9月, 2024年
第4062話
「 月清し 千古の秋 」
愈々9月も今日で最後、明日から10月神無月(かんなづき)を迎えるわけですが、ニュースでは10月6日に衆議院を解散し10月27日投開票の日程で衆議院総選挙を行うとの報道で俄かに騒然とした感じになって来ました。今年もあと3ヶ月を残すのみ故に1年を振り返る大切な時期と思っていましたが、なかなかゆっくりする時間を取れそうもないような気配です。
午前中には(株)ココ・プランニングの川面専務並びに清野さんと会合を持ちましたが、こちらでも今後の運営計画など色々懇談しながら今年8年目を迎えた卑山ふれあいパーク霊苑の運営を振り返っていました。今のところ多くの方々が参詣され庭園様式墓地として親しまれていることを有難く思うものです。「うかうかと 暮らすようでも 瓢箪の 真ん中あたりに 締めくくりあり」という道歌がありますが和尚などは人生の真ん中はとっくに過ぎ、お腹がメタボにならないように筋トレをして引き締めている昨今です。
さて明日はいったん自坊に戻り明後日は法務遂行のため神戸に妻と出向く予定をしており、その準備をしながら自室の整理整頓をしました。一期一会の人生ゆえに1日1日を大切に、悔いの無いように過ごして参りたく思う今日この頃です。友峰和尚より
第4061話
沙羅双樹、小菊 / 宝勝寺 玄関
9月長月(ながつき)も残すところあと1日となりましたが、皆様にはお健やかにお過ごしでしょうか? 「読書の秋」とも昔から言われていますが、近年では本を読む人口が減少傾向にあるとか。無理もない話で今やSNS時代! パソコンにタブレットにスマートフォンが若者達の知識を得る主流をなし、「読書百辺、意自ずから通ず」などの諺などは風化しつつあるのでしょうか? 和尚なども現在では読書とパソコンを駆使して知識や情報収集に当たっていますが、どちらかと言えば読書のほうを優先しています。
午前10時半より 御親族様お揃いのもと 三回忌法要を修業いたしました
午後1時より 墓前御供養諷経が修業されました
読書のメリットは何度も何度も繰り返しゆっくり読みながら言葉の理解を深められることですが、タブレットなどはすぐに答えが出るため、ある意味考える力が失われるように思うものです。2年後には生成AIが普及するとか、そうなれば本の内容などもあらゆる角度から人工知能が素早く判断し、推理小説などは読むまでもなく結論が先に出されてしまうという事でしょうか。なんだか味気ない感じがします。幼少の頃、父親から買ってもらった新しい本の匂いとかワクワク感とか新鮮な感覚が失われていくのは本当に残念に思います。読書は読み書きの力と心の豊かさを育むと言われているだけに、読書の時間を楽しみにしたいと思います。
いつもカフェをお手伝いくださる藤本さんのお母様と、髙橋ナオミさんが 来寺くださいました
さて本日も午前中に杉本家三回忌法要が本堂にて営まれましたが、多くの御親戚が参詣されてのご法要修業となりご参詣皆様と一緒に読経致しました。初めて経本を読まれる方も多くおられ、なにより故人を偲ぶ読経となったようです。友峰和尚より
第4060話
穏やかな清秋の風情満載の一日となりました。卑山ふれあいパーク霊苑には御供養に参詣される方が午前中から絶えることなく訪れています。和尚が理想とした霊苑の姿でも有りますが、墓前にはお花が供えられ線香の煙が秋風に乗って苑内の隅々にまで行き渡っていました。
午前10時半より 小林家 御墓前御供養諷経
午後2時より 西川家一周忌祥月忌法要を修業いたしました
午前中には墓前供養が修業され、午後からは本堂にて西川家御親戚皆様のご参列のもと一周忌祥月忌法要が厳修されましたが、秋季彼岸会後もお参りが続いています。今年の年中行事は全て終了していますが寺院の面目は常に祖霊追善供養修業にあることから、現在の宝勝寺の姿を嬉しく思っています。
夕刻 金沢市在住 大安禅寺檀信徒の井上様が 来寺くださいました
