1月, 2024年
第3799話
沙羅双樹 / 寳勝寺境内
午前中に葬送の儀が厳修されましたが、現在はこの度の能登半島地震に関連し被災により御逝去された方々の御葬儀が増えつつあります。本当に突然の訃報にご親戚の方も悲痛でやりきれない気持ちの中にあり丁寧に対応しています。
クリスマスローズ
時間が経過するとともに地震被害の実態が顕わになり想像を絶する状況が続いていますが、金沢市内には自衛隊車両や県外からの救助隊の車両が多く目に留まり、また個人でのボランティア活動は禁止されているものの市内各所に義援金箱が設置され多くの市民が寄進されています。地元のニュースでは特番を組んで現地の悲惨な状況を伝えていますが、日本全国に十分に伝わっているかが伺われます。能登半島の地域によってはいまだに孤立状態の町村が多くあるとのこと、地震発生からすでに11日が経過しているため本当に被災者の健康が心配されます。
鹿島建設(株)金沢支店 南部氏とともに
午後には鹿島建設(株)金沢支店の南部氏が御挨拶に来寺くださいましたが、元旦より休む間もなく災害復旧に当たっていることでした。多くの困難の中にある石川県ですが、これまでの災害復旧工事の経験を活かして素早い復興を切に願う毎日です。どのような状況下に置かれてもお互いの助け合いと思いやりの心が復興への大きな原動力となることと念じています。友峰和尚より
リュウノヒゲ
第3798話
能登半島地震発生から10日が過ぎ少しずつ災害復興への動きが進んできたように思いますが、本日はその災害復旧に当たっておられる(株)豊蔵組の豊蔵享一社長はじめ幹部の方々が卑山霊苑工事施工説明と新年の御挨拶に来寺くださり、地震災害状況などを聴くに及んで被害の大きさや復旧工事の難しさを実感しました。
(株)豊蔵組の豊蔵享一社長 と 職員の澤本さん
午前中に少林寺総代・中山家の月参りに出向きましたが、諷経終了後にはこの度の元旦地震での体験を話され、生まれて初めて経験する地震の恐ろしさで発生当時は自宅の2階に居たため揺れが大きく逃げる間もなく、ひたすら地震が収まるのを待ったとのことでした。
江川顧問 と 香林課長 です
午後からは松浦建設(株)の松浦義一会長もご挨拶に来寺くださいましたが、金沢市在住の方の中には能登方面に親戚を持っておられる方も多く、その心配度も並々ならぬものが有り心痛の思いですと話しておられました。現在の金沢市内は余震も減少し生活リズムを取り戻しつつあるように思いますが、地震災害復興に向けての支援の声が広がりを見せている昨今となっています。
松浦建設(株)の松浦義一会長 と 職員の方
能登地方の御寺院 建物被害状況を スマートフォンでご覧になっているところ
新年の挨拶まわりを含め新年会なども中止または延期を余儀なくされていましたが、こちらも少しずつ復帰しつつあるように思います。引き続き急ピッチで避難者救済の避難所確保が続けられている状況です。友峰和尚より
第3797話
1月14日午前10時半より大安禅寺新年「修正大般若祈祷会(しゅうじょうだいはんにゃきとうえ)」ならびに檀信徒年賀会が行われる予定となっており、早朝には地元町内の左義長御祈祷会が行われ正月縁起物飾りなどのお焚き上げが行われます。
大安禅寺 地元の左義長御祈祷会 (令和5年1月15日)
和尚の修行時代には1月元旦午前3時より3日の朝まで通しで大般若祈祷会が厳修され、大勢の雲水さんが御祈祷中に発する大きな声が堂内に響き渡り荘厳でしかも幽玄な世界が繰り広げられました。3日目の御祈祷を終了する頃には声も枯れ精魂尽き果てた状態になりますが、その時に振舞われる餅雑炊の味が今でも忘れることが出来ません。しかしながら餅雑炊のお振舞いはその後も延々と続き鏡餅が無くなるまで食べ続けるため最後にはギブアップする雲水も出てくる始末! 大変な僧堂生活でのお正月のひとコマです。今振り返ると僧堂時代ほど充実した日々の生活は無かったと懐かしく回顧しています。
大安禅寺 修正大般若御祈祷会 (令和5年1月15日)
大安禅寺では檀信徒皆様の手によって大般若経典の転読が行われますが大変珍しいことです。全国の寺院では教区内の僧侶が多数参詣して盛大な御祈祷会が修業されますが、現在では僧侶も減少傾向にあり年中行事も縮小せざるを得ない状況となっています。
創建以来連綿と続く 大般若経転読
