和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第2010話 】
2019年 02月 18日 談

穏やかで良いお天気が続いています。うっかりすると、今が北陸で最も雪が深くなる2月であることを忘れるくらいです。確かに春はすぐそこまでやって来ているのですが、過去には3月に大雪になったことも有りますから悩ましい天候と言えます。

先日、一冊の本が送付されて来ました。それは淡交社出版の「禅入門 ~禅僧から学ぶ こころ・修行・歴史~」という、禅の心を身近に感じさせてくれる内容となっています。監修は東京都世田谷区・龍雲寺の細川晋輔住職で、いま最も期待されている全国青年僧会のホープでも有ります。

歴史の変遷と共に禅宗の修行形態も変化しつつある中、京都市右京区花園妙心寺山内にある妙心寺専門道場は現在でも臨済禅の伝統的古式の修行形態を守って多くの修行僧が集っています。例えばお湯を沸かすのは今でも薪を使用した釜戸で、お風呂も五右衛門風呂です。当然の事ながら一年を通して冷暖房も無く、自然そのままの状況下で自給自足の日常生活を雲水達は送っています。

大凡一般世間の日常生活とは全くかけ離れた厳しい修行だけに、それを平易に説明することは困難ですが、この本では写真を多く使用して出来るだけわかりやすく説明しているのが特徴となっています。一般の書店でも求める事が出来ますので、是非ブログをご覧頂いている皆様には読んで頂きたいと切に願うものです。

伝統的修行形態を後世に伝承していくことは真に至難ですが、その修行形態こそが禅の悟りへの一番の近道で有ると言えます。いま大安禅寺の重文諸堂修理工事が始まろうとしていますが、その工事テーマを「守っていきたい国の宝!継(つな)いでいきたい匠の技術!」としました。どのような分野においても伝統的文化を後世に伝えて行く為のあらゆる努力が求められているようです。友峰和尚より

藤田通麿総代様と歓談しました / 大安禅寺 隠寮にて

 

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