大安禅寺から現在進行中の諸堂修理保存工事の経過報告を受けるにつけ「令和の大修理」の大変さを痛感すると同時に、留守を預かる新命副住職の苦労を知るところです。重要文化財の本堂が次第に修復完成度を増すにつれその喜びもまた倍増し、令和7年12月の本堂修復工事完成を心待ちにしています。さて朝夕はうっかりすると気温の変化で体調を崩しますから皆様には十分に気をつけて頂きたいと思います。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
第4059話
自民党総裁選2024の結果、石破茂議員が総裁に当選されましたが自民党総裁はじめ議員の皆様には国難の状況下にある日本の未来に向けて大いに貢献して頂きたいと心から強く願うものです。本日は久しぶりに卑山寺カフェを開業したものの観光客の足は途絶え、不気味なほどに静まり返った寺町界隈でした。それもそのはず午前中には大リーグドジャースの地区優勝を決める大谷翔平選手出場の試合と午後からは自民党総裁を決定する選挙のライブ放送が恐らく影響したものと思われます。
能登半島地震の被災地に於いてはそれどころではない状況に現在も置かれており、本日もボランティアの方々が災害復興に汗を流されていることを思いますと本当に頭の下がる思いです。地震発生以降には能登半島地域に於いて墓仕舞いが急速に進んでいるそうで、卑山ふれあいパーク霊苑集合墓「宙(そら)」に御遺骨を納められる被災者御家族の方もおられ心が痛みます。自民党総裁並びに立憲民主党党首の選挙は終わりましたが、明日からは被災地復興に国を挙げて全力で取り組んで頂きたいと願って止みません。
寳勝寺檀信徒の安田様が 墓参に来寺されました
さて9月もあと3日を残すのみとなりました。10月は「神無月(かんなづき)」と称し全国の神々が出雲大社に集結し「神様サミット」が開催されるところから出雲国だけは「神有月(かみありづき)」と言い、1年間の神事を決める大切なサミットでもあります。国連も国会も神々の世界もお互いに建設的話し合いで問題解決に当たって欲しいと強く思う今日この頃です。友峰和尚より
第4058話
午前7時 墓域の草引きを開始しました
ずいぶんと朝夕涼しくなり午前7時より墓域の草引きにいざ出陣!秋の蚊はすばしっこくまるでステルス戦闘機のように襲ってきますから覆面をし長袖を着て防御し、またこの時季のアリも衣服の中に侵入して皮膚に噛みつき痒みと痛みをともなうため、長靴を履いての草引き態勢です。
芝生の中に 細かな雑草がいっせいに伸び始めています
覆面マスクと長靴 完全防備での外作務
朝陽が強く照りはじめた頃 麦わら帽子を装着
今年は猛暑日が続いたせいか、雑草もいつもの種類とは違った草が成長していました。草引きはタイミングを逸すると雑草のタネがいっせいに飛び散りますから油断は出来ません。ふれあいパーク霊苑の最も奥にある墓域は卑山檀信徒墓地で「奥の院」と称し、宝勝寺が創建された当初からのお檀家で約400年の歴史を有する当時の加賀藩を支えた武家や藩医、名家のお墓です。
奥の院をはじめとして苑内は常に綺麗に整備されており、最近では外国人観光客も多くの方が見学に訪れ墓地公園としても人気があるようです。約3時間ばかりの草引きでしたが、途中からはいつもお世話になっている後藤さんも加わりすっかり綺麗になりました。
いつも外作業でお世話になっている後藤さん 芝生の根をカットされているところ
作業の途中 後藤さんと休憩の茶礼をしました
気温が急激に下がったおかげで草引き作業もずいぶんと楽になりました。今後は時間の合間を見て早朝に墓域の草引きに入ろうと思っています。「注意一秒、怪我一生」という標語が有りますがまさに草引きもそれで、わずかな時間で墓域が草茫々にならずに済みますから毎日少しずつでも作業する事が大切です。さて気分は爽快です!指先の運動も認知症防止の役に立ち草引き最高!爽秋の朝の空気も最高!精進して参りましょう! 友峰和尚より
第4057話
お彼岸の中日を過ぎ涼しくなった途端に生活リズムすら一変し、これまでの暑さ対策はどこへやらなんとも気が抜ける感じがします。何より嬉しいのは就寝時、久しぶりにエアコンのお世話になること無く自然の空気の中でぐっすりと睡眠が取れることでしょうか。和尚などは少々神経質タイプですから空調機のわずかな機械音すら気になって寝れないものです。加齢とともに睡眠時間が短くなるのは高齢者の方からよく聞く言葉ですが、普段から布団や枕の高さなど色々工夫をしながら十分な睡眠時間を取るようにしています。