大般若祈祷会は仏法を守る神々、天界はじめ寺院を守護する御法の諸善神に感謝し、国家の安寧と檀信徒各家の災難消除・健康安心・家門隆盛を祈願する最も重要な行事となっているだけに、全身全霊で御祈祷申し上げたいと念じています。
さて本日は桂岩寺住職が年頭の御挨拶に来寺くださいました。住職の話ではこの度の能登半島地震で輪島市、珠洲市を始め多くの地域で各宗派の御寺院も焼失、倒壊したとの報告を受け慚愧に堪えません。また被災された御寺院の檀家様の家も同じ状況下にあり、御寺院の災害復旧会議に出席されるとの事で寺を後にされました。いま何か出来る事がないかを模索する毎日となっています。友峰和尚より
第3796話
今年最初の降雪
あまりの寒さに深夜に目が覚め窓の外を眺めれば一面が真っ白の雪世界! すわ一大事と防寒服を身に着けて境内の融雪準備に当たりました。午前中に年忌法要が予定されていたため深夜の作業となったわけですが、幸いに10センチ程度の降雪でした。夜が明けて卑山霊苑の職員さんが総出で境内の除雪をしてくださり本当に有難く感謝したものです。
本堂にて 七回忌ならびに十七回忌の御法要を修業いたしました
加齢に加え年々除雪作業が重荷になるのですが、地震被災地で避難生活をされている皆様のご苦労を思うと辛抱しなければなりません。新年を迎え少しずつ法務が増えて来ましたが、地元に於いては能登半島地震の救助活動のニュースが気に掛かり通常のリズムにはとても戻れない状況です。午後には名古屋より(株)エムエムシーの大竹社長とスタッフの久保さんが年頭の御挨拶に来寺下さり久しく歓談しましたが、今が1月であることを忘れるくらいに時間が早く過ぎていく感じがします。
(株)エムエムシー 大竹社長 と スタッフの久保さんとともに
今日は全国で成人式が行われたとか、20歳になられた皆様には心からお祝いしたいと思います。成人式を代表して青年の挨拶がありましたが、「被災地域の皆様の助けになる事を行動に移したい」と強い口調で話されていたのを大変嬉しく感じたものでした。「青春とは心の若さである」とは詩人サムエルウルマンの言葉なれど、やはり肉体の若さが如何に大切かを思い知る今日この頃となっています。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
第3795話
急激に気温が下がり終日愚図ついた気候となりましたが、夕刻よりは雷とともに霙混じりの荒れ模様の天気に変わり能登半島地震被災者皆様の健康が大変心配されます。ニュースでは、地域によっては農業用ビニールハウスの中に避難され寒さをしのいでいるとのことですが、本日は雪模様の天気に変わり石油ストーブも無いとかでなんとか救援対策を急いで欲しいと願うばかりです。現在は個人での救援活動が止められているためジレンマの中にいますが、被災地では人手が足りないとの事でボランティア活動さえ出来ない現在の状況からこの度の地震が如何に救援活動に困難を生じているか伺い知る事が出来ます。少しでも自分に出来る事が無いかを模索しながらニュースに聞き入っている毎日です。
アトリエ太陽の子主宰・代表 中嶋洋子 作
これまでにも日本全国で未曽有の地震が幾たびも発生し、その度ごとに多くの方々がボランティア活動に参加し被災地における被害者救済に当たって来られ地域の復興に尽力されて来られた経緯が有ります。「災害は忘れた頃にやって来る」という諺が通用しなくなってきた今日、日頃から地震や台風、水害など防災に対する各地域での訓練また防災知識と備えなどの更なる意識向上が求められていると痛感するものです。さて北陸地方の本格的な冬はこれからです。今後の大雪にも十分な警戒と対策を怠らずに進めて行きたいと思っています。友峰和尚より
第3794話
新年を迎えアッという間に一週間が過ぎようとしています。連日能登半島地震被害と被災者救助の続報が刻々と伝えられていますが、安否不明者の救助がなかなか進まない状況に心が痛みます。寺町から約1キロの所に大桑町陸上自衛隊金沢駐屯地があるため、連日災害派遣物資を積んだ軍用車やヘリコプターが陸空共に頻繁に行きかっています。ニュースによると道路渋滞を避けるため現在は個人での災害救援物資の輸送は止めて欲しいとの事でした。いずれにせよあらゆる機関が懸命の救助作業を続けている様子で、一人でも多くの人命救助を願っています。
少林寺御檀家の桑島様が来寺くださいました
午前中に少林寺御檀家の桑島氏が年頭の御挨拶と年忌法要修業の件で来寺されましたが、元旦地震発生当時の様子について色々大変だったことを語られていました。
