寶勝寺日誌
謹 奉 賀 新 年
令和5年 新年あけましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
今年の元旦は穏やかな晴れ間の見える好天気の朝を迎えました。ふれあいパーク霊苑にも次々とお参りの御家族が来られ、苑内は一日じゅうお正月の御供花とともに御線香の香りがいっぱいに広がっていました。
宝勝寺カフェのモチーフ
本年の寺カフェは1月3日に開始することになっております。今年の干支はうさぎですが、宝勝寺カフェのモチーフもうさぎということで12年に1回の大事な年が巡ってきたような、気持ちを新たにしております。
本堂内陣の奥にある 祭壇の意匠
宝勝寺カフェのモチーフに「うさぎ」が選ばれた理由ですが、宝勝寺の内陣(ないじん:御本尊を安置する場所)のさらに奥に江戸時代からの檀信徒各家の御位牌を祀る位牌壇があり、その祭壇の意匠が「波うさぎ」であることに由来しています。(※奥の位牌壇は、一般参詣者の方の入堂をご遠慮頂いております。何卒ご了承くださいませ。)
のびのびと波間を跳ねる2匹のうさぎ、フワフワとした毛も繊細に彫られており、足の骨格や爪などもとてもリアルで活き活きとしています。
この「波うさぎ」ですが、謡曲「竹生島」の一節『 浦を隔てて行くほどに 竹生島も見えたりや 緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは 兎も波を奔るか 面白の島の景色や 』に由来するそうです。(湖岸を離れて進みゆくうちに、竹生島も見えてきたではないか。木々の緑の影が湖面に映り、湖底に沈んで、水中に泳ぐ魚はあたかもその木々に登るかのよう。月が湖上に影を映すと、月の中の兎も波の上を走るのかと思われる。なんとまあ面白いこの島の景色であること。)
【謡曲「竹生島」のものがたり】
竹生島参詣に出かけた醍醐天皇(885年頃)の臣下が琵琶湖にて、老人と女の乗った舟に同乗させてもらい竹生島へ着きました。神社に着くとふたりは姿を消しますが、のちに老人は琵琶湖の龍神に、女は竹生島の弁才天となって臣下の前に再び現れました。弁才天は舞楽を奏で神徳を説き、龍神は臣下に宝珠を授けました。ゆったりと穏やかな春の景色のなかで繰り広げられる、清々しい神の物語です。
波間の中央に、波に押し上げられ天に昇っていく船のような彫刻
このほかにも「波」は防災・火除けの守りとして、「兎」は子孫繁栄や豊穣をもたらすめでたい瑞獣として江戸時代には特に好まれた意匠だそうで、宝勝寺カフェとしてもこれまでに色々なウサギの絵柄を選んで使うようになっています。
人気メニュー「焼きおにぎり茶漬け」 九谷焼の箸置き
カフェの伝票を押さえるための ペーパーウエイトも
普段 なにげなく使うメモ用紙
うさぎ の お守り
お寺の中も 住職の干支色紙 や 干支うさぎの飾りでいっぱいです
まだまだコロナ禍が続く中ですが、皆様が日々を心安らかにお過ごしになれますよう御祈念申し上げております。本年も引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。合掌