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第1327話

2017-04-06

本日は全国各地で一斉に入学式が挙行されたようですが、市内のあちこちで親子連れの新入生と出会いました。毎年恒例の風景ながらとても心がホッコリするものです。心もホッコリなら気温も一気に上昇して20度を超える暖かい一日となり、桜もここに来て一斉に開花を始めました。この3日のうちに満開を迎える事と思います。わが家に於いても内孫の二人が入学式と入園式を迎えました。本当にピカピカの1年生と幼稚園です。このところのニュースは事件事故や自然災害や紛争等の話題が続いていた為、今日ばかりは初々しい子供達の入学式風景のシーンに心が和むというものです。昔から「子供は宝なり」と言われているように、子供達のはしゃぎ声を聞いていると本当に元気が出てきます。最近では子供への虐待のニュースや園児の声に対する抗議などの話題が目立つようになって来ましたが、その原因の一つとして急速に進む核家族化が問題視されています。園児の声がうるさいと訴える事や子供への虐待、不登校またいじめの問題もやはり核家族化に一要因があると考えられます。誰もが想像もしえなかった少子高齢化社会問題は、孫達の学校の入学式や入園式に於いても深刻な問題としてクローズアップされてきているようです。ピカピカの1年生の孫達の育成をしっかりサポートしていくことはジイジ、バアバの役割なのかも知れませんね。


さて再びテレビ出演依頼です。明日午後二時より金沢HAB放送番組「二時はドキドキ!」でコメンテーターとして生出演しますので、お時間が有りましたらご覧ください。番組のテーマは「減るお寺 薄れる信仰 状況を脱する秘策とは?」だそうです。う~ん難しい問題ですね。和尚にとっても暗中模索の状態で今まさに無住寺院対策に取り組んでいるところです。頑張って参りましょう!

第1326話

2017-04-05

新入社員坐禅研修会も2日目を迎え早朝5時半の朝課(朝の読経)より始まりましたが、普段はあまり大きな声を出す機会がないため、今日ばかりは修練の一環としてしっかりと腹の底から声を出しての読経時間となりました。人間の五感の中でも「発声」は特に大切で、人とのコミュニケーションには絶対不可欠の要素でもあります。また、坐禅に掃除に食事作法、法話なども、向上心を培うための修練科目となっています。

さて朝課後は福井市浜町「香櫨苑」で開催されている福井春祭りフェア、文房流晴心会・野口翠智社中の皆さんによる生け花展に行って来ました。そこだけは満開の桜や紅梅の花の甘い香りがお部屋いっぱいに漂い、春爛漫の風情を感じさせてくれたものでした。

香櫨苑の女将さんの御点前でお煎茶を頂きましたが、まるで時間が止まったように、静かでのんびりとした時間を過ごす事が出来ました。歴史あるお洒落なお部屋に活けられた数々の生け花が生き生きとして輝いて見えました。いつ鑑賞させて頂いても、文房流の生け花は実に自然体で伸び伸びとして大らかな雰囲気が感じられます。

お花見の後は香櫨苑の御主人様も加わってのおしゃべりタイムとなったわけですが、優雅な時間を過ごさせて頂き本当に感謝いたしました。しばし皆様には生け花をご覧頂きたいと思いますが、今月9日まで開催されているとの事、是非とも皆様には会場に御足を運んで頂けたらと思います。お花っていいですね! 友峰和尚より

第1325話

2017-04-04

「朝打三千 暮打八百(ちょうださんぜん ぼだはっぴゃく)」 この言葉を聞いて皆様はどのように感じますか? その意味は「朝には三千回、夕暮れには八百回、自分に鞭を打て!」 すなわち「自分を打って打って打ちまくれ!」ということです。別な言い方をすれば「鉄は熱いうちに打て」ということでしょうか? 昔の人はよく「若い時は二度無い、今やらねばいつ出来る」と若者に苦言を呈したものです。

今日は午後より「新入社員坐禅研修会」が行われています。今どきの新入社員方々にこのような言葉が通じるのか通じないのかは別として、明日の夕刻まで一泊二日の修練が続きます。和尚の青春時代は禅修行に明け暮れましたが、日々はまさに「朝打三千 暮打八百」そのもので、実に過酷なまでに厳しい修行の毎日を過ごしていました。その時の不屈の精神が今の自分を支えているように思います。

