寶勝寺日誌
「サラ・ローレンス大学個展」もあと2日となり、今日は、「住職と学生との懇談会」と「坐禅会」が開催されました。
個展会場を教室に、日本語を学んでいる大学3年生8名の皆様が、住職との親交を深められました。野口先生、奥様と加賀様、好さんにも御参加いただき、日本文化のことや女性の社会進出のこと、将来の目標など、あらゆるテーマについて語り合いました。
この一週間、何度も会場に来てくれ、通訳や案内ガイドをしてくれたメレディスさん(愛称:メリさん)です。日本が大好きで、かばんには「千と千尋の神隠し」のキャラクターの大きなキーホルダーをつけていました。最新の日本の流行事情にとても詳しく、陽気で明るい女の子です!
住職ともすっかり打ち解けています。
日本語クラスの先生からの差し入れ・稲荷ずし。久々の日本食に一同大感激。
午前の懇談会を終え、グリフィス教授と学生食堂に向かう住職。日本の人気ドラマの撮影にも使われたという立派な藤棚の下を通って行きます。
こちらに来てからは催事の準備に忙しく、ゆっくりお話しも出来なかったグリフィス教授と住職。快晴のもと、今日は久しく歓談されていました。
こちらは、副学長様の秘書室。初日の招待パーティを出張で欠席されていた為、お土産を持ってご挨拶に。しかし会議でご不在とのこと。のちほど、副学長様が会場へお越しくださることになりました。
個展会場にて、副学長様とご挨拶。副学長様は禅に大変関心があり、ご本人は仏教を信仰されているそうです。
お土産にと日本から持参した品々に、副学長様はたいへん感激されて「クリスマスみたい!」と喜んでおられました!
リクエストに応え、副学長様の好きなお言葉を揮毫される住職。
言葉は、「-円相- 無一物中無尽蔵」です。
住職が揮毫される様子をじっと見つめ、満面笑顔の副学長さま
午後には、集まってきた学生との交流の場が持たれました。皆さん、禅の教えや「無心」、「空」という言葉にとても興味を持っています。住職は、グリフィス教授との縁から今回の個展までの歴史をお話しされ、「一つの願いに対して諦めずにベストを尽くせば、必ず叶う」ということ。また、以前大安禅寺の境内でイノシシが掘った場所から埋蔵銭が出てきたエピソードを紹介し、「思いやりの心、報恩の心が、思いがけず良い結果を導く」こと。
また、禅語の「空」や「無」は、単に空っぽとか何も無いというだけの意味ではなく、「empty(空)とは、いつもスタンバイしているということ」「無とは、なにも無いところにいっぱいの思いやりを持っていること」とお話しされました。グリフィス教授が丁寧に通訳され、「生徒たちにとって本当に意義深い時間になった。素晴らしい話を聞かせることが出来た。」と言われていました。
お経を唱えられているところ
皆さん、真剣です。
夕方6時からは、最後の坐禅会が行われ、会場には定員いっぱいの学生やNY市民が集まりました。静かな秋風が吹き抜け、大安禅寺から持参された「萬松の香」の芳香が漂うメディテーションルーム。普段から坐禅をされている参加者も多く、後方で見ていても、全員が瞑想とリラックスの波動を発してるのが感じられるほど本格的な坐禅会となりました。
最終日を前に、このたびの個展の意義を感じられる一日となりました今日です。明日は最後の墨蹟パフォーマンスとなります。無事円成できるよう、頑張ってまいります!