和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第496話 】
2014年 12月 27日 談

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明日はお正月の鏡餅搗きということで、妻がその準備に追われている中、和尚は残りの5日間でさらに干支の色紙書きとお掃除に専念です。大阪から帰宅してみれば晴れ渡った関西の空とは真反対に北陸の空はどんよりと曇っていてなんとも不思議な感じがしますが、長年住み慣れた生まれ故郷は、雪が降ろうが槍が降ろうが大変居心地が良いと感じるのは皆様も同じ心境だろうと思います。ニュースなど見ていますと、さらに極寒の不便な土地に住んでおられる方々もその地を離れないのは、故郷がそこに生まれたものにとって如何に心安らぐ場所であるかを物語っています。むしろ生活するのに困難な地域で有ればあるほど、土地への愛着はより強くなるのかも知れませんね。北海道などは現在では自然の極めて美しい農耕地帯として紹介されますが、それとて多くの開拓民の苦難の歴史を経ての苦労の美しさと捉えますと美しさも一段と際立って感じるものですが、その地域に住んでおられる方にとっては厳しい環境にある事には今もなんら変わりない事実でもあります。今年一年を振り返ってみても、日本のいたるところで災害被害を受けた報道が多かった年でもありました。日本は火山地帯国家でもありますから、古来より幾たびも大きな災害に見舞われ其の度毎に不屈の精神で今日まで耐え抜いて復興してきた民族でもあるように思います。福井県が「不死鳥」を旗印に掲げますのも、その事に端を発しての誓いのような言葉でもあります。「艱難汝を玉にす」とは真に、日本民族の魂の原点を感じさせる格言に思います。
この一年、どれだけ辛抱し助け合って来たかが、来年の平安を占う大切な要素なのかもしれませんね。明日は御餅つき!粘り強く頑張って搗きましょう!友峰和尚より

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