大安禅寺 本堂前庭

研修生を迎えるにあたって早朝より新命副住職とともに境内の掃き掃除をしましたが、ようするに研修の要は「掃除」に有ると思っています。これから新社会人として責任ある仕事を遂行していく為には、いちどすっかりと今までの自分を捨て切って頂きたいと願っています。いわゆるゼロベースからの新たな出発です。一にも二にも、徹底的に自己を粉砕して心機一転ピカピカの1年生として頑張って頂きたいものです。さて和尚は久しぶりの外掃除でしたが、心は晴れ晴れとして爽快な気分と成りました。エイ!この世の中は「掃除」が一番ですね。友峰和尚より

第1324話

2017-04-03

寳勝寺ふれあいパーク霊苑工事が順調に進んでいますが、本日は㈱ココ・プランニングの宮崎デザイナーと中部緑地㈱・中野氏と共に、園内植栽に使用する樹木や庭石を見に行きました。以前より寳勝寺境内に植えられていた花木も再び植え戻しをする為、その選定をしました。金沢市郊外のかなり奥深い山地に植木の仮置き場が有りましたが、移植されていたどの木も元気に育っていたので安心しました。

本堂前庭にあった 桜 の木

椿  むくげ 山椒など

不思議な話で、山に向かう途中にわかに雲が立ち込めて大粒の雨が降ってきましたが、現地に到着すると同時に雨も上がり「神ってる」感じでした。寺に戻る途中、庭材専門店に立ち寄り敷石や樹木も新たに注文しましたが、ここに来てより細やかな霊苑内の造形が始まったようです。和尚としても色々な想いが有りますが、これまで寳勝寺に植えられていた木々が再び戻されるのは有り難く嬉しい事です。

景石の選定

庭材専門店にて

垣根となる竹や庭木の選定

ふれあいパーク霊苑にも新しい木々が植栽されていますが、緑が増えるにつれより立体感を増していきます。和風庭園を意識しての霊苑工事が着実に進められており、一日も早い完成が待たれるところです。本当に青葉若葉が美しい好事節! 今日はお山を訪ねて春の匂いを満喫した一日となりました。友峰和尚より

第1323話

2017-04-02

とさみづき

桜の開花が待ち遠しいのですが、兼六園は桜お目当ての観光客で今大変な賑わいを見せているそうです。前情報では今年は4日頃が満開になるという予想だったので、旅行客にとってはガッカリといったところでしょうか。それと言うのもここに来て気温が上がらず毎日寒い日が続いている事が影響しているものと思われます。今年は全国的に「桜前線に異常あり」との報告がなされており、やはり今言われている異常気象の影響なのでしょうか? 日曜日の寳勝寺・寺カフェは好天気に恵まれながらも冷たい風が吹き抜ける気候のためか温かい飲み物を求めるお客様が多く見かけられました。「花冷え」という言葉が有るように、まだまだ春本番には時間がかかりそうですね。

バニラアイス と 珈琲ゼリー の パフェ 金粉入りです

さて昨日はエイプリルフールでしたが、和尚のブログ、読んで頂けましたか? 今日はワープしてあっという間に帰国出来ました。近未来には瞬間移動できる乗り物がきっと発明されるに違い有りません。でも、そのような時代が来たら旅行など何の面白味も無くなる事と思いますよ。なぜなら時間をかけて目的地に向かうからこそ旅の値打ちがあると思うからです。時代が便利になればなるほど、人間として生きている実感が失われていくように和尚は思うのですが、皆様はどうお考えでしょうか? 「旅ゆけば駿河の国に茶の香り・・ベンベン!!」って昔の旅はいいですね!ピコ! 友峰和尚より