霊苑内にて すっかり清秋の空気感
さて涼しくなると体の動きも俄然良くなり、外作務には打ってつけの季節です。朝方、墓域をぐるりと散策しましたがいつの間にか奥の院の雑草が伸び放題となっていました。朝夕の涼しい時間を見計らって草引きに入りたく思っています。
草花達も長く長く続いた暑さから解放されたかのように活き活きとして来たようで、ふれあいパーク霊苑内の薔薇の花も再び開花を始めたようです。近くのスーパーに買い物に出れば秋の味覚の果物や野菜が所狭しと並んでいました。10月はスポーツの秋!健康の秋!でもありますので、禅僧に於いては掃除や草引きもスポーツと心得て体作りに専心して参りましょう。友峰和尚より
第4056話
ふれあいパーク霊苑 秋のバラのつぼみ
「海妟河清(かいあんかせい)」の言葉通り気温良し気候良しの穏やかな朝を迎えましたが、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。お彼岸を挟んで三連休でしたが、このたび秋雨前線の影響による能登半島豪雨災害の被害状況が刻々と報道され現地の惨状が次第に明らかになるにつれ、今から約76年前に発生した福井大震災の状況と大変似ている事に気がつくものです。
霊苑奥の院にて 寳勝寺秋季彼岸供養諷経を修業いたしました
福井大地震の前、昭和20年(1945)の7月にアメリカ軍の空襲を受け福井市内は壊滅状態になり、その3年後の昭和23年(1948)の6月28日には丸岡を震源地とするマグニチュード7.1の福井大震災に見舞われ、その同じ年の7月25日には福井市内が豪雨による大洪水に見舞われ三重苦となった惨状のなか災害復興に全市民が立ち上がり現在見事に整備された福井市となったわけで、その不屈の精神を不死鳥になぞらえ「フェニックス(火の鳥)」と称し大通りが市内中央に走っています。
今回の能登半島地震と共通するのは、大地震後に発生する気候の変動で山々の地割れに豪雨がしみ込んで山津波となる現象です。また河川が氾濫し未曽有の被害をもたらす異常気象も大地震の影響から来るものと思われます。「歴史は繰り返す」と言われていますが、災害も同じく過去の現象を踏まえ復興対策に全力を注いで欲しいと願っています。
龍潭寺むくげ
「無事是れ貴人」という禅語が有りますが、「無事」であるためには並々ならぬ辛苦が伴うことも事実です。刻苦光明必ず盛大なりと信じてお互いに助け合いながら踏ん張って参りましょう。負けてたまるか! 友峰和尚より
第4055話
大安禅寺から望む 仲秋の白山連峰に掛かる雲
爽やかな秋風を受けながら境内を散策しましたが、気温が急激に下がり昨晩などは23℃と実に快適でぐっすりと眠れたようで漸く長い長い暑さから解放された気分でした。日中気温も26℃と過ごしやすくなり、身体も随分と楽になった感じです。昨日の年中行事後の疲れもあって午前中はアトリエの自室でゆっくり寛ぎながら、午前11時に御来寺予定の飛騨高山市国府町・安国寺住職と総代様をお待ちしました。
安国寺御住職ならびに総代様より 御挨拶を賜りました
来る10月16日(水)に高山市国府町安国寺にて故・大雄和尚津葬の儀に際し秉炬(ひんこ)導師としての拝請に来寺くださり、安国寺総代様2名とともに来られました。到着後は愈好亭にて御挨拶した後しばし歓談しましたが、故・安国寺閑栖大雄和尚とのこれまでの思い出などをお話しさせて頂きました。
本堂修復工事現場を視察されているところ
自坊で過ごす時間も最近は限られているため、午後からは愈好亭とアトリエ自室の整理整頓と掃除をした後、金沢に出発する時間まで自室ベランダでお茶を楽しみました。寺院を取り巻く草木はすっかり初秋の風情に変わっており、晴れ渡った白山連峰に掛かる雲も穏やかでした。
昨日の行事終了後 和尚のアトリエへ遊びに来た永峰
さて皆様は如何お過ごしでしょうか。3連休もあっという間に過ぎてしまいました。ニュースでは秋雨前線の影響を受けて能登半島の地震被災地が再び豪雨水害被害を受けた現地の悲惨な災害状況を伝えています。また立憲民主党党首総選挙並びに自民党総裁選挙のニュースも同時に伝えられていますが、最早個人の力では如何ともし難い被災地災害復旧に向けて国が総力を挙げて直ちに取り組んで頂きたいと願って止まないものです。友峰和尚より
