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第1501話
墨画制作の最終日を迎えました。今日は移動日の為、なにがなんでも仕上げなければ寳勝寺に移動できないので頑張りましたよ! ところが更なる試練が待ち受けていました。またまた新たに達磨図の依頼が舞い込んできて、どうやら宿題は今後も続きそうな気配です。今日は、「寳勝寺本堂修復並びにふれあいパーク霊苑工事」に尽力下さった関係各社への、感謝を込めての御礼の墨書をしました。本当に久しぶりの墨蹟でしたが、書くに随って感を取り戻していったようです。
良い字とはなんぞや? の問いかけに答えるならば、「成りきる」に尽きるかと思います。何に成りきるかと言えば、象形文字でもある漢字の原点に成りきる! という事だと思います。午後1時頃、全ての作品が出来上がりました。万歳!和尚感激!!
墨蹟の合間の、いっぷくのようす
さて、昨日は孫達と、家内が主催するお茶のお稽古に参加して一服頂きました。「忙中に閑あり」でした。孫というものは不思議な力を持っているようで、実にリラックスしたものです。そして夕刻にはパリから一時帰国している女流画家・荒木芳栄さんを囲んでのパリ会が開催されました。参加者は勿論、6年前のパリ個展に一緒に随行くださり、煎茶のお茶会やいけばな展、ワークショップを開催された文房流晴心会・野口社中の皆さんです。笑いあり!感動あり!ハプニング有り!のパリ・メタノイアギャラリーでの個展開催でした。食事会の席では当時のビデオが流されましたが、心から懐かしく鑑賞しました。来年4月に予定されているパリ・サンリスでの個展にも出席できればと願っています。さて皆様、深まりゆく秋の風情を十分に楽しみたいものですね。友峰和尚より
第1500話
どこまでも爽やかな初秋の朝を迎えました。約千二百年の歴史を有する霊地 大安禅寺の早朝の空気感を味わって頂くには、お寺に一泊して頂くしか方法は有りません。和尚のブログも今日で1500話を迎えることが出来ました。平成25年の10月に開始して丸4年が過ぎましたが、この4年間を振り返っても本当に色々な出来事が有りました。寳勝寺本堂の全面修復工事、しいのき迎賓館個展、二ューヨーク・サラローレンス大学個展、ふれあいパーク霊苑工事、寺カフェ開業、傳燈寺修復工事等々・・・。10月22日にはその集大成として寳勝寺落慶法要が営まれる予定となっています。
人生に「起承転結が有る」とは和尚の口癖ですが、何処が「結」なのか今のところ承知していません。これから大安禅寺が約10年かけて、重要文化財諸堂の全面修復工事が始まろうとしています。恐らくはこの大事業を成し遂げることが「結」であろうと思っています。誰もがこの「起承転結」の人生を歩んでいる事と思いますが、これを言い換えれば「冠婚葬祭」に当たるかと思います。成人式・結婚式・葬儀・年忌法要と、この4つのことを踏まえながら和合専一に過ごして行きたいものです。
さて、今日も悪戦苦闘しながら宿題の墨画に挑みました。昼食をパスしての孤軍奮闘でしたが、夕刻になって漸く仕上がったようです。禅画に合わせた禅語を書きしるしましたが、皆様!! 仕上がり具合は如何でしょうか? 達磨図を見つめ、その禅語を納得いただければ幸いです。明日が最終日!あな恐ろしや!あな恐ろしや! 宿題はいくつになってもプレッシャーですね。なんとしても完成させたいと意気込んでいます。友峰和尚より
第1499話
和尚のアトリエは山際の小高い所に有り、野鳥の鳴き声や竹林からの涼しい風が通り抜ける別天地です。昨日に引き続き墨蹟や墨画に挑みましたが、身体の衰えを感じながらの制作でした。先日NHKの番組で「葛飾北斎」の特集を見ましたが、和尚も腰に持病があるため、北斎の晩年のシーンと同じく寝そべりながら筆を持っています。とてもとても人様に見せられた光景では有りませんが、なんだか筆が上手く走るので不思議に感じました。今日は達磨図を描いたわけですが、どれひとつとして同じ表情は無く、描くに従って次第に自分の顔に似てくるようで、腰の痛みまでもが達磨の表情に伝わっていくようでした。明日は讃(さん)を入れる予定で、出来上がり次第、表装に出したいと思っています。
