝を逸し銀メダルということでアスリート達にとっては涙涙の表彰式でしたが、姉妹が抱擁する光景には言葉も有りませんでした。金メダルを獲得するために今日まで並々ならぬ練習と努力を続けて来た事がレースから痛いほど伝わってきました。「人生は苦なり」です。
「 刻苦光明必ず盛大なり 」 大安友峰書
高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃選手は素晴らしい闘いを見せてくれ勇気と感動を貰いました!!ありがとうアスリート達!よく頑張った!己に負けるな!人生は自分との闘いなのです。 素晴らしい銀メダル獲得!おめでとう!おめでとう!おめでとう! 友峰和尚より
第3104話
「春は曙 ようよう白くなりゆく山際 少しあかりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる」 清少納言 枕草子の巻頭の一説ですが、この時季になると自然に口ずさんでしまいます。と言うのも、大安禅寺から東の方角には白山連峰がそびえ、眼下には越前平野に横たわるかように九頭竜川、日野川が合流しており実に絶景かな!です。昔も今も少しも変わらぬ早春の風情には情緒的にならざるを得ません。
「通玄峰頂不是人間 心外無法満目青山」 大安禅寺開山 大愚宗築禅師の書 / 雑華院様にて
今日は生憎の雨模様となりましたが、昨日は暖かいお天気に恵まれ思わず白山連峰の雄姿に見とれてしまいました。禅語の「青山元不動 白雲自去来」とあるように、心の“安心(あんじん)”は昔も今も変わらぬ風景の中にあるようです。
大本山妙心寺塔頭、雑華院住職 華隠窟老大師 / 2021年3月
卑山責任役員総代の藤田通麿氏・蒔田城助氏 と 華隠窟老大師 / 2018年10月
さて本日は終日、自坊での休養となりました。現在諸堂の修復工事が進められており、閑けさを打ち破るかのように境内一帯には「カンカン!コンコン!」と宮大工師の軽快な作業の音が響き渡っていました。朝一番に大本山妙心寺塔頭、雑華院住職 華隠窟老大師様より温かい励ましのお電話を頂き心から感謝申し上げた一日となりました。友峰和尚より
華隠窟老大師、奥様、雑華院責任役員総代様 と 卑山責任役員総代、新命副住職とともに / 2019年5月
第3103話
愈好亭にて 中国茶で茶礼をしました
日中気温が9℃と立春らしい温かい一日になりました。境内を散策しましたが、早春の草木の匂いがなんともたまらなく思わず胸いっぱいに深呼吸をして体の中に取り入れました。 皆様!!春です!春ですよ!って叫びたくなりました。
㈱ココ・プランニング 川面専務とともに
午前中には㈱ココ・プランニングの川面専務が久しぶりに来寺され愈好亭にて歓談しましたが、コロナ感染防止のため自家用車で来られたとか。本当に県境を跨ぐ移動には多くの方が気を使っているようで大変です。午後には卑山諸堂保存修理委員会の吉岡泰英会長が現場を視察され、和尚も同行しました。
本堂前の境内に 大きな重機が並んでいます
吉岡泰英会長と御子息 文建協の高木氏
鐘楼にて
松浦建設㈱ 現場監督 東野氏
鐘楼に取り付けられた 棟札
新命副住職による 御祈祷のようす
まもなく完成を迎える鐘楼には先般和尚が揮毫した棟札が取り付けられていましたが、次回修理が行われるのは数百年後かと思うと実に感慨無量でした。引き続き本堂修理現場を視察した後は愈好亭で歓談しましたが、諸堂のすべての完成を見るのはまだ約7年先の事となります。さて明日は3回目のワクチン接種日です。何はともあれ、日々の健康管理が今後の重要課題となりそうです。友峰和尚より
愈好亭にて 吉岡氏と御子息とともに
第3102話
臨済宗妙心寺派滋賀北陸教区公職者会議 大安禅寺 松雲の間にて
このところ北陸地方は穏やかなお天気が続いており春の到来を感じさせてくれます。本日は午後1時より「滋賀北陸教区公職者会議」が久しぶりに開催され、約3時間あまり協議がなされました。
午後の会議に先立ち午前中には教区会計監査が行われましたが、コロナ禍の影響で遅れていたため2年間分の監査となりました。
午前中に行われた 会計監査のようす
この2年間はコロナ感染防止から殆どの会議や研修会が中止され、会計面でもそれほど動きが無かった為監査を無事終え、午後からの会議では各部役職者皆様からの意見を頂き今後の活動についての協議となりました。今年の6月には「教区住職研修会」が福井県小浜市で開催されることとなり、コロナ感染防止対策を徹底して実施したいと思っています。
本当に何もかもが中止や延期を余儀なくされているだけに、今年は工夫しながら催事の復帰を目指していきたいと願うものです。さて明後日は第3回目のワクチン接種日で、今回は「モデルナ」との事、兎にも角にも感染予防の為には接種するしか方法は無いようで、高熱が出ないようにひたすら祈るばかりです!友峰和尚より
第3101話
金沢市 長町武家屋敷
小栗旬主演、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が好評を博しているようですが、三谷幸喜が脚本を担当し彼独特のユーモアが至る場面に表現され、これまでの戦国時代ドラマとは一風異なった演出展開が視聴者を魅了しているのだと思います。和尚も欠かさず見ていますが、鎌倉時代の武士達の生活ぶりや戦いぶりが面白く描かれており「成程!成る程!」とついつい見入ってしまいます。