令和6年1月1日夕方、瑞光寺にて
本多町の瑞光寺が今回の地震で被害を受けたため、地震被害の調査と片付け、掃除を兼ねて職員と出向きました。破損した平安時代作 観音菩薩立像は一端寳勝寺に移転保存して修復出来るか検討し、仏具等の破損は仏壇屋さんに修復を依頼することにしました。
本日、改めて瑞光寺へ出向き、整理と掃除をしました
バラバラに崩れた腕や冠、土台 / 平安時代作 観音菩薩立像
観音像の破片の数々を 箱に納めていったん寳勝寺へ持ち帰りました
また寺務室などはガラス製の置物が破損して破片が飛び散っていましたが、大きな被害はなく安堵しました。4か所の兼務寺院先の地震被害が最小限であったことに胸を撫でおろしましたが、今後は地震対策も急務になっているように実感しました。
仏壇から転落し割れた 灯篭の台座
灰やホコリがかかった仏壇を 掃除しました
瑞光寺墓苑 倒壊した墓石
今回の地震で思ったことは「気づき」の重要さでした。地震発生時に卑山に隣接しているホテルの水道管破裂で猛烈な漏水が発生しているのを見て、以前兼務寺院・少林寺の漏水があったことを思い出し直ぐさま出向いたところ案の定、台所の水道管が破裂しておびただしい漏水が発生していました。幸いに止水栓を止め事無きを得ましたが、本当に普段からの「気づき」の大切さを思ったものでした。
夕刻 寳勝寺檀信徒・高畠家のご家族 蓑屋様御一家が来寺くださいました
臨済宗妙心寺派の寺院の中には数多く兼務されている住職がおられますが、自然災害が生じた際の対応に対するご苦労を実感しました。いつ発生するかも知れない自然災害に対し日頃からの防災意識が如何に重要であるかを強く感じるものです。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より
第3793話
世の中一斉に仕事始めとなり経済活動が活発になって来ましたが、能登半島地震が収まる気配もなく石川県内の多くの事業所は重い雰囲気の中での動きとなっています。多くの安否不明者が発表され、現在で242名の捜索活動が続けられています。能登半島は海岸沿いの入り組んだ地域が多くまた道中に崖崩れや地割れが多く発生している関係上、被災地域まで救援に行けない状態だそうです。兎に角一刻も早く被災者の救援に当たって欲しいと願うばかりです。
今年の干支は「辰」で龍は水を呼び火炎を吐いて如意宝珠を掴むと言いますから、竜神の神力をもって地震を鎮め人々の救済に如意宝珠をもって穏やかな状態に戻して欲しいと鎮魂の御祈祷を続けています。さて金沢市内の観光施設はどこも休業しているようで街なかは静かな佇まいとなっています。今なお余震の続く石川県ですが、被災者救済と被災地救援復興を願う日々が続いていきます。金沢市内兼務寺院の災害被害の調査を進めながら再び寺院の復興整理に当たっていきたいと思っています。友峰和尚より
第3792話
朝一番に少林寺総代・宮﨑家の年頭回礼諷経に出向きましたが、金沢市内に於いても場所によっては大きな地震被害が出ています。幸いに宮﨑家は被害は無かったのとのことで安堵しました。今日から法務を開始し、午後からは片岡家満中陰忌法要を修業しました。
片岡家 満中陰忌法要を修業いたしました
情報が増えるにつれ色々な被害が確認されつつあり、この度の能登半島地震は広範囲で被害が出ているように思います。金沢市内でも兼六園内や金沢城内でも積み石が崩れたり灯篭が倒壊するなどあり、安全が確認されるまで見学停止になっているとのことでした。滋賀北陸教区宗務所長の齢仙寺住職からも幾度もお見舞いの電話を頂き有難く感謝いたしました。
「 不動妙心 」
寳勝寺は耐震補強工事が施行されていることもあって無事でしたが、輪島市、珠洲市など震度の強かった地方の各御寺院は輪島市街大火災で全焼した寺院や全壊した寺院も多数存在し本当に心痛の思いです。さっそく新命和尚と連絡を取り能登地方の臨済宗寺院の災害復旧に尽力してもらうよう願いました。余震も減少し明日から各兼務寺院の現状復帰に入る予定をしていますが、まだまだ予断は許さない状況下にあり大切な文化財は安全な場所に移動保管しようと思っています。本日も引き続き地震お見舞いの電話やSNSでの励ましの言葉を頂き重ねて感謝御礼申し上げます。ありがとうございました。友峰和尚より
第3791話
