和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第598話 】
2015年 04月 08日 談
今日は降誕会(御釈迦様が御誕生された日)で、通称「花祭り」として世界各国で仏教徒がお祝いをします。卑山・大安禅寺にても午後より職員も交えて誕生佛に甘茶を注ぎ、お祝いをしました。
さて、この甘茶ですが、「なぜ甘茶を注ぐのですか?」と職員から質問を受けましたので、早速に詳しくインターネットで調べるように言いました。大凡知っているようで知らずに慣習を踏襲していることが多いわけで、やはり勉強のつもりでいま一度「甘茶の由来」を調べたところ、御釈迦様がお生まれになった時、9匹の龍が現れ沐浴(産湯)に使う水として「甘露」(甘い水)の雨を降らせたところから甘茶を注ぐのだそうです。「合点合点!」、職員も皆さん納得されたようで「めでたしめでたし」でした。
年の時を経て今なお「仏教」が全世界に脈づいています。今日のように混沌とした時代にあっては尚更、御釈迦様の「無我」の教えが大切かと思います。昨日は京都・妙心寺専門道場より三名の雲水(修行僧)さんが寶勝寺を訪ねてくれました。臨済禅は現代に有っても、修行僧は御釈迦様の法に添うべく厳しい規矩の下、僧堂生活を第一義としています。時代が変わっても己事究明を願う人々は後を絶ちません。御釈迦様の御誕生こそ、我々が仏教徒として心の安心(あんじん)を得ることが出来たことに深く感謝した降誕会でした。友峰和尚より