和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第2825話 】
2021年 05月 12日 談
「養心(ようしん)」とは心を養うことですが、そもそも心を養うためには「飲食」「起居」と合わせて三点が重要で、我が禅門に於いては精進料理と作務と坐禅によって心が養われていきます。
この「養心」の字はずいぶん昔に和尚が書いたものですが、今でも枯木堂の廊下を通る時には必ず字の意味をかみしめつつ開基堂並びに開山堂を拝塔してから自室に入るようにしています。加齢に伴い自分の住まいでもある大安禅寺の歴史の重厚さを感じますが、卑山を約四百年間に渡っての多くの祖師方(住職)が今日まで法灯を守り続けて来た精進努力に「養心」の思いを馳せるものです。
大安禅寺 開基堂
大安禅寺 開山堂
「人生、生きるとは何ぞや?」の問答に於いて、生きるとはまさに日々の「養心」であると言えます。しかしながら目に見えない、捉えどころのない心の世界。果たしていったい自分のどの心を養うというのか? さあ言え!さあ言え! 養心とは言葉では言いあら表すことの出来ない「以心伝心」の世界であるが故に「養心」なのです。さて再び金沢に入って只管養心、養心、の日々が続いていきます。友峰和尚より
ヤグルマソウ / 寳勝寺中庭