正月3日目の朝を迎えましたが、昨晩も震度3以上の余震が連続し時々目を覚ます状況で少々寝不足気味となっています。気温も13℃と高く気候も穏やかなことがかえって不気味に感じるほどです。本来なら観光客の利便性を図るため寺カフェを開業する予定でしたが、寺町界隈は人影も車の往来も少なく静まり返っている状態でしばらくは休業することにしています。
新年のカフェをお手伝い頂く予定だった髙橋さんと藤本さんと 和合茶礼をしました
昨年より依頼していた手伝いの方々と新年の和合茶礼をしましたが、話題はやはり元旦を襲った震度5強という生まれてよりこれまで経験をしたことのない激しい揺れに驚いた体験話でした。今日も時折余震があり、今暫くは予断を許さない状況が続きそうな気配です。
高倉様御夫妻とともに
午後には日頃ご厚誼頂いている高倉様御夫妻がお参りと年頭の御挨拶に来寺されしばし歓談しましたが、昨年は卑山修復保存工事で御主人には大変お世話になり感謝の言葉を述べました。今年も妻とお正月を過ごし、所用で自坊に帰参するというので金沢駅まで送りましたが、地震の影響もあってか金沢駅構内は例年より人の出が少ないように感じたものでした。
不安を抱えながらの三賀日を過ごされ里帰りされた方もゆっくり出来なかった新年だったことと思います。避難所で新年を過ごされている被災地の皆様にはお見舞いの言葉も無いほど心痛極まりない思いでいっぱいです。本日も自衛隊の輸送ヘリが終日上空を通過して行きました。一日も早い支援物資の到着と災害復興を願っております。友峰和尚より
第3790話
昨日の能登半島地震発生に関し全国より心温まるお見舞いの言葉を頂き感謝申し上げます。一夜明けて金沢兼務寺院の巡回に出向きましたが、案の定本多町・瑞光寺は大きな被害を受けていました。
仏壇から落下した観音立像 や 仏具 / 金沢市本多町 瑞光寺
仏壇の灯篭は倒壊し平安時代に作造された観音菩薩像は落下して損壊、位牌壇はことごとく倒れ香炉が破損して一面灰だらけ状態で掃除にも時間が掛かってしまいました。今後また徐々に被害箇所が見つかるものと思いますが、境内に建つ民家などでは屋根の棟瓦が倒壊し、瓦職人さんが修理をしていました。
燭台や花瓶、灯篭が倒れて破損しました
また野町・少林寺では水道管が破裂して激しい漏水が有り、早く発見し止水したためなんとか難を逃れた感じでした。次々に伝えられる地震の速報では輪島の大火災や倒壊したビルや建物が映し出されるのを見るにつけ心痛の思いで一杯になります。本当に地震の恐ろしさを実感した新年幕開けでした。
傳燈寺でも 地蔵尊や仏具が位牌壇から落ち破損するなど確認されました
年頭ということで卑山須貝総代御家族はじめ現代写真スタジオの加茂正光氏も来寺され年始のご挨拶をしましたが、話題は地震のことで持ち切りとなりその間にも余震が続く状態でした。今年は「辰年」ということもあってか龍が水を得て上昇するが如くに天地を揺るがす状況は本当に竜神の力で平穏を取り戻して欲しいと願ったものでした。被災地皆様には心よりお見舞い申し上げる次第です。
須貝家 新年の御先祖供養並びに御祈祷を修業いたしました
須貝家の皆様と家内と共に 新年の茶礼をしました
野町・現代写真スタジオの加茂正光氏と御息女が 新年のご挨拶に来寺くださいました
金沢上空には終日自衛隊のヘリが往来していましたが、一刻も早い人命救助そしてライフラインの復旧を願うものです。余震も少しずつ収まっているように感じひとまず安堵していますが、再度の震度7の地震が予告されるなかまだまだ予断は許されない状況のようです。新年の挨拶と共に地震お見舞いを頂きましたことに厚く御礼申し上げます。
いつもカフェをお手伝いくださる大学生 吉浦くんのご両親が ご挨拶に来寺くださいました
さて本来なら正月期間は寺カフェを開業して金沢を訪れる観光客の便宜を図る予定でしたが、全期間休業して地震後の復旧に当たることにしています。不幸中の幸いで寳勝寺は7年前に耐震補強工事を施しているため、大きく揺れはしたものの仏壇も位牌も倒れることは有りませんでした。施工してくださった松浦建設(株)様と建築指導をして頂いた金沢市歴史建造物整備課の皆様に深く感謝申し上げます。友峰和尚より
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
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