和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第765話 】
2015年 09月 22日 談

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大安禅寺にて 彼岸会のお餅搗きのようす

明日のお彼岸会準備のため、多くの檀信徒世話人と共にお供え物の御餅つきをしました。孫の手も借りながらの小餅づくりでしたが、お手伝いの奥様方との会話も弾み、同じ餅でもこちらは世間話や孫の話題で「もちきり」でした。兎に角、いつもながらの和気藹々の時間が過ぎて行くなかで無事に終了しました。

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何かと近代化が進む今日ですが、お寺だけは今でも釜戸を使っての台所作業で、開始早々に煙突掃除の不備で薪が上手く燃えず、まずは煙突掃除をする羽目になりましたが、こんなところがなかなか面白いレトロの部分かと思いました。何もかもが支障なくスムーズに事が進む文明社会であるが故に、一度事故が発生しますと全てがストップしてしまいます。特に電化が進んだ近代建築は、停電など起きようものならほとんどの器具が使用不能に陥ります。トイレや台所器具はたまた空調器具に至るまで使えなくなり不自由を強いられる災害地での映像シーンをしばしば拝見していますと、結構レトロな生活も意義が有るのかも知れませんね。

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今の生活と違って昔むかしの生活の利点は何であったのだろうかと考える時、やはり人とのコミュニケーションの多さが一番重要だったと想像します。小さな子供からお年寄りに至るまで、皆が参加しての作業は互いの会話が大いに弾む場であったに違い有りませんね。昨日の新聞に、「シルバー連休中に言葉が無い家庭は危ない!」なんて記事が有りましたが、偏に文明の発達が人間社会を崩壊させていく誘因になっている事だけは間違いのないようです。孫達や嫁、そして檀信徒世話人皆様との会話が何よりの安らぎの一時であることを有り難く感じた彼岸会前日のお寺の風景の一コマでした。友峰和尚より

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