和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第895話 】
2016年 01月 30日 談

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「 心外無法(しんげむほう)」

寒の戻りで今日から再び荒れ模様という予報でしたが、終日穏やかな良いお天気となりました。天気が良いとなんだか心まで穏やかになるもので、特に今日は重要な会議が行われた為、たまには良いほうに予報が外れるのもいいものです。いつもでしたらこの時期は猛烈な寒波に襲われるだけに、一日でも穏やかな天気に恵まれれば極楽!極楽!です。

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立春を目前にして、和尚的には今年一年の計画を今いちど吟味している毎日ながら、伝え聞くニュースのバリエーションの多さに驚くと同時に自分の気持ちを引き締めています。お寺にいると実に相談事も色々ですから、世の中の出来事となるとより難題が多発するのもうなずけます。またそれらの事象を一つ一つ吟味してみれば、やはりそこには人間の計り知れぬ煩悩が渦巻いて生じる因果の結果のようです。この事を仏教では「因果応報」と説いていますが、この世の出来事は一つとして因果の法を離れては存在しない事が良く理解できます。昔より「何にも思わぬは仏の稽古也」とは申せ、自分の心を滅するもまた難しい事ですね。このようなお話をするのも、今日の午後に行われた「寶勝寺ふれあい霊苑パーク会議」を通して思ったことです。

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「十人十色」と言われるように、人みなそれぞれに考えも意見も違いますが、唯一「仏縁」だけが皆の意見を同じ方向へと誘(いざな)っていきます。実に摩訶不思議です。心の計らいを止めて「不昧因果(ふまいいんが)」、因果をくらまさずの心境で有ることの大切さでも有ります。「心は萬境に隋って転ず 転処実によく幽なり」という禅語が有りますが、相手の心とひとつになって行くとき、すべての事柄が良き方向に向かっていくことを思うものです。一月は「睦月」です。皆んな仲睦まじく過ごして参りたいものですね。会議に参加された皆様には大変ご苦労様でした。友峰和尚より

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