和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1765話 】
2018年 06月 18日 談

文房流晴心会野口支部 華展 「緑風に誘われて」

 

時折堂内を吹き抜けて行く初夏の風を受けて、文房流晴心会・野口翠智社中皆様の生け花が拝観される方々の注目を集めていました。昨日は良い天気に恵まれた日曜日とあって、終日多くの来園者で賑わいを見せました。

 

 

一夜明けて昨日の混雑が嘘のように実に静かで穏やかなお花見日和となり、二番咲きの花菖蒲を始め見事な開花を見せている紫陽花、そして色とりどりの薔薇の花を愛でる女性のお客様が目立ったようでした。堂内では生け花が至る所に飾られ、ゆっくり鑑賞できるようにと長椅子が用意されていることもあり、のんびりとお寺の風情を楽しんでおられるようでした。

 

 

まさに「忙中に閑あり」の禅語の世界です。和尚はアトリエに篭って瞑想の一日を過ごしました。時折遠くで拝観者方々の楽し気な話し声が聞こえていました。妙に夏の到来を身近に感じたものです。

 

 

突然のお客様に備え茶室「愈好亭(ゆこうてい)」に香を焚き、縁側には蚊取り線香を置いて待っていましたが、流石に今日は一人の来客も無く静寂そのもの。人気のない茶室もまた風流です。まったくに贅沢な空間と時間が其処に有ります。「無一物中無尽蔵 花有り月有り楼台有り」、沈香の香りに修行時代を思い出していました。思わず叫びました。「誰かおるか?」そもさん! 友峰和尚より

 

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