第1322話

2017-04-01

今日はドイツ・ハンブルグに仕事で来ています。皆様、お元気にお過ごしでしょうか?  今日から4月、卯月に入りました。卯月とは卯の花の咲く月を意味するのだそうですから、とっても春の匂いを感じる月の名前でも有ります。また4月1日はエイプリルフール、少々の嘘も許されるとか。しかしいつも嘘ばかりついている人にとっては、今日ばかりはどうにもならない日となりそうです。そもそもエイプリルフールの意味は何なのかと調べてみれば、1564年、フランスの国王シャルル9世によって1月1日を新年とするグレゴリー暦に替えた際、これまでは4月1日を新年としていた、国民の慣習が戻らず、その事に反発して4月1日に馬鹿騒ぎをするようになったと有ります。そのような事が延々と受け継がれて来たとは驚きを感じますが、人間、人生のどこかで思い切ってとんでもない嘘をついてみたいのも本音なのかも知れませんね。

ところで皆さん! 本日どんな嘘をついてみましたか? このところのニュースは何が本当なのかはっきりしないものばかりなので、今日など嘘をついてみても誰も相手にしてくれないかも? 「正直者は馬鹿を見る」なんて諺がありますが、決してそのような事は有りませんぞ。正直で馬鹿を見たのならまだまだ本物の正直者じゃないのかも。要するに大馬鹿野郎に成り切っていれば心配なしです。また「馬鹿は死ななきゃ治らない」なんて言葉も有りますし、「馬鹿は風邪をひかない」っても言いますから、見方によっては風流な言葉です。大馬鹿人間に成り切っていれば「嘘」も通じないと思います。でも今日ぐらいは「エッ!ウッソ~」って、本気で騙されてみたいものです。誰かさん!和尚を騙してくださいませんか? お待ちしていますよ! ドイツ・ハンブルグにて 和尚より皆様へ

第1321話

2017-03-31

㈱豊蔵組 江川部長様とともに

明日から卯月(うづき)を迎えますが、寳勝寺から野田山の方に目を向けると木々の青葉若葉がその色を濃くし始めています。それと同じくして大安禅寺の花菖蒲も新芽を出し始めているとか。その情報を耳にして和尚の心は次第に落ち着かなくなってきました。何事に於いても言えることですが、そのものに親身になって対応しなければ良き結果を生み出す事は出来ないものです。三十数年に渡って花菖蒲の管理に携わって来ただけに、遠く離れた所に居る自分にジレンマを覚える昨今です。身体は一つしかないという現実と、加齢を迎えての身体能力低下が心に大きく作用し、情けなくも気弱になって行く自分にはあきれるばかりです。幸いに和尚の気持ちを察して日々懸命に花菖蒲園を支えて下さっている小森庭園主・末政幸憲氏や世話方の宮田氏がおられますが、末政氏も八十歳を超える御歳と成っています。一刻も早く帰山して花菖蒲園の整備に入りたいと思うばかりの毎日です。

さて大安禅寺の重要文化財建造物全面修復工事が始まろうとしています。本日は一昨日に引き続き建設業者のヒヤリングを受けました。来年度工事入札が行われる予定となっていますが、現在は工事施工申し入れの要望のあった関係各会社のヒアリングを集中的に行っています。約十年間に渡る大修復工事が予定されているだけに慎重に聞き取りをしていますが、和尚も気を引き締めて応対しています。そうですね、今の心境を一言で表すなら「温故知新」でしょうか!花菖蒲に慈愛の思いを寄せ、古き建造物にロマンの思いを馳せる。全ては縁に委ねて参りましょうか。明日から四月、皆さん元気に参りましょうね。友峰和尚より

転任のご挨拶に来られました

 

第1320話

2017-03-30

まもなく4月 卯月(うづき)を迎えますが、新年度を迎えるにあたっての寺務整理の為に兼務寺院・傳燈寺に出掛けました。先日の大掃除の続きが残っており、職員並びにお手伝いの学生さんと共に先ずは掃除から始めたものの、まだまだ時間がかかりそうな状況です。それでも随分と綺麗になったものです。障子や畳などはすっかり入れ替えられて元の姿に戻っていました。次回は本堂の仏壇周りを中心に徹底的に最終の掃除をしたいと思っており、傳燈寺の行事遂行については5月の「弁財天法要」から出発したいと考えています。

また傳燈寺町会長の西川氏とも境内の立ち木伐採や道路の拡張工事について打ち合わせをしましたが、次第に傳燈寺の環境が整いつつあります。果たして和尚が何処まで出来るかは分かりませんが、地元の方々の協力が有る限りにおいては頑張ってみたいと思っています。

