和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第491話 】
2014年 12月 23日 談

「冠婚葬祭」とは、冠は成人式、婚は結婚式、葬は葬式、祭は法事、ということは皆様が周知の如くですが、近年、このどれもが簡略化されていきます。時代の変遷とともに慣習や祭事の形も変化していくのは当然のことながら、長い人生の中でこの4つの節目がいかに重要なものであるか今一度見直してほしいと和尚は思います。‏小さな島国である日本が今日の繁栄を築き上げたのは他ならぬ、先人達の並々ならぬ深い知恵によって支えられて来たからに違いありません。その中にあって特に、生まれて来る子供たちを国の宝物として、極めて丁寧にしかも大切に育てて来た経緯が感じ取られます。「子は国家の宝なり」の日本の伝統的精神の立場から、「冠婚葬祭」はその折々に儀式を通して今日まで受け継がれてきた大切な祭事であると思うのです。

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今日は檀家様の御葬儀が厳粛に執り行われました。故宮田愛子さまの74年の生涯でした。御主人はじめご家族御親戚の皆様、そして地元町内の皆様、関係者の皆様が参列されての慈愛に満ち温かい雰囲気に包まれた葬送の儀となりました。和尚も導師として、故人に感謝の心を込めてお別れの一偈を奏しました。多くの方々に見守られてのお葬儀の中に故人の御霊を感じ取ったものでした。お別れと同時にご家族親戚一同が改めて自分の命の尊さと両親との深い絆を確認する瞬間でもあったように感じ取りました。‏我々の心は形に寄り添いつつ安心を得ることが出来ることを、厳粛な御葬儀の儀式を通して和尚自身が自覚したものとなりました。故人の御冥福を心よりお祈り申し上げます。友峰和尚より‏

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