第4054話
肌寒い秋雨の大安禅寺
秋雨前線の影響を受け早朝より福井市内は時折強い雨が降り、秋の訪れを告げるような天候となりました。「暑さ寒さも彼岸まで」と昔から言われているように、今朝方の気温は26℃とずいぶん低くなり十分な睡眠がとれたようです。
昨日 檀信徒役員の方々が お供えの餅を準備されている様子
令和6年度 大安禅寺 秋季彼岸会ならびに放生会
午前10時半より「秋季彼岸会並びに放生会」が多くの檀信徒方々が参詣され、御詠歌講員皆様が奉詠されるなか厳修されました。放生会(ほうじょうえ)は全国的にこの時期に行われる事が多いようで、福岡市筥崎宮で行われている放生会は約千年以上も続く伝統的神事となっており約百万人が参詣されるといいますから驚きです。
大安禅寺御詠歌講員の皆様による 御詠歌奉納
本日は生魚を扱う店から金魚とメダカを買い求め、生け簀に入れ僧侶が読経するなか参詣者が水を注ぎ御供養をしたあと寺の池に放たれました。万物の生命を慈しみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する「放生会」ですが、今後も行事が末永く続けられていくことを願うばかりです。
住 職 法 話
行事終了後、参列者皆様に お供えのお餅が配られました
行事に御出頭くださった 華蔵寺様 と 霊泉寺様 です
孫の芭月が お茶のお運びをいたしました
副住職の補佐として出頭した 永峰禅士
愈好亭にて 酒井清章様と懇談いたしました
蒔田総代と 藤田総代とともに
さて今年1年間のすべての行事を無事円成し心から安堵していますが、秋季彼岸会の行事を終えると今年の終わりを告げる12月師走月がいっきに迫って来る感じを受けます。なにより健康で日々を無事に過ごせることに感謝しかありませんね。ありがとう!おかげさま!は“物”と“人”への感謝の言葉です。祖霊追善供養を通して真の心を捧げて参りたく思う今日この頃です。南無観世音菩薩 友峰和尚より
第4053話
今日から3連休を迎えますが、あいにく午後からは雨模様となり観光客の姿も少なくなったように思います。皆様はこの連休を利用して旅行にお出かけでしょうか? どういうものか住職の法務は土曜・日曜・祝日に修業されるため、残念ながら休日返上の一年を過ごしています。
宝勝寺秋季彼岸御供養諷経を修業いたしました
明日は大安禅寺の今年最後の年中行事「秋季彼岸会並びに放生会」が厳修予定となっており、夕刻に自坊へ帰山しました。近年は玄峰副住職がすべての年中行事の前支度の設えをしてくれるため、和尚はギリギリまで金沢での法務遂行に専念出来ており本当に助かっています。
ふれあいパーク霊苑 奥の院での 御供養諷経
午前中にふれあいパーク霊苑幹部の清野さんと卑山霊苑運営の今後について懇談しましたが、開苑以来8年目を迎えている「ふれあいパーク霊苑」も現在順調に運営が行われており、霊苑の事務管理をされている東京新宿区に本社を構える(株)ココ・プランニング中本大資社長はじめスタッフの皆様には心から感謝申し上げています。
清野さんとの打ち合わせ
世間的には運営を「経営」と称しており、経営の“経”の字はお経の“経”でありますから「経営」とは「お経を営む」とも読むことが出来、お釈迦様の悟られた真理を営むことが運営の根本理念と承知して健全な寺院運営に日々精進努力を続けているところです。
さて、「彼岸」とは般若心経に説かれている「摩訶般若波羅蜜多」の梵語“パーラミター”の意味で「彼岸」とは仏教では浄土を指しますが、一般的には仏教の中道(ちゅうどう)の行を修し悟りを得ることを意味します。明日は祖霊の追善供養とともに家族動物霊供養も併せて厳修されますので、皆様には是非ご参詣くださいますようお待ち申し上げております。
「秋彼岸 菩提の種を 蒔く日かな」南無観世音菩薩 友峰和尚より
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