和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第1519話 】
2017年 10月 15日 談

本日の「生き生き法話」にて

現在約七万坪の寺領を有する大安禅寺、創建当初は一里四方が寺領として越前藩主より安堵されたと言いますから、その維持の苦労を思います。自然に囲まれた境内には珍しい野鳥が生息し、また小動物も多く生息しています。近年は全国的にイノシシやサルなど野生動物の被害が深刻さを増していますが、境内を取り巻く渓谷一帯は「特別鳥獣保護区」となっているため、卑山でも昼夜を問わずうり坊を従えたイノシシ親子が自由に闊歩しています。今日は卑山家族動物霊堂で毎月の総供養祭が行われましたが、ここに眠る多くの家族動物御霊の安らかなことを感じ取る事が出来ます。

新命副住職が富山地方に団体を引率しての巡礼に出向いている為、午後からは和尚が「生き生き法話」をしました。大安禅寺での法話は本当に気持ちの良いものです。紅葉の始まった峰々の雑木が雲間から差し込む淡い光に冴え、初秋の風情を際立たせていました。「裏を見せ 表を見せて 散る紅葉」という良寛和尚の有名な辞世の一句が有りますが、実に「あるがまま」に、自然の有り様には限りない美しさを感じます。時折、選挙カーから流れ聞こえてくる候補者の甲高い声すら紅葉の谷間に吸い取られてしまいそうでした。静かに、しかもゆっくりと流れて行く時間の中に過ごすことが出来ました。そうそう、午前中には「幕末の歌人・橘曙覧(たちばなのあけみ)の史跡を巡る会」の地元団体様が来られ御挨拶いたしましたが、その、橘曙覧先生が大安禅寺で詠んだこの時季の歌、「入相(いりあい)の 鐘の音響く 杉むらの 下道ふかく かおる秋の香(か)」 昔は松茸山で超有名だった大安禅寺。和尚の子供の頃は、足の踏み場も無いほど松茸が生えていたことを思い出していました。友峰和尚より

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870