午前中には、パリ在住の女流画家・荒木芳栄さんが卑山を訪ねてくれました。一週間ほど在福予定だそうですが、来年4月下旬にパリ郊外の中世都市・サンリスの教会で和尚の個展を計画しているとのことで、今から楽しみにしています。パリのギャラリー「メタノイア」で平成23年10月に個展を開催してから6年の歳月が流れましたが、そろそろまたパリで個展をしたいと思っていた矢先の話でした。今回はサンリスにある3か所の有名な教会での、6名の作家による催事らしく、今から楽しみにしています。
ポンピドゥー広場でのデモンストレーション / 平成23年 パリ個展にて
パリ市民の皆様が 作品に寄せ書きをしているところ / 平成23年 パリ個展にて
文房流晴心会 野口翠智先生の いけばなワークショップのようす / 平成23年 パリ個展にて
2018年に予定されている サンリス 作品展のパンフレット
寳勝寺の事業も一段落したので、これからまた新たな墨蹟禅画制作に力を注ぎたいと思っています。朝打三千 暮打八百! 怠けていると一生があっという間に済んでしまいそうですから、残りの人生を大切に充実させながら歩んで行きたいものです。友峰和尚より
第1498話
久しぶりに自坊大安禅寺のアトリエで作品制作に挑んでいます。これまで法務が多忙で依頼を受けていた墨蹟や墨画の作成が遅れていましたが、本日より集中して取り組んでいます。すいぶんと長く筆を持たなかったため、今日は筆ならしと試し書きで時間が過ぎて行きました。明日からは本格的に、依頼された達磨図を始め落慶法要記念品としての色紙を仕上げていこうと思っています。
「道」と付くものは毎日毎日の積み重ねが大切ですから、時間が空いてしまうと振り出しに戻ってしまう感が有ります。昔取った杵柄では話になりませんね。自分でも納得のいく作品を目指したいと思います。写真は今日の試し書きしたものです。指の感覚が少しずつ戻って来るようで安心しましたが、それでも緊張するものですよ。先日、文房流晴心会の秋季華展を鑑賞に行きましたが、野口美智子先生の作品を拝見し、その生け花のシンプルさに感動したものでした。墨蹟や墨画も同じことが言えますが、如何に線の無駄を省くかが作品の仕上がりに連動するものです。禅語に「色即是空」という有名な言葉が有りますが、作品の全体が「有って無き自然体」の姿を「シンプル」と言うのだと思います。言い換えれば「おしゃれ」とでも言いましょうか? 和尚もおしゃれな字や墨画を目指していきたいものです。
さあ頑張りましょう! 昨日は秋季お彼岸会でしたが、卑山の御詠歌御婦人部の奉詠も素晴らしくおしゃれでした! 境内から漂って来る銀木犀の甘い香りが素敵なアカペラと融合して堂内一杯に広がって行き、極楽浄土の趣でした。みんなみんなお洒落です。何々?和尚は駄洒落!ウン、だれじゃ!そんな事を云うのは! まあまあ気にしない気にしない!皆さん元気に頑張って参りましょう! 友峰和尚より
第1497話
平成二十九年度 大安禅寺秋季彼岸会・放生会 ご詠歌奉納
爽やかなお天気の中、午前10時半より秋季彼岸会に引き続き放生会(ほうじょうえ)が併せて厳修されました。今年最後の行事ということで例年より多くの方が参詣され、盛大な法要と成りました。法要中に焼香がなされますが、故人のお一人お一人を懐かしく感じていました。和尚は来年1月25日に70歳の古稀を迎えますが、これまで多くの檀信徒皆様にお世話になり、一年の行事を通して故人に対し心より感謝申し上げています。
放生会 / いけすの鯉に 水を注ぎ 供養しているようす
法要終了後、 世話人の方々が参列者に お供えした御餅を配っているところ
彼岸会の行事は、準備から法要執行までを檀信徒世話人皆様が担当されますが、この事も寺院と檀信徒との交流を目的として先々代から始めたそうです。近年の寺離れは寺院と檀信徒の交流不足から発生していることも事実で、卑山では一年間の行事を通して檀信徒との密接な法縁を大切にし今日に至っています。墓じまいや直葬に於いてもやはり、寺院側の交流不足がその原因になっていると思います。供養の本質や、祖先を奉じる事の大切さ、また家族との絆を深め核家族化を防ぐための努力なども、寺院に求められている事と思います。供養を通して何より感じるのは自分の心の安らぎです。「己こそ 己のよるべ 己をおきて 誰によるべぞ よく整えし己こそ まこと得難きよるべなり」 釈迦法句経の一説ですが、その「よく整えし」が御供養に当たると思います。あの世もこの世も自分の心の中にあることを悟れば、心は平安ですね。父母の恩と先祖の恩を忘れずに、日々を安らかに過ごして参りましょう! 友峰和尚より
