和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第339話 】
2014年 07月 24日 談

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「葉々清風起る」

この時季の言葉をいろいろ色紙に書いてみました。最近になって、中国における禅僧の漢詩偈やまた禅語など、その深い心境を少々自分なりに味わっています。一般的にはそれを「境涯」と言いますが、やはり長い人生経験を通じて漸くにつかむことの出来る心境のようです。となりますと、人生にとって長生きは大変意義あることの様に思いますね。「葉々清風起こる」などは、まったくに当たり前の言葉に思えがちですが、自分の心境と重ね合わせますと、がらりと意味合いが変わります。一般的には枝の葉が揺れ動き、その動作によって清らかな風を起こすの意味ですが、そもそも風によって葉が揺れ動くのであって、その葉の揺れ動く姿が人間の眼になんとも清々しい涼しさを感じさせてくれます。葉っぱは人間の煩悩であり、清風は無心なる心の働きを指します。あらゆる縁のかかわりによって我々の心も変化していきます。平常の「惜しい、欲しい、憎い、可愛い」の感情がそのままに「安心」の当体であるという境涯など、通常の心からは伺い知る事の出来ない心境です。されど、何もかもが「あるがまま」だということが一番ありがたいことですね。なんでもない普通のことが本当にありがたいと実感できれば、「道人」の心境と同じということになります。世の中の喧騒から逃れることの難しい現代社会に在って、心で感じ取ることのできる涼しさほど「値千金」なものは有りませんね。

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「白雲幽石を抱く」

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「月白く風清し」

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「月清し千古の秋」

さて、ほかにも一気にたくさん書きましたよ。どの言葉も古尊宿の禅僧が難行苦行の末に獲得した心境ばかりです。連日の猛暑ですが果たして、甲斐武田・恵林寺の住職、快川紹喜禅師の辞世の語「安禅をは必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火も自ずから涼し」とは如何!やはり暑いときは暑いですね。あるがままです。皆様この暑さにめげずお元気にお過ごしください。友峰和尚より

 

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寳勝寺檀信徒・北條仁美さまがご来山くださいました。

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本日は大安禅寺副住職玄峰和尚の誕生日。

北條様から新命和尚さまにとプレゼントを頂きました。

誠にありがとうございました。

 

 

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