道路拡張の打ち合わせ中

枯れ根や立ち木伐採の打ち合わせ中

西川町会長とともに

傳燈寺を取り巻く環境は実に静寂で、坐禅には持って来いの理想的瞑想場所です。杉木立を抜けて吹き渡る風の中にも、約七百年の歴史を感じ思いを馳せます。これまでにも多くの禅僧がこの地で「己事究明」の修行に挑んできたことと思いますが、法灯を守っていく事の困難さも垣間見ます。「法盛んなれば魔もまた盛んなり」、本当に仏法の継承ほど難しいものは有りません。その点、「傳燈寺弁財天」の御利益は現世利益の為にこれまでに多くの信者を集めて来たようです。傳燈寺の今後の復興は「弁財天」様の神通力に掛かっているように思いました。友峰和尚より

第1319話

2017-03-29

愈々花の季節到来を迎えました。「春は花 夏ホトトギス 秋はもみじ葉」とは良寛和尚の辞世の歌ですが、あるがままの自然の有り様に接する時、深い心のやすらぎを感じるものです。人間は日々心を迷わせながら生きて行くのですが、春の到来を待ちわびる気持ちを抱くのは和尚だけではないと思います。世界中には四季の変化を感じられない国も有ると思いますが、春夏秋冬の変化をはっきりと身体の感覚で捉えられる我が国に住める事を喜びに思うものです。寺町寳勝寺に隣接する神社ではすでに早咲きの桜が満開となっています。犀川沿いの桜並木が満開を迎えるのは4月3日頃だそうですので皆様も是非お花見に来て下さい。


午前中には野町少林寺のお檀家様のお家へ初めての月諷経に出掛けましたが、まだまだ金沢市郊外の地理が十分に把握できていないだけに車のナビゲーションが唯一の頼りとなっています。最近では一つの法務をこなすのが精いっぱいで、特に車での遠出は疲れます。午後からは久しぶりに松浦建設㈱の吉田専務様と建築士の東野氏が来られ、来年修復工事が予定されている本堂裏側と庫裡玄関の下見をしてもらいました。

庫裏玄関にて

霊苑側 外壁の確認

霊苑にて

寳勝寺境内一帯は今、建造物を含め創建当初の姿に戻りつつあります。つくづく歴史の持つ大切さを感じながらの普請事業となっていますが、「諸行無常」の世にあっては「一期一会」の言葉を胸に努力が続けられていきます。さて大安禅寺の皆さんお元気にお過ごしでしょうか? こぶしの開花情報が届けられましたが、お山の春は極楽浄土ですね。和尚の心は故郷の春を日々想像しています。お健やかにお過ごしください! 友峰和尚より

第1318話

2017-03-28

3月も残すところあと3日間となりました。春休みシーズン真っ只中で学生達の姿を多く見かけますが、なかでも新社会人を迎える方々のあまりにも新鮮な出で立ちには思わず微笑んでしまいます。和尚にもきっとそんな時があったのでしょうが、遠い遠い昔の話です。大学を卒業して間もなく西宮・海清寺専門道場の門を叩きましたが、4月、春を迎えたというのに小雪の舞い散る中での入門でした。「頼みましょう!」と庫裡玄関の上がり階段に身を伏せ、体を九の字に折り曲げての懇願の掛け声でした。「ど~れ~」と、長く低い声が奥の方から聞こえて来ました。新社会人を迎える会社とは対照的に、歓迎を拒む入門御断りの挨拶を受け、以後3日間は「庭詰め」といって入門を乞うため玄関の階段で只管ひれ伏しました。今となっては実に懐かしい思い出です。

佐藤義英氏 著 「雲水日記」より引用しました

3日間が過ぎてようやく玄関から上がって部屋に通されたものの、それ以後は5日間に渡って昼夜兼行、坐禅三昧の日々でした。中にはその途中でリタイヤしていく仲間もいました。あれから50年の歳月が流れましたが、決して忘れる事の出来ない僧堂入門時の記憶です。

最近は「記憶がない!記憶がない!」の言葉が飛び交う社会。和尚のこの記憶は、生涯忘れる事の出来ない大切な記憶です。新社会人となる皆様方の今後の健闘を祈念したいと思います。友峰和尚より

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