和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第468話 】
2014年 11月 29日 談

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27日に建てられた大安禅寺の門松の事が地元のマスコミに大きく取り上げられました。最近は日本古来の風習をできるだけ残して行こうとの取り組みが全国各地で始まっているようで、本当に大切なことだと思います。和尚の子供の頃は、お正月とお盆が来るのが待ち遠しかったことを思い出します。恐らく団塊の世代にある方は同じ心境をお持ちの事と思いますね。何しろ現代社会のように交通アクセス面でのインフラも十分でなく、遊びと言っても村の中だけでの事でしたから、お正月やお盆に親戚の従妹たちと無心に過ごすことが実に楽しかったのを思い起こすものです。第一に、お正月の飾りつけや遊び道具も特別な物であり、食べ物も実に豊富で心が浮き浮きしたものでした。お盆などはご先祖の御供養の後は必ず母親が牡丹餅を作ってくれた、普段とは全く異なった雰囲気を存分に味わったものです。その当時は玄関には必ず国旗を掲げ、門松やしめ飾りなどはどの家も必ず設えたものです。お盆には家紋の幕を張り、御精霊棚と回り灯篭をもって先祖の霊を迎えたものでした。

22 小森庭園主・末政幸憲様より寳勝寺に寄進された門松(平成25年12月末)

時代が進むにつれ大切な風習も風化しつつある今日、原点回帰の風潮は色々な意味で歓迎したいものです。来年からは大安寺観光協会代表の藤田通麿会長はじめ地元の有志の皆さん、そして卑山も参加して、お正月の縁起物、門松を復興しようとの機運が高まっています。「正月」の漢字の意味も「心を正す月」から来ていますし、一月を「睦月」と呼ぶのも「仲睦まじく」から来ています。門松の「松竹梅」とて古来より伝わる縁起物ですから、その深い意味などを後世に伝えていく為には、まずは形の復興からだと和尚は大いに喜んでいるところです。20年前から始まった11月末に建てられる大安禅寺の門松もすっかり地元の風物詩として親しまれているようです。友峰和尚より

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