和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1394話 】
2017年 06月 12日 談

寳勝寺ふれあいパーク 三界萬霊塔と歴世塔の 苔の植栽

「忍の一字 これ一生安寧の護符なり」という言葉が有りますが、正しくその通りだと合点します。そもそもこの「忍」の字ですが、「心」の上に「刃」があるわけですから大上段に構えられた刀を心でどう受けとめることが出来るか?と問われているようで、少しでも疑義すれば真っ二つにされてしまいそうです。このような場面に似た有名な問答が有りました。上杉謙信と武田信玄が川中島で一戦に臨んだとき、謙信が馬上より剣を大上段に構え武田信玄に向かって「如何なるかこれ剣忍上の事」と叫んだところ、信玄は軍配をかざして「紅炉上一点の雪」と答えたとか、真に真剣勝負の恐ろしい場面です。そのような意味を持つ「忍」の一字ですから、常に心の上に「刃」をイメージしながらの日々の生活という事になりましょうか。結論から言えば、「どのような意識も殺し切ってこそ安堵」という事だと承知します。実行となるとなかなか至難ではありますが、納得の言葉です。和尚の座右の銘に、「生きながら 死人と成りて 成り果てて 思いのままにするわざぞよき」という江戸時代の高僧・至道無難禅師の言葉が有ります。どうやらどれだけ辛抱できたかで人生の真価を問われるようです。

さて今日は東京より、㈱ココ・プランニングの中本社長がふれあいパーク霊苑工事視察の為に来寺下さいました。こちらは「辛抱」では無く「親交」を深める打ち合わせとなっています。霊苑工事もまもなく千秋楽を迎えようとしていますが、工事関係者の皆様も日々困難な状況に直面しながらも只管「忍の一字」で頑張っているようです。友峰和尚より

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