和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第310話 】
2014年 06月 23日 談

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除草剤を散布中・・・ / 寳勝寺境内にて

ちょっと留守をしたら、寺の周りは草ぼうぼうです。

「夏草や兵者どもが夢のあと」なんて、感傷に浸っている場合ではありません。お天気情報では今日から一週間は晴れるとか。この機を逃してはならないと午後から除草剤の散布と草引きに精を出しました。ずいぶん昔の話ですが、除草剤が初めてこの世に登場したころでしょうか、ある御方が新聞のコラム欄で「慈悲深い禅僧!雑草にも水やり」なんていうコメントを出されていましたが、それは和尚のことでした。実は、大安禅寺の古い参道は山門から約200メートルぐらい続く石段で、その参道をいつも綺麗にしておくことは至難の作業でした。除草剤が発明されるまでは当然のことながら寺族総出で草引きと掃除をしていました。薬が発明されてからは天気の良い日を見計らってジョウロで除草剤をまいていたわけで、何も知らないその御方には、和尚の行為が”慈悲深い禅僧”に見えたというわけでした。フムフムなんとも言葉がありませんね。面白い話です。全く逆の行為でしたから「ノーコメント」ということでしょうか。そんな昔の出来事を思い出しながらの作業でした。

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嗚呼!どうしてこんなにやることが増えていくのでしょうか。

神様お願いです、お助けを! 愚痴が出てしまいました。ごめんなさい。昨日はあんなに楽しい一日だったのに。でも、お墓のお掃除ですからきっと「霊」の皆様も「お礼」を言ってくれていると思います。それで満足です。ブツブツ言いつつ作業を終了しました。そういえば午前中に、マレーシアから仏教徒の若い僧侶が訪ねて来ました。遠い遠い国からのお客様で、日本で修行したいとのことでした。真剣に真理を求めての旅で、本当に頭の下がる思いです。お掃除で文句を言っている場合ではありませんね。でも、お坊さんのことを英語で”モンク”って言うから、やはり文句が多いのも仕方ありませんよね。どうやら除草剤が和尚の頭にも影響したようです。この辺で今日は終わりにしましょう。「口は災いの元」、いわじいわじ。友峰和尚より

 

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