和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1739話 】
2018年 05月 23日 談

禅語に「閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)」というのが有ります。意味は全くにそのままで、しずかに坐って松風の音を聴くという事ですが、一体どんなふうに松風の音を聴いたかが問題です。

松浦建設㈱ 吉田専務様 と 社員の方とともに

禅語は自分の心との対話ですからそれぞれにその心境は異なると思います。ならば和尚はどのように聴いたか? 禅語の字を確認すると「閑」と有ります。同じ「しずか」でも、静とは意味が違います。「閑(かん)なのです。そう言えば芭蕉の「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」の有名な一句を思い出します。「閑坐して松風を聴く」とは、松風の音と自分の心が一体と成った忘我の状況を現わしています。

大安禅寺のアトリエにて

「閑坐して松風を聴く」 大安友峰 書

本日は梅雨入りを思わせるように朝からシトシト小雨模様となりました。そんななか、午後からはアトリエに引きこもって色紙書きをしました。何処からともなく風が吹き込んで来て、まもなくヒュルヒュルと松風の音が聞こえてきました。何処までも閑です。音が聞こえて来るのに心は穏やかで閑です。思わず揮毫しました「閑坐聴松風」と。なんにも思わぬが仏の稽古也とはそのような心境なのかも知れません。一気に数十枚の色紙を書き上げましたと言うより勝手に手が動いていきました。久しぶりに書いた禅語の色紙、とっても気分よく清々しい気持ちで書けました。

モリアオガエルの卵 / 大安禅寺 心字池にて 2015年撮影

松風だけでなく雨音もモリアオガエルの鳴き声も同化して自分と一体でした。そうそう、今日の福井新聞に、卑山西庭の心字池でモリアオガエルが沢山の卵を産んだ記事が写真と共に掲載されていました。不思議ですね~、なにもかもが有るがままです! さて、お車を運転の皆様、「無事カエル」よう安全運転を念じています。けえろ!けえろ!ケロケロケロケログワッグワッワ。友峰和尚より

         

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