和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第399話 】
2014年 09月 25日 談

お彼岸が過ぎた途端にいっぺんに秋色を深めてきました。日が暮れるのも徐々に早くなって行きますが、それだけに一時一時が惜しく感じられます。サラリーマンの方々は毎日規則正しいリズムの中でお仕事をされていると思いますが、和尚などは実に不規則な毎日の法務生活なので、時間の割り振りや仕事の進め方など、きちんと決めないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。時々、昔の修行時代を思い出しますが、日々の修行日程は極めて時間厳守で綿々密々の時間割となっている為、一日が長く感じられたものです。当たり前の事ながら早朝3時に起床し夜の11時頃までが修行時間ですから、一日たっぷりと余す所なく有効に時間を使い切っている感じだったですね。「若いときに鞭打て!」と言いますが、なるほど!年齢も七十近くになりますと気力も体力も含めて何もかもが不足しますから、行動よりも考えている内にどんどん時間が過ぎていきます。「光陰は光の如し」です。これは和尚の愚痴ではありません、であるからこその人生だと思います。「自分の事は自分で責任を果たしていく」の決意みたいなものでしょうか。毎日のようにニュースで伝えられている超高齢者社会日本。「一寸の光陰軽んずべからず。時、人を待たず」の格言が和尚にもひしひしと重く伝わってくる今日この頃です。

そんな中、先日お母様の一周忌法要を寳勝寺にて営まれた娘様より、大変丁寧な心のこもったお手紙を拝受しました。父母を想う心は幾つになっても自分の人生の心の支えとなります。「世の中に一億人の母有れど わが母にして優る母なし」誰の歌かは知りませんが和尚もそう思います。またこんな歌もありました。「月影の至らぬ里はなけれども眺むる人の心にぞ住む」と。そうなんですね、母親を想う心がそのまま、母親が今の自分を見守ってくれている心なんです。お母様の一周忌法要でしたが、ご家族の読むお経の中、お母様の微笑んでいる姿を感じ取った法要となりました。心の安らぎはいつも母と一緒に生きているところにあると思います。友峰和尚より

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