金沢市内には多くの江戸時代の歴史的遺構が保存されていますが、本日はガラス工芸作家・髙橋ナオミさんのグループ作品展が開催されるというのでウオーキングも兼ねて見学に行ってきました。展示会場のある武家屋敷保存地区は金沢市の人気観光地でもあり、散策するだけでも江戸時代にタイムスリップする感覚を楽しめるものです。また金沢城跡も見事に整備されており、武士達の権力闘争の場所が今では観光地として多くの市民が行楽に集うのも皮肉な話しです。
旧加賀藩士 高田家跡
「鎌倉殿の13人」に登場する人物は卑山総代・北條英俊氏の御先祖でも有り興味深く拝見していますが、北條総代と歓談している時にはどこか武士道を垣間見るような感覚があります。時代は移り変われども、その魂は連綿として受け継がれていく事を思うものです。
長町のギャラリー 「クリーヴァ」にて開催されている髙橋ナオミさんのグループ展にて
髙橋ナオミさんの作品
さて髙橋ナオミさんのグループ展は今月27日までだそうですので、お時間の許す御方は是非ご覧頂けたらと思います。皆様に於かれましては寒さ厳しき折くれぐれも御身ご自愛ください。友峰和尚より
本日の 犀川沿いの風景
第3100話
リアルタイムで北京オリンピックでの競技模様が伝えられる時代。日本人選手の活躍する姿をライブで見られるのも不思議な時代です。和尚の幼少の頃はラジオで聞くのが主流でテレビが登場したのは小学6年生の頃だったと思いますが、その頃はまだモノクロで、カラーになったのは随分あとの事だったと記憶します。
吉田家 の 厄除開運祈願 御祈祷が修業されました
母がラジオを聴きながら繕いものをしていた姿を懐かしく思い出しますが、その頃の記憶と言えば「尋ね人」という番組でした。戦争で行方不明になっている家族を探すための広報番組ですが、今でも強く耳に残っています。
大安禅寺の学生アルバイトに来てくれていた 吉田君御夫妻とともに
時代は移り変わり今では自分を取り巻く何もかもが進化し便利になりました。そう言えば1970年には日本で初めての世界博・大阪国際博覧会が開催され、その時のテーマが「人類の進歩と調和」でした。あれから半世紀が過ぎて今ではAIロボット時代を迎え、家の中では電子音が一日中あちこちで鳴り響く有様。心の安らぎからはますます遠ざかっていく感が有ります。
明日から作品展がはじまる 髙橋ナオミさんとともに
仏教の根本はあくまで「自灯明 法灯明」の世界。コロナ禍の現在、いちど静かに坐って体と呼吸と心を整えるチャンス到来の時代なのかも知れません。「坐禅せば 四条五条の橋の上 往き来の人を 深山木とみて」の道歌のごとき心境を心から願う毎日です。友峰和尚より
第3099話
少林寺 本堂正面に積みあがった雪
昨日より関東地方に大雪注意報が出され、静岡県内でもずいぶん雪が降ったそうで本当に最近の気候変動には驚きます。北陸地方はしばらく穏やかな日々が続くとのことで安堵しています。
少林寺 中庭の残雪
昨日に引き続き少林寺に出向き書斎にて手紙を書きましたが、境内や寺の周りは雪に囲まれており堂内は実に静かで仕事が捗りました。本堂玄関前には屋根の落雪が山高く積もっており、寳勝寺とはまた違った感覚を覚えるものです。寺院を守って行くためにはやはり常駐しなければ色々なところが痛んでいきます。常にメンテナンスできる状況が一番ベストなのですが悩みは尽きないようです。
寳勝寺庫裡に掛けてある日めくりカレンダーもうっかりすると2~3日があっという間に過ぎてしまいます。自動日めくりカレンダーが欲しいところですが、今日の標語が「人にだまされて苦しみ 我にだまされて悦ぶ」と有りましたから成程と合点しました。人にだまされるより、自分にだまされて悦んでいる日々が多いような気がする今日この頃です。ご用心!ご用心! 懈怠の心ほど恐ろしいものは有りません!「禅は急げ!」 なんだかだまされているみたい? 友峰和尚より
第3098話
寺町・本長寺様 境内の寒桜
連日の除雪作業の労苦から解放され漸くひと息つくことが出来ましたが、山ほどあった境内の積雪も順調に融け駐車場も確保されやれやれです。ニュースでは除雪作業中の事故で多くの方が亡くなられており、いかに大変な作業かは雪国に住む者にしか分からないのが現状かも知れません。今年は滋賀県や北海道での大雪が報道され、明日からは首都圏でも大雪に警戒が必要とのこと、世界的気候変動の影響が日本の冬にも如実に表れているように感じるものです。
最近の通信網のデジタル化が進む中で情報伝達が大変便利になりましたが、僧侶の世界では今もなお墨を使って書簡を送る事を大切にしています。誠に以ってアナログの世界ながらなかなか味わいのあるもので、本日も時間をかけて巻き手紙をしたためましたが、筆の文字には個性があってとても気に入っています。
最近の手紙はそのほとんどが印刷文字ですから味気なさを感じます。絵手紙など貰う時は本当に嬉しいものです。今後も出来るかぎり筆でお手紙しようと思った立春明けのひとときでした。友峰和尚より
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