第1496話
明日は秋季彼岸会が大安禅寺で厳修されますが、今日は寶勝寺で御依頼のあったお檀家ご先祖御供養をしました。ふれあいパーク霊苑にも多くの方が見学に来られていましたが、霊苑の評判も少しずつ広がりを見せて来たようです。午前中には、10月22日に挙行される落慶法要の引出物を求めて、金沢市内の銘品店を訪ねました。金沢と言えば金箔や九谷焼、輪島塗、山中漆器が定番ですが、今回は本堂全面修復落慶とふれあいパーク霊苑完成記念品という事で、色々吟味した結果、素敵な品を見つけてきました。やはり金沢は文化のデパート都市という事も有って、物産品も豊富で本当に目移りしました。今回選んだ記念品はきっと皆様に喜んで頂けることと思います。
さて、夕刻には大安禅寺へ戻らねばならないので、今日は分刻みで寳勝寺の法務を遂行しました。野町・少林寺兼務住職の登記のため法務局を訪ねたり、㈱豊蔵組の江川部長さん、香林さんと事務所創設補足工事の件で懇談したりと息つく暇も無いほどでしたが、落慶法要までちょうどあと一か月、お稚児さん募集も追加受付状況で嬉しい悲鳴を上げています。まだまだ準備不足の状態ですが、緊張しながら綿々密々に進めて行きたいと思っています。明日の秋季彼岸会には合わせて動物霊供養も行われますので、皆様のご参詣をお待ち申し上げております。友峰和尚より
江川部長様より、お彼岸のおはぎを頂きました。誠にありがとうございます。
第1495話
和尚の「ちょっといい話」もあと5回で1500話を迎えようとしています。過去のブログを振り返ってみるとなかなか面白いもので、その時々の出来事の雰囲気が直に伝わって来て懐かしく読んでいます。ブログのテーマが「ちょっといい話」ですから、努めて一日一日を充実させながらの4年間でした。自分が元気でいる限りブログを続けていこうと気持ちを新たにしています。
藤袴 / 寳勝寺にて
なにより嬉しいのは、ブログを読んで頂いた方々から色々なコメントを頂くときです。一日も欠かすことなく書き続けていますから、和尚の心の動きや行動が手に取るように皆様に伝わっていく事と思います。ブログを通して「無事是貴人」という禅語の真意を御理解頂ければ幸いです。この有為転変なる世の中に無事に生きるのは至難なれど、和尚のブログを通して「忍の一字」なる日々の実践こそ無事の心境を獲得する事を示しています。「生きながら 死人となりて なり果てて 思いのままに するわざぞよき」至道無難禅師の言葉ですが、なかなか味わい深いものです。 さて今日も御来寺下さった方々との楽しいし語らいが続きました。お話しの内容は多様ですが、禅語に「対一説(たいいっせつ)」と有りますように、人それぞれに生まれた環境や家族構成また仕事なども違いますから、その人に即した話題となります。子供には子供心で、高齢者の方には尊敬の心で、御婦人には優しい気持ちでお話ししましょう。「来る人も 又来る人も 福の神」と感じながらの応対です。
檀信徒の北條様と / お稚児さん行列のお申し込みに来て下さいました
久しぶりに来寺くださいました宮崎デザイナー / 作庭の打ち合わせ中です
それにしても寳勝寺はずいぶんと賑やかになって来たものです。10月落慶法要お練りのお稚児さん行列募集も遂に50名を超えたようです。本当に心から有り難く思います。当日は約200名近い親子さんにより落慶法要を盛大な行事へと導いて頂けそうです。南無観世音菩薩 友峰和尚より
第1494話
早朝5時 朝課(朝のお勤め)の様子 / 大安禅寺 本堂にて
昨日に引き続きイタリア人観光客の一泊坐禅修練が行われましたが、異文化体験ということも有り、どの参加者も一所懸命に研修に取り組んでいました。今日のカリキュラムは、午前5時半起床に始まり朝課・坐禅・粥坐(朝食)・写経と続き寺内を拝観して午前9時半に終了ですから、日本人向けの一般坐禅修練カリキュラムとほぼ同じ日程です。
朝の坐禅 / 大安禅寺坐禅修練道場 枯木堂にて
「四弘誓願」のお経を 写経される様子 / 大安禅寺 書院にて
研修終了後には本堂で記念撮影が成されましたが、新命副住職とのツーショットを求める参加者が多く見受けられ、修練参加の喜びが伝わって来るようでした。めでたし!めでたし! なかなか好評の様子ですから、今後も外国人旅行者の坐禅体験一泊研修を率先して受け入れて行きたいと思うものです。さて、参加者皆様を無事にお送りした後は一路金沢に向かいました。それにしても坐禅研修を通していつも感じますが、禅寺の命はつくづく「坐禅にあり!」って思いますね。研修終了後の気分は実に爽やかです。仏教の神髄は「無心」ですが、「無心」を平易に言えば「超きもちいい!」だと思います。寳勝寺ふれあいパーク霊苑に墓所を求められる方々が「この寺の宗旨はなんですか?」と問われますから「ブッダ宗」と和尚は答えています。何故「ブッダ宗」かと言えば、墓地やお寺にお参りするたびに気持ちがいい!宗旨だから、「ブッダ宗」なんです。ブッダ(仏陀)の悟りは「超気持ちいい心境」を言います。
夕刻、寳勝寺ふれあいパーク霊苑にて / 納骨の儀が行われました
㈱豊蔵組 香林氏とともに
さて皆さん! 日本全国には色々な宗派が有りますが、これからの時代お御釈迦様の悟りの原点にかえって「ブッダ宗」で参りましょう。なになに?「みなの宗」の方がいいのではと? どちらもいいですね。兎に角坐禅が一番です。「日々これ坐禅」で元気に参りましょう。友峰和尚より
第1493話
再び気温が急上昇して30℃を超える真夏日の一日となりましたが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 気温は高いのですが、木陰に入りますと随分と涼しく、秋の到来を感じさせてくれます。境内を囲む木々では、過ぎゆく夏を惜しむかのように日暮ゼミが声を振り絞って鳴いています。「ツクツク惜しい」とも聞こえる蝉の声と風の音は自然のハーモニーでも有ります。大安禅寺での生活リズムはスローライフそのもので、時間がゆっくり流れて行くような感覚を持ちます。今日は休寺日のため午前中はのんびりと過ごしましたが、ニュースでは衆議院10月解散総選挙の予測報道がなされ、ここに来て俄かに山中(さんちゅう)にもざわめきが伝わって来るような気配です。
今晩から明朝まではイタリア人観光客の坐禅修練が開催される為、その準備をしましたが、最近になって卑山でも外国人の一泊坐禅研修が増えつつあります。今では民泊の人気とともに、大本山妙心寺・山内寺院(さんないじいん)の寺泊や、高野山宿坊での宿泊に人気が集まっているそうで、その流れが地方に拡散しているようです。
初秋の実に穏やかな風情を満喫しながらの坐禅修練、きっと思い出深い禅体験に成ると思っています。いまやグローバル社会、インターネットやSNSによって今後もますます日本の魅力が全世界に広がっていく事を期待したいと思います。友峰和尚より
第1492話
台風18号の進路が刻々と報道される中、昨晩は「りんねる」のイベントが開催されましたが、無事に盛況裡のうちに終了した事を感謝したものでした。今回のイベントに際し、何か記念の品はないものかと探していたところ、地元・北楢原町の田安鉄工所がオリジナル商品として販売していたバーベキューセットを買い求めました。会社名は「TAYASU」ですが、町工場ながら常にアイデア商品に挑んでいる近未来思考の将来有望な会社だと思います。
この商品は、どこでも手軽にバーベキューが出来るという物で、写真では分かりにくいと思いますが、ドラム缶が椅子席にもなるよう工夫されています。なかなかの優れ物と聞きましたので、後日実際に使ってみて皆様にご報告したいと思っています。
さて、今日は表具師の斉藤公一さんとともに、福井市内・佐佳枝廼社参集殿で開催されている「文房流晴心会 秋季華展」へお伺いしました。毎年開催されている華展ですが、いつもお世話になっている野口翠智先生を始め多くの先生方の力作が展示され、展示場内には秋が一辺に訪れた感がありました。
華展はいいですね! 本当に秋の匂いが伝わって来るようでした。先生方の作品と共に記念写真を撮りましたのでご覧下さい。
「無一物中無尽蔵 花有り月有り楼台有り」 いい語ですね~、この時期の詩です。無心だからこそ全ての現象が自分の心に映し出されていきます。無駄なものなどひとつも無い世界!この世の総べてが自分の当体の現れですぞ。無・無・無。枯れススキさえも風流の情景です。今日は敬老の日です、孫から「じいじおめでとう!」って電話が有りました。そろそろ和尚もケイロウカイ(帰ろうかい)。有り難う